79話
まあ、以前ほどの敵意もないしおそらくジョアンナ様にかかっていた精神汚染もエイルによって取り除かれたはず。
純粋に民が心配なのと生来の暴走癖でここまで来たのだろう。
そんな気持ちの人ならば無理やり帰すこともないかね。
「わかりました。それでは普通にサファイヤさんとして扱わせてもらいますよ」
そんなことを話していると部屋にノックの音が響く。
返事をするとカーンズたちが入ってきた。
「待たせたな。なかなかこいつらが捕まらなくてな」
「まさか連れ同士が先に合流してるとは思いませんでしたよ」
そういったのは軽やかだが芯のありそうな男。
パーティ[ストーム]のリーダーのカインというらしい
こちらのパーティは男五人のようだが全員線が細い。盾役の人でもカーンズより細いのではと思う。しかしBランクということは。
「全員魔道剣士のパーティなんですか?」
「どうしてそう思う?」
「あまりにも線の細いイケメンばっかりですからね。カーンズさんがただの引き立て役です。でもBランクってことは実力は本物なんでしょう?すると魔道剣士かな?って思ったんですが」
「半分当たりだよ。全員魔道武技使いだ。通常武器に魔力を通して扱うことができるんだ。だからこのクマみたいな男のように無理やり筋肉をつけなくてもいい」
「お前たち言いたい放題だな」
頭ぐりぐりしつつカーンズがごちる。いいじゃん世間一般の認識だよ、てか痛いんだよ。
「まああとの半分は・・」
「おい、いいのか?こいつらに」
深刻な声になりとがめようとするカーンズ。しかし穏やかにカインは言う
「いいんだよ、どちらにしても知らないのは君が連れてきたこの子たちだけだ。それなら不公平だろう?」
カーンズはその答えを聞いて肩をすくめるだけだった。
「僕たちのパーティは女性3あとは僕とそこのジョニーは男じゃなくなってるのさ」
「はい?」
ファムとドロシーも頭に?が浮かんでいるような顔である。
「僕たちは昔サキュバスラミアに襲われたんだよ」
さらっというが男性陣の顔色は悪い。サキュバスラミアとは人を害する魔物である。
ラミアであるので上半身は女性、下半身は蛇という魔物だが。繁殖期には下半身も人型になり男を誘惑する。
但し誘惑だけならばいいのだがその精を物理的にちぎってしまうのである。
契るじゃなく千切る。
つまり強制的に宦官にさせられてしまったのがこの二人ということらしい。
「まあだからこそ人畜無害な男として女性とパーティを組んでいるんだけどね」
軽いな、まあそうでもなきゃやってられんわな。
「今回はキュクロープスの他にもラミアの目撃情報もある。時期が繁殖期の可能性もあるんでな。ラミア対策という意味でもこいつらが出なきゃいけないんだよ」
「なるほど、力役はこっちでラミア対策が向こうってことですか」
「そういうことだ」
「あれ?でもラミアがこっちに来たらどうすんの?カーンズさんなら自制心がなさそうなんだけど」
「どう言う意味だ?」
こめかみぐりぐりされる。いたいいたい。
あ、サファイヤ嬢がこっち見て笑ってる。覚えてろ
「大丈夫だよ。サキュバスラミアはなぜか少年しか襲わない。つまりカーンズは全く囮にならないんだよ」
なるほど、おっちゃんに興味ないのね。ジャニオタな魔物なわけだ
「じゃあラウル君が囮なのね」
ニコニコしながら言うサファイヤさん
マジで?経験もなく魔物に純潔を搾り取られちゃうの?
「まあそういうこともあるかもね。でもよっぽどの無警戒じゃない限りラミアの魅了にはかからないよ」
「心配だわ」
「ラウルって女性にはとことん甘いからねぇ」
「確かに殺そうとした相手も女性なら許しそうだし」
サファイヤさん、あんたを許したのはミュゼを泣かさないためであって女性だからじゃないんですよ。
てか怖いから貞操タイでも作ろうかな
その後ラミア対策も含めミーティング。翌朝より行動開始とすることと決まった。
夜の間の索敵はサファイヤ嬢が手を挙げた。どうやらきちんと召喚スキルはカミングアウトしたようだ。
こちらもダーキニーを呼んで索敵に回すことにする。
朝霧が使えない分頑張ってくれるらしい。
もっとも物陰で煽情的なキスを搾り取られましたけどね。
なんか毎回過激になってきている気がするのは気のせいかね。




