18話
授業終わり呼び出されました。
ローナ、ヒルムカ、カーンズ。会議室みたいなところか。生徒は俺、ミュゼ、合流したドロシー
「ドロシーどうだった?武技クラスは」
「意外と面白かったわよ。一度に10人相手の戦闘訓練なんてそうそうできないからね」
「ちょっとクラスのヤツラ半殺しにしてくるからまってて」
「待て待て!お前が半殺しにしたら全員死ぬからここに居ろ」
席を立とうとしたらカーンズが押しとどめた。なんで止めるんだ?大事な妹に10人がかりなんて訓練でも許さない。
「お前が行かなくても全員が半殺しの目に合ってる」
「ん?どういうこと?」
「ほら、お前と仲の悪そうな集団がいただろう?あれが例によって訓練の名目でドロシーに絡んでいったんだが・・・」
「ラウルを馬鹿にしたからちょっと腹が立って、じゃあいつもの家での模擬戦レベルでいいかなって力でやったら、みんなのたうち回ってたの」
テヘペロする妹にいいこいいこしてあげる。猫のように喜んでる
というか、学院主席剣士のヒルデ姉と家で練習してるドロシーに喧嘩売るとか馬鹿じゃないだろうか?
「もしかして、授業中もうちょっと力出していいの?」
「まあそうだな、いつもお前手を抜いてるのがまるわかりだからな。ほかの奴には指導したりとかある癖に気に入らないと一刀両断だしなぁ」
「ああ、そんな感じ。教えるのはうまかったわねぇ、確かに」
「いや、きょうの場合はそちらの職場放棄かと」
「何の話?」
「どこかの教官が生徒に授業を任せて聞き役に徹してた話」
ドロシーが聞いてきたので答えてあげる。人聞きが悪いと文句を言われているが事実だ。
「でも、確かにドロシーちゃんの言う通り規格外よね、ラウル君って」
「確かにその年齢でここまでの使い手はそういないですね。ぜひ将来は宮廷魔導師に」
「あら、うちのパーティに予約済みよ」
なんか魔術教官同士で勝手に将来が決められてるんだが。それより不穏な単語があった。
「ドロシー?魔術クラスに何を触れ回ったんだ?」
「え?ラウルがすごいっていうのと11歳の時にあのファイヤーが使えたってことだけよ?」
「そうですね、あとは強くて優しい最高の兄だとか、困っているときはいつも助けに来てくれる兄とか主に個人情報ですけど」
ドロシーのごまかしをミュゼが台無しにする。というかそんな恥ずかしいこと言ってやがったのか
「もう二度と魔術クラスにはいけない」
「まあブラコンの兄がシスコンならいいじゃないの」
バッサリ切り捨てるヒルムカ。チクショウ、絶対にあんたたちのパーティには入らない
「さて、少し話がそれましたがラウル君に聞きたいことがあります。」
散々いじられた後にローナさんが居住まいをただして聞いてきた。
「あのファイヤーの猫一体につきいくつの魔術を重ねているんですか?」
「いくつに見えました?」
質問返しは直接ではなくヒルムカにである。おそらくローナさんは正解を気づいている。
「ふたつ、いえ三つかしら」
惜しいね、見たままならそれで正解なんだけど
「正解は4です。猫っぽく動かすとなると胴体、前脚、後脚、背骨、ですかね。いつ気づかれました?」
「的を壊したときね。あの的はそんなに力を入れて作ったわけではないけれど、たかだかファイヤーボール一発で壊れるような魔力では作っていなかったのよ。でも猫の一撃で粉々。最初のヒルムカの一発を勘定に入れても会わないでしょう?」
「背骨作るって何考えてそこまで芸が細かいのよ!」
ローナの後ろでヒルムカがぶちぶち言っている
「芸が細かすぎましたか。でも背骨をメインに連結すればかなりきれいに動くんですよ。それに作ろうと思えば一発分でも作れるんですよ」
そういってファイヤーで子ぎつねを作る。空中は浮くがただ手足を前後に動かすだけの炎になる。そういや、これって狐火だな。召喚でもごまかせるかもしれない今度試そう。
すぐに消す。室内だからね。
「ったくお前ら一族兄弟そろって規格外だな」
カーンズがあきれる
「ヒルデ姉とドロシーはわかりますけど俺や、アル兄はいたって普通でしょ?」
「知らぬは弟ばかりなりだな。お前の兄貴は在学中にCランクに受かりやがったんだよ」
え?聞いてないよ?ドロシーを見るがプルプル首を振っている。初耳らしい
冒険者ランクは自動で上がるのはDまで。そこからCランクに上がるにはCランク討伐依頼10件Dランク討伐依頼5件の15件連続成功とギルド試験官との模擬試合に勝利という実績が必要だ。なにより試合はBランクの実力者があてられる。即ち
「試験は俺だ、あの野郎危なげなく俺に勝ちやがった。しかも言ったセリフが『自分は兄弟の中で一番弱い』だとよ。そしたら案の定ヒルデ嬢ちゃんが一年次で主席剣士だ、それに今年のお前ら、規格外もいいとこだろうよ」
「アル兄は一番強いですよ。さすがに俺は兄とだけは争いたくないですから」
まあ確かに火力面で俺に敵う人はいないと思う。でも人間的、心の強さという面では到底かなわない。
「まあその辺もひっくるめてお前らの強さだな」
言いたいことは伝わったようだ
「ラウルが一番規格外なのにねぇ」
「ほんとですね。自覚がないのでしょうか?」
ちょっとそこの女子二人、後ろでこそこそ言わない




