1172話
午後になりヤパムの開拓村を視察する
アガーブが妊娠したんだからお祝いに行かなきゃね。
この村は現状村長のトニーが最後に嫁とりをしたのである。
なのでアガーブの妊娠をもって来年は結構なベビーラッシュになるだろうしその分人も入れていかなきゃ回らないかもしれないからな
「ラウル様、よくお越しいただきました。」
「ああ、トニーも子供出来るんだってな、おめでとう」
「正直言って二年前までは家庭を持って村を作っていくなんて想像もつきませんでしたがね」
「まあそれは俺もだよ。二年前までこんな開拓村作りなんて指揮できる立場になるなんて思いもしてなかったからな」
二人で笑い合う。
まあ俺としては幸せな人が増えればそれで報われるんだけどね
それから移動してトニーの家へと行く。
そこにはアガーブのほか数人の男衆がいる。
今回は俺が来るという事で陳情などあれば聞くという事にしたのである。
なので話し合いのために村の運営にかかわる者たちが集まってくれているのであった。
まあ今は挨拶程度だけどね。
インフラ、農業面などと農機具の補充、魔物の防衛など基本的な要望だけであった。
まあできることはやってあげますかね。
取り敢えずインフラはのちにアンドゥとラチェットを送り込んで作らせることとして魔物の防衛用には武器と見張りのローテーションでなんとかしてもらうかな。
そのほかにもいろいろとこまごまとした注文もあったけどいきなり全部かなえてあげるわけにもいかないからね。
まあその辺はわかってくれているので意外と実りのある視察だったと思う。
なんというか俺の作る開拓村は基本的に軽犯罪者を俺が説得(物理含む)して連れてきた人たちばかりなのでお貴族様って扱いをしないので言いたいことはズバッといってくれるのである。
腹を割った話し合いというのができるのである意味気楽だね
「ラウル様、少しよろしいですか?」
帰ろうとしたときに後ろからアガーブが言ってくる
「何?」
「少しお耳に入れておきたい話が」
そう言ってくる。皆に聞かれないようなタイミングで言ってくるってことはなんかヤバい話か?
「先月この村に行商が来たんです。元アイリス商会の顔見知りがその中にいたのですが」
「アイリスってことはフロース関連?」
「彼が言うにはヤパムとの領地堺の山々が何か不穏な動きがあるとのことです。傭兵ギルドにうつった元フロースなども混じっているとのことですが」
「ああ、伯爵何か行動するつもりなのか。」
「ラウル様には直接危険はないでしょうけど搦手にはお弱そうですので一応ご報告を」
「ああ、助かるよ。でもお前も変わったな。」
「なにがです?」
「いや、だって俺に対する敵対心とか今あんまりないだろ?」
「身重の女があまりカリカリしても胎児にいい影響がないからです。他意はありません」
そっぽ向くアガーブ。なんだよ、ツンデレ属性あったのか?
もしかしてトニーはこの属性を一目で看破して惚れたのかもな。
「後要望としてはそろそろ村にも産婆の経験者とか入れていただけませんでしょうか?」
「あ、それはほんとに失念してたな。みんな一気に臨月きそうだしな。遅くとも二月の間には手配しとくよ」
情報量としては確かにそれくらいお安い御用だし。今のところこの村の女衆はみんな第一子なんだよね。
確かにそこは男の俺では発想がないところである。
でもどうしよう?そんな伝手ってあったかな?
アガサに聞いたら怒られそうだから帰ってからルフト商会にでも頼みに行くかね




