112話
さてあと二日、実はすることがない。
まあ仕入れたスパイスとかの確認とか下ごしらえとか個人的にはできることはあるんですけどね
「海に行こうよ!」
朝からドロシーが飛び込んできてそういった。だから寝起きに飛びついてくるないろいろ危ないんだから
「海って昨日行ったじゃないか」
「港じゃなくって砂浜があるらしいのよ、そこだと泳ぎやすいし楽しいらしいわよ」
海水浴ですか。まあ海に来たら一度はやってみてもいいかな。あんまりしてる人もいないだろうしプライベートビーチみたいなものかもしれないな。
「みんな泳げたっけ?」
「泳いだことなんてないわよ?だから浅瀬のある所に行くんじゃない」
大丈夫かな?まあ浅瀬で泳ぐ訓練でもすればいいか。
ファムなら泳ぎ方の基礎くらい覚えているだろうし、二人で二人を教えるならそんなに難しくはないかもな
「じゃあ行ってみるか」
「うん!、あ、あとファムが[海ならヤキソバヨネ]って伝えるように言ってたけどどういう意味?」
早速お昼ごはんリクエストですか。うどん見せたから推測して中華麺も持ってるのがばれたなこりゃ。
何でそんなに炭水化物に対して鼻が利くんだか。また後でからかってやろう。
それはあとのお愉しみだよ、と言って出て行ってもらう。たとえ妹とは言え目の前で女子を置いて着替えなんてできないよね
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海である。ビーチである。水着である
ヤッター!
ってならないんだよ。基本的に水着の無い世界なんだよね。
肌の露出が下品というこの世界では水着なんて作ってくれるわけはない。
そういう意味では確かに七海のビキニはいいものであったといわざるを得ないな。
まあスレンダーでしたけどね。女神さまといい勝負でした。
着いて早々で先に行ってパラソルの設営を命じられました。
「何でそんなこと」
「じゃあ貸し一回消してあげるからよろしくね」
アッサリとファムに言われてしまう。
貸しっていくつありましたっけ?
押し倒したのと、全裸見たのと、二回ほど性感こじらせたのと・・・
「早くいきなさい!」
じっくり思い出してたら怒られました。借りはともかく貸しっていくつか忘れるんだよな。
しょうがないのでビーチに一人。
まあ用意はしてたのでパラソル刺して敷物を敷くビーチチェアーなんてないのだが板とか普通に持ち歩けるので板を敷きその上に簡易にカーペットでも敷けばいいだろう。あと昼飯調理用に馬車も出しておく。
というか馬車というよりキッチンカーな気がするな。
「お待たせ!」
元気にドロシーが言う
三人ともそろってはいるが
何やらポンチョみたいなのをかぶっている。
日よけにしては妙だし暑いだろ?
「何なんだその恰好?」
「これはね。こうするのよ」
三人ともポンチョを脱ぐ
するとどうだろう、今世ではあきらめていた姿
美少女三人のビキニ姿である
但し細部は違っている
まずは柄。ドロシーは赤いハイビスカス。ミュゼは水玉、ファムはボーダーである。
ミュゼの元気な山の上にはレースのトップスできれいに抑えてある。
ファムは下は短パンではあるが上半身は見事なラインを強調している
そしてドロシーだが全体的にフリルが付き胸元では一番さみしいはずだがうまくまとまっている
「じっくり見ないでください」
ミュゼの声で一応我に返る
こちらは普通の半ズボンでよかったよ。
「何でみんな水着なんて持ってるんだ?」
「これ、ベースはセーレさんからもらったネグロランジェリーなのよ。で、みんな同じ黒ってのもなぁって思っていたら色や柄が変えられることに気づいたの。あとはみんなのイメージに合わせてコーディネイトしたってわけ」
ファムが胸を張る、いい形に反り返っているがグッジョブだ
「ていうか何度か聞いてたけどみんなの分を見たのは初めてだな、確かに上の部分のデザインはセーレさんと同じか」
「やっぱりよく見てたのね」
少しジト目でドロシーが言う。いやだなぁ防具っていうなら確認はするだろ?
まあ立場が悪くなるから言いませんが
「でもファムがこうやって可愛くしてくれなければ、とてもじゃないけどラウル君の前には出れませんでしたけどね」
「まあね、こう見えても服を可愛くするのは得意なのよ」
確かに水着なんてファムでなきゃできないよな。俺はさすがに女性用水着をうまく作ることはできないな。どうしても中身に・・・いや止めておこう
「じゃあラウルにはこれで貸し一つね」
あれ?今さっき貸しが一つ減ったはずなのにまた増えるの?
ファムのはともかくミュゼのもドロシーのも用意がよすぎるよな?
「ドロシー、そもそも今日ビーチに行きたいって言いだしたのは誰だ?」
「ファムよ。海で遊ぶのは楽しいって教えてくれたの」
ジト目でファムを見る。そっぽ向きやがった
「だって、海で遊びたいじゃない。久しぶりに海に来れるんだし安全なところなら問題ないでしょ?」
全くもう、まあ久しぶりの海遊びは確かに楽しみだしそれはいいが、サプライズにするくらいなら前持って言ってくれればもう少し夏メニューも用意したのにな
でも久しぶりの海遊びは楽しかったので怒りませんよ。
ビーチバレーで揺れる谷間とか。波ではしゃぐお嬢さんがたとか見ているのは確かに楽しいものだからね
昼飯はリクエスト通り焼きそばである。これはファムにも内緒にしておきたかった自家製ソースをふんだんに使う。
「やっぱり作れたわね」
「ファムの炭水化物に対する嗅覚は大したもんだよ。でももうないからな。」
「どうだか」
「ヤキソバっておいしいわね」
「熱いけど不思議な味です」
初めて食す二人にも好評でよかった。というか夏の焼きそば嫌いな人間ってそういないんじゃないかな
ついでにデザートはこの間の雪にはちみつシロップをかけたなんちゃってかき氷である。
かなり好評で三人ともオカワリを求めてきた。暑いもんな。
「そういや、三人とも日焼け止めぬらなくてよかったのか?」
「塗りたかった?」
「いや、日焼けあとってヒリヒリして痛いからな。用心は必要だろ」
ドロシーに内心をズバリ言われたがポーカーフェイスで乗り切る
まあばれているだろうがね。
「大丈夫です、そのあたりもきちんと気を付けていますよ。気づいたときに治癒をかけているので問題ないはずです」
ミュゼが言う。なるほど日焼けはやけどって認識で治癒魔法で治していくのか、さすがこの世界常識が違う。
そんなこんなでその日は一日海で遊んで満足しました。
「少しはストレスとれた?」
帰りにボソッとファムが言う。なんだよ、気を使ってくれたのか?
そうだよなミュゼなんかこの世界の常識で生きてきたんだし水着になんてならないもんな
それでも無理して水着になってくれたんだよな
やれやれ、本当にこの娘さん達には勝てないよなぁ。




