1156話
吹っ飛ばされたエスカルータは起き上がると笑いながらこちらに歩いてきた
「おぬしすごいな。まさか真正面から弾かれるとは思わなかったぞ。ああ、俺の負けでいい。今の防御はなかなか抜けないからな」
そう言うと発光し人型になるエスカルータ。赤のローブではあるが身長は俺より二十センチは高い筋肉ゴリラであった。ジェイさんとカーンズを足したようなもん?
「こちらこそ。もう少しそちらの見切りが遅ければ抜かれてましたよ」
「そうでもないだろう。お前の防御を抜くのとこちらの瀕死じゃ割に合わん。あの程度が俺の実力だ」
こちらの謙遜に的確に理解しているのかエスカルータが言う。
実際に無双華程度なら赤トカゲがもう少し捨て身なら抜けたくらいの力はあると思うんだよね。
まあ仲間の手前ボロボロにはなりたくなかっただろうけどこっちも無駄な喧嘩はしたくないので手打ちならそれでいい。
「えっと、あとは三人ですか?どうします?ミドリトカゲさんリベンジマッチでもします?」
俺が聞くと唯一ドラゴニュートモード姿のプラデーラが殺気立つ。
「待って!先に私に試させてくれない?」
そう言うのは青のローブのエスタトステラ。因みに気づいてなかったけれど人化した姿はショートボブをおさげにくくっている。あと眼鏡と巨乳なら言うことのないロリ賢者といった風貌なのである。
「俺としては誰でもいいですよ」
「魔術勝負でもってことよね?」
「お望みなら」
「エスタ!ラウル様には龍魔術に対して何の知識もありません!それはいささか不公平が過ぎます!」
クラティアンがエスタトステラを叱っている。
「ああ、お気遣いはありがたいですけど問題ないですよ。そちらにもまだ正式に見せてませんし」
俺が今度はクラティアンに言う。
「お互いに初見同士なら条件は同じですからね」
「話が分かって助かるわ。じゃあいったん私たち以外は防御結界の外に出してほしいんだけど?」
「わかりましたよ。翡翠。」
指示をすると俺とクラティアンを残しその他の人間との間にもう一層の障壁が展開される。
一旦とかなくてももう一層張るだけのお手軽さであった。
「じゃあ行きますね」
軽く言うエスタトステラ。突如何かが四方より俺にぶち当たってくる。
何度か衝撃に翻弄されサンドバッグ状態になる。
「龍魔術レスピラシオネ・アズ。どうかしら?」
「すごいね。魔力の流れとかほとんど感じさせないでそこまでの風の塊なんだ」
俺が言うと一瞬表情が翳るエスタトステラ。
「何で?それだけでわかるの?」
普通に見えない風の塊なんてまあわかるわけないよね?
一応翡翠以外にも警戒して石人形は出してるんだよ?
今回は石人形が俺の攻撃を受けるパターンから推測して結果を出してくれたのである
てか普通に気圧センサーでないとこれは気づかんよな。
局所的に超高気圧、といっても1.5気圧程度の玉を生成しファン〇ルよろしく遠隔操作している模様
でも一気圧って本来1平方センチ当たり10キロの質量だからな無自覚な時に落とされたらマジ撲殺のえげつない魔術じゃね?これって
おまけに正にファ〇ネルよろしく誘導に魔術形跡が感知できないと来ている。
この青女、案外一対多戦闘で最強かもしれないな
「まあネタも割れたし次は俺の番だよね?」
陣魔道を多重展開する。さすがにあんな風に見えない陣魔道などないんだよね。後で消せるけど生成にはどうしても陣が見えてしまうのである。まあそこはいいんだけど
展開は単純に加熱と冷却の二種類。ただし陣の配置は十数枚のランダムである
「これでいいかね?あとはホーミング捕縛陣でいいよね?」
最後に一枚の陣魔道を彼女に向けて放つ。これはあえて人が走るくらいの速度で撃つ
「その程度の速度で・・・・・え?えぇ??なんで?」
「ああ、因みにその陣に触れるとしびれて動けなくなるから気を付けてね」
「ヤダ、ちょっと!どうしてなの?!」
結局走って逃げだすエスタトステラ
なんであんなに怖がってるんだ?
「主様、私が彼女を捕縛したときに試しにその陣魔道を再構成したものを使ったんです」
マリーチーが言う。ああ、陣魔道は使えないけど形と中身自体は似せて再構成できるもんな
いつも俺が使っていたから試しに使ってみたかったんだろう?
「あれってスタンガンもどきだけどそれも?」
「以前帝釈天に象程度を気絶させるくらいの威力は教わったことがありますので」
「それって普通の人は死んじゃわない?」
「・・・まあ生きてますし」
一旦間の開いた返事をするマリーチー。そこまで気が回って無かったなこれ
「それもそうだな」
竜人だし耐久はあるだろう
因みにそれを思い出して逃げているらしいけど俺のは一般人用なのでピリッと来るだけなんだけどまあ教えるのも面倒だし必死に逃げててもらいますかね




