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八百万の精霊召喚~異世界神から日本妖怪~  作者: 那園曽 氏規
本編

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1155話

「では次は俺が行かせてもらおうか」


そう言い進み出てきたのは赤いドラゴニュート


碧もそうだったけどでかいね、二メートル半はありそうである。ダンジョンのオーグドラニティは二メートルちょいくらいだったけどそれより頭一つか二つは大きそうである。まあ横幅もあるんだけどね。


「名乗らせてもらう。俺は緋竜エスカルータ。ドラゴニックアーツエストラデジアを使うものだ」


「ラウル・シャロン。バルギーブル流闘法術だよ」


「ふん、正々堂々というわけか?」


「礼儀には礼儀でないとね」


お互いに構える。こちらはいつもの半身立ち構え。対する赤トカゲは両手を拳にして胸の前で構えるボクサースタイルである。


ボクシングトカゲ?


「そちらからどうぞ」


「まあ俺が挑戦者か。いいだろう」


間合いを詰めワンツーを打ってくるエスカルータ

ステップというよりはムエタイとか空手のような足運びだが拳は速い

受けずに躱すが追撃も早くなかなか間合い自体は引き離せない


そのままかと思いきや突如大振りの右ストレートを打ってくるエスカルータ

当然それも躱すが相手は勢いのまま反転し太い尻尾を打ち込んでくる


タイミングがいい。躱せない速度と重心を逆手に取られたようで咄嗟のガードを気にすることもなく弾き飛ばされる


「なかなかの腕だ。防御も一級品だな」


「そりゃどうも。でもそっちも様子見でしょ?今のだって軌道が少し平行すぎだよね?」


半分自分で飛んで勢いを殺したのがばれたようである。


「いや、それだと反撃されただろう?あの角度が限界だな」


「まあお互いに体術だけだしね。そろそろ本気出してもらっていいですよ」


「ああ、お互いにな」


そう言うと赤い鱗が発光する。一気にメタリック品質になったようである。


「殺す気で来いといったな。受けられるのか?」


「ほんとに死にそうならよけますよ」


「エストラデジア・ラヴァロッサ。受けられたらお前を認めてやろう」


魔力が増してきている。というより集中だろうね。拳と尻尾に週流する魔力だけど先ず一般人には受けられそうもないね。まあ気合入れてあげますか


こちらも魔力を集中する。ただし纏うのは足先のみ。あとは一層の防御陣でいいだろう


「其れで受ける気か?」


「この程度で十分ですよ」


「じゃあ死ぬがいい」


先ほどより迅い踏み込みで向かってくるエスカルータ。しっぽは攻撃でなく加速用に使う魔力だったようである。かんがえてるね。


掴みかかってくる両腕を連撃蹴りではじき返す

エスカルータは自分の攻撃、加速後すべてを逆ベクトルで打ち込まれた衝撃に耐え切れず弾き飛ばされていく


「何で蹴りだけで?」


呆然とつぶやくクラティアン。見れば全員竜人たちは言葉を失っている


「主様の技、闘法術陰技無双華ですね。あの程度の威力しか受けないということはお相手の攻撃威力も軽かったのでしょう」


後ろで薄紅がクラティアンに解説する


「軽いってあの技はエスカルータの最高の技よ?」


「そうなのですか?確かに防御無しで受けた場合熱でとてつもないダメージになるとは思いますがあの速度で動かれる分にはさほど重くはないでしょう。主様の防御膜を撃ち破れなかったのですから」


淡々という薄紅

クラティアンは少しあっけにとられながらも残る従者二人を見る

どちらもラウルの勝利が当然というように表情すら変えていない。


「もしも貴女ならあのエスカルータに勝てますか?」


「私ではおそらくあのように時間をかけるつもりはないですね。能力を使えばおそらく五秒くらいでしょうか?。因みにそちらにいる翡翠で十秒、マリーチーと本気を出したラウル様でしたら一合で終わっています」


改めて後ろに控えている女性二人を見て驚くクラティアン。

感じる魔力はさほどでもないがその言葉を否定できない雰囲気がある


「クラティアン。あちしたちもまたまだまだ成長中なのだ。知らないこと、気づかなかったことがわかればそれでいいのだ」


胸の中のヒカリが言う


「ヒストリアはもしかしたら長く孤立しすぎたのかもしれないのだ。最強をうたう六神龍。それ以上の存在がいたときにどうすべきか。考えてみるのもいいのだ」


「ヒカリ様は?どうなさりたいですか?」


「あちしはいま世界の広さの一端を知ったのだ。できればもっともっと知っていきたいのだ」


そう言って再び目を勝負に向けるヒカリ。

クラティアンも黙って視線を動かしていた。



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