1154話
どうせなので広場へと移動する。野球場みたいに魔石投光器をつけているので夜でも明るい。
山奥だしまあどの国からも認識されないだろう
因みに普段から魔石投光器を常設しているわけではないので重機型四足獣機であるエレファンタス三体、スペルジリウス四体に魔石投光器を持ち上げてもらっているのであった。
あれだよね、地方の村で高いところに設置するのに近所の土建屋さんのユンボ使っているようなものである。
まああとレオターリとエナプローバも人型になったらライトくらい支えられるんだけどあいつらは武装型だからねぇ。喧嘩を買うのが俺一人という制約上出してあげられないのであった。後の非武装型ベスティアって王都屋敷に置いた馬のエグウスとメタルアキレスしかないもんな。小さすぎなのでそんなのにライト設置したらこっちがまぶしいっての
「さて、だれから来てもいいですよ?何なら五人一緒でも構いませんが」
「不遜な物言いもそこまでにしてもらいたいものですね。」
「だって俺の実力測りたいんでしょ?殺すつもりで来ないと駄目じゃないですか」
「ではまず私が」
そう言って進み出たのは黒のローブの女性。
人化した姿は十代後半といった風貌。長い髪を後ろに束ねているきりっとした印象
まあ若干三角形の顔と目の離れ具合が爬虫類系だけどね。
でも一切表情というものが読み取れない。これではうちのクリスタロイドの方が表情が豊かである
黒竜ベリエーザとか言ったかね。
「いいですよ。誰からでも。殺す気で来てくださいよ」
「それはできないわ。私の能力は殺さないものです」
そう言うとローブを投げ捨て走り出す。ローブの下はなんというか体のラインの出るようにぴったりとしたカンフー衣装といった感じ。ぶっちゃけミニスカチャイナにレギンスといった方がしっくりくる服装。
そして手には得物を持っている。といっても一メートルほどの棒にしか見えないんだけど。え?まさかね?
間合いを詰め突いてくる。動きの完成されている踏み込みと扱い。
躱し掴もうとするがその手の動きを逆にひねるように絡められ組み伏せられそうになる。
え?ちょっとこれヤバい!?
咄嗟に手を放し先に自分で飛び離れる。そのあと舞うように打ち込んでくるベリエーザに対し軌道を躱しながら下からの蹴りでなんとか間合いを取る
「あら?アーツの心得がおありなんですね?」
「いや、ちょっとまって?何で?竜人がアーツ?いや、なんで棒術??」
「ボージュツ?これはドラゴニックアーツ・タクティコ。本来はこう使います」
彼女がそう言うと棒の先端から魔力刃が生えてくる。長い棒を使えばそのまま薙刀って形の刃である。
「ラウル、竜化したときに使うアーツがドラゴニックアーツ・エストラデジアなのだ。それとは別系統で人型の時のアーツがタクティコなのだ」
ひーちゃんが後ろから叫んで教えてくれる
なるほど、するとあのミドリの使ったのがエストラデジアってことね。特殊能力というかを加味するあっちの方が強力だろうけどこっちはこっちで一対一では普通の人じゃきついだろうな。
「ラウル様、妹は私と違いアーツタクティコのスキルが高い。お気を付けください!」
プロフーダが叫んで教えてくれる。そういうのもっと先に教えてくれてもよかった気がするけどまあ遅すぎるわけでもないからいいか
「ありがと、ちょっとかわいい子だから気が抜けてたかもね本気出すからそっちもその本気モードで来てくれていいよ」
「くだらないことで惑わそうとは人種というのは狡いですね。」
「実力見せるからさっさとおいでって言ってるんだよ。俺から攻めていいの?」
「来れるものな・・」
一足に間合いを詰め蹴りを放つ
まあ女性みたいなので言っても手加減の陽技伽藍である。
これはショートレンジに特化した蹴り技ではあるが闘法術なので結構陽技の中でも上級技である
狙いはもちろん咄嗟にガードを入れた棒の方
結構本気で蹴るとガードごと後方へ弾き飛ばされるベリエーザ。
そのまま障壁に叩きつけられている
驚いている雰囲気の竜人たち。まあ当然うちの部下たちはこれくらいで驚くようなのはいませんけどね
そしてすぐに動き出す黒の女闘士。
流石に竜人だな。あの勢いでも脳震盪も起こさないのかよ。
普通に地球だとトラックにひかれても平然としてそうだよな。
異世界転生できないよ?
「私の負けです。ラウル様」
あれ?急にさっきまであった闘志が消えちゃいましたよ?
「竜気を込めたスタッフを折られたのです。私の負けを認めましょう」
あれ?なんかしおらしいよ?無表情系殺戮竜人が180度変わってるんですけど
「そういえばあの子自分より強くて細身の男性が好みでしたよね?」
「種族の垣根を超えた恋愛か。反対すべきなのか」
後ろでなんかぼそぼそ言ってる白と黒がいるんですけど
聞かなかったことにしていい?




