108話
まず皆と離れたところに連れて行きそこで情報交換。
ファムにだけは真実を伝えておくが皆にはエッチな話とごまかしておくように言っておく。
ホントに蹴りだされましたけどね。
「何やってるんです?」
「何って基本的に転生者って喧伝はしないからな情報交換するときにはあまり邪魔は入れたくないじゃないか」
「まあそれもそうですね。自分はウッツ。この隊商で見習い兼料理番やってます。」
「よろしく。俺はラウル。お互いに転生者とは言え過去のことは関係ないからな。今を生きて行けばいいだけだし。でも何でカレー?」
「うちの故郷なんですけどターメリックの産地なんですよ。でも色付けスパイスとしか認識されてないのでカレーでも作れれば成り上がれるかもって思ったんですよね」
「なるほどね、だからあんな薄い色だったんだ。てかほかのスパイス入れてないのか?」
「ゼロスタートなんですよ。そんなの出来るわけないじゃないですか。幸いパクチーみたいな野菜は見つけたんでその種は使ってますけど」
「コリアンダーはあるんだな。じゃあ後はクミンとカルダモンもどきを探すしかないってことか」
「え?スパイス配合わかるんですか?」
「ああ、料理スキル持ってるんでレシピは頭に浮かんでくるんだよ」
レアスキルであるこの料理だけどどうやら魔力消費してレシピを検索できるというホントにめちゃくちゃなスキルである。召喚よりはるかに魔力使用量が少ないので気づいたのはつい最近なんだけどな。
「師匠って呼んでいいですか?」
「何も教えてないわ!」
「何言ってるんですか?師匠がいなきゃカレーは完成しませんよ。一生ついていくっス」
「ついていくって、俺は冒険者、お前は商人。道が全然違うわ」
「じゃあたまにこっちの道に寄ってください。冒険者ならいろんな道に行けるでしょ?」
「何で、俺がそこまでしなきゃいけないんだよ?」
「だって自分弱いっすよ、冒険者になれないですからついていけないですし、それにこの隊商を離れる気もないですしね。」
ちらりと隊商の方を振り返る。一人の見習い少女が皆の分の食器を片付けたりしている。ほぅほぅなるほどね。
「あの子の為なんだ」
「まあそうっすね。幼なじみなんすよ。師匠も経験ないですか?前世があるとどうしても世間になじみにくかったりとか。それでも一緒に居てくれたんですよ、あいつを大事にしていきたいんです。」
本来の13歳の会話じゃないな。でも精神的には大人なんだからこそストレートに思えるんだろうなぁ、そうだよね、転生者は皆大事な人を守ることの尊さは知ってるはずだもんな。守れなかった悔しさとかもあるのかもしれないな。
「まあいいか、俺も調理技術の会話相手は欲しかったところだし、たまにでよければこうやって話でもするか」
実際ファムは試食にしか役に立たないからな。舌は肥えてるのにニンジンの皮むきすら満足にできなかったからなぁ
「あ、あとあいつに手を出しちゃダメっすよあれは俺のですから」
「するか!これ以上女難を増やしたくないわ」
「まあその年で三人も囲える甲斐性も師匠ですけど」
「囲ってないわ!清く正しい関係だよ。」
まあ若干一人そういえば怒りそうなヒトがいますけどね
まああれは事故だから問題なし。
「あんなかわいい子たちに囲まれてよく我慢できますね」
「我慢しかないんだよ。立場上下手に手を出せないんだからなぁ、って待てそういうってことは?」
「この間、いただきました。あ、大丈夫ですよ現代知識があるんですからきちんと子供作りには気を付けてます」
大人の階段先に登ってる。ある意味そっちの方が師匠じゃないかうらみやましい。
「やっぱり今までの話はなしで」
「いきなりそりゃないっすよ」
踵を返すところを掴まれる。
「はなせぇ~もう用事はない~~」
「放しません~~きちんとカレーの完成まで付き合ってもらいます~~」
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「楽しそうねぇ」
「同年代の男の子とあんな楽しそうなラウルって初めて見たかも」
「まあある意味完全な同年代よね」
少し離れたところで話すラウルを見ながらミュゼとドロシーと共にほほえましく見ながら食事をしている。
どうしてもあいつは自分の異常さを自覚しまくっているので自分をさらけ出すってしないのよね。
ある意味同年代で同性の転生者っていうのは貴重なのかもしれないわね。
でもあいつじゃなきゃここまで転生者っていうものに会わないのも事実よね。
もし学院であいつに会わなきゃ、あたしはきっと自分を隠しながら生きていたかもしれない。
こうやって笑いあう友達もできなかっただろうし自分の道も決めずに数年後にはどこか知らない男に嫁いでってことになってたんだろうな。
そういう意味ではあの男の子の人生もいいように回るといいでしょうね。
きっとラウルにもいい影響があるだろうしね
でもたまにちらちらこっちを見る目が何かいやらしかったのであとでほっぺをつねっておこう




