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2人の僕の寝取り復讐、臆病な僕と何処かで見つけた俺  作者: ムラタカ


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第8話  空音との時間

「く…空音…」


「……。」


空音くおんと2人。

何故か僕の部屋にいる空音と2人揃って互いに見つめ合う。

気不味い空気が部屋の中に充満する。

この気まずさは僕が直前まで彼女の顔に見惚れていたからなのも多いにある。

何見てんのよ変態なんて罵声が飛んでくるのが容易に想像出来てしまうが故に僕は警戒心をより強めた。


しかし彼女の問い掛けは僕が予想するものとは異なっていた。


「あんたは…私の知ってる圭…なの?」


「え……?」


「な…何でもない!」


ちょっとまって?

私の知ってる圭…?

どう言う事だ…?

そう自問自答してから先程の事を思い出す。

さっきまで見ていた夢の事だ。

僕はアレを夢だと思っていた。

夢…そう夢だと…でも本当はそうじゃない…?



"……なぁ兄弟?"


あれは…あれは本当にいるのか?

もう一人の僕…もう一人の鳴海圭が…?

なら空音は…


「話したの…?もう一人の僕と!?」


「っやっぱり!!、あんた…私の知ってる圭みたいね!」


「空音…」


「………、うん、話したわ…もう一人のあんたと…確認だけどアレ…アンタの小賢しいお芝居とかじゃないわよね?私を騙してからかってんだったらぶん殴るわよ?」


「ち…違うよ…そんな事しないよ!僕だってなにがなんだかわからないんだ…」


「そ…そう……あんたは…その大丈夫なの…?体とか…」


「わからないよ…そんなの…」


「そう………、ちょっとじっとしてなさい」


「え…うわぁっ!?」



空音はいきなり立ち上がり僕が寝てるベッドに腰掛けて僕を優しく抱きしめてくれた。

空音の温かな温もりが伝わってくる。

空音が僕にハグを…?

あの暴力的で頑固な空音が?

なんだ…何が起こってる?

意味がわからず混乱する。



「アイツから聞いたわ…アンタ酷い目にあったんだって…、私はアンタを傷付けた最低な奴の妹だし、信じろなんて言っても無理かも知れないのは分かってるわ…でも信じて欲しい、私はアンタを裏切らないって事を」


「え?知って…るの?」


最低な姉…寧音さんのことだ。

妹が姉を最低と謗る(そしる)、それは本来なら叱られるべき行為だ、しかし普段の空音は不必要に姉を貶したりしない。

彼女が姉を謗る理由。

そんなの1つしか無い。

知ってるんだ…彼女は。

もう一人の僕は思ったよりも口が軽いらしい。



「聞いたわよ、もう一人のアンタから…多分全部ね…。アンタは昔から抜けてるし鈍臭いし見ててハラハラするのよ…寧音に傷付けられてそれで自暴自棄になって自殺なんてされても目覚めが悪くなるし私が困るのよ、わかる?だから何か嫌な事があるなら私に相談しろ!私はアンタの幼馴染なんだから!」


「空音…どうして…」


何故だろう…?

僕の事を気遣ってくれている?

あの空音が?

いつもならくよくよするな鬱陶しい!と言われバシンって叩かれそうだけど…。

いつになく空音が優しい…気がする。



「アンタ今自分がどんな状態かわかってる…?酷い顔色よ?1人で抱え込んで訳解んない人格生み出して訳解んない事になってる奴がいるのにそれを放っとける訳ないでしょ?普通」


「意外だな…」


「はあ?なにがよ?」


「え?いや…何でもなくて」


「こっちは思っきし意外だな…ってアンタの余計なひとり言聞いてんのよ?いまさら隠しても遅いから?」


「いや…空音って僕の事嫌いなんだと思ってたから」


「別に嫌ってないわよ!ただアンタ見てるとイラつくだけ…それだけよ」


「い…イラつく…」


「いつもなよなよして自信無さげで弱々しくてイライラする…でももう一人のアンタみたいにヘラヘラされるのもそれはそれでムカつくし…なら今のままの方がマシかな」



なんだよそれ…

なら僕はどうしたら良いんだよ…。

それならこの際言いたい事全部言ってやる!


「く…空音だって男みたいな性格じゃないか!」


「はぁ!?」


「うっ、うぅ空音はいつもガサツで乱暴でいつも口より先に手が出るし今どき暴力系ヒロインなんて流行らないんだよ!!」


「なっなんだとー!!」


「うわっ…」


空音は僕の頭を掴んで左右にグワングワンゆらし、睨んで来る。

しかし次の瞬間にはそれも止めて大人しくなった。



「うぅうぅ〜…はぁ…そうね…謝るわよ…悪かったわね…ガサツで乱暴な女でさ…」


「く…空音くおん…」


いつもならこのまま手が出て来そうな所なのにどうしちゃったんだ?


「ごめん…もう帰るわ…」


「え…?」


「明日は学校に来なさいよ?休むんならちゃんと連絡する!良いわね?」


「う…うん…そのありがとう…」


「いいわよ、幼馴染なんだから…」


空音は立ち上がり入り口兼出口となる僕の部屋のドアに向う。

しかし直前で空音は立ち止まり言った。


「私はアンタを裏切らない…それだけは信じて」


それだけ言い残すと彼女は部屋から出て行った。

急いで後を追い掛けようとしたけど一階から話し声が聞こえる。

空音と母さんの声だ。

僕の部屋は2階にある。

一階からはおそらくは仕事から帰ってきた母さんが空音と何やら話している。


面倒な事になるのも嫌なのでこのまま自分の部屋に留まる。


しかし…。

そうか…僕は学校を休んでいたのか…

それにすら気付いて無かった…。

どれだけ寝てたんだ…僕は…。


考えなくちゃ駄目な事が多い。

その事実にゲンナリとしながらも僕は自分の不甲斐なさに頭を抱える。

空音はあぁ言ったけど寧音さんは何も悪くはない。

僕は告白もしてないし寧音さんの恋人でもない。

勝手に期待して勝手に裏切られた気持ちになってるだけだ。

だから彼女は悪く無い。


(本当にそうおもってるのか?)


僕か勝手に舞い上がってるだけだ…


(向こうから見せ付けてきて挑発してきたのにかw)


頭の中に響くもう1つの声を無視しながら僕はまたベッドに戻り布団を被った。









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