第46話 最後の晩餐
くくく…くく…ははは!!あ〜はははは!!!!
やった!やったぞ!!
この僕が!!この僕が鳴海を…鳴海圭を負かしてやったんだ!!
何という高揚感!!
何という絶対感!!
偉そうに吠えていた癖に何も出来なかったじゃないないか!!
所詮は日陰者の底辺。
中学の時はしてやられたが高校に入ってようやく僕と奴の違いをハッキリと見せ付けてやることが出来た!!
ここからだ!!
そう!ここから…僕の逆転劇が始まるんだ!!
今日は気分が良い。
僕がこれまで集めた選りすぐりの良い女達を集めてパーティーを開こう!!
今日は記念すべき日なんだから!!
楽しくぱぁーと行こう!!
光の王子様。
そんな二つ名が彼にはある。
キラキラとした眩しいとすら思える笑顔を持ったイケメン。
運動も出来て学力もあって高いコミュ力もある。
まさに模範的なイケメン男子。
小〜中と彼は真野奏にした様に多くの少女達の心に干渉し口八丁でたらしこみ、手懐けていった。
その数は10人は下らない。
その手腕は年齢が上がるに連れて姑息かつ巧妙に進化し田辺葉の様に踏み台に利用され捨てられた男も多くいる。
しかし多くの者がその事実を知らない。
何故ならば彼は昔から人を利用するのに長けていたから。
彼の仕出かした事は巧みに隠蔽され表だって拡散される事はない。
彼の協力者により闇に葬られるから。
他者を利用するのに殆どの者は暴力等の恐怖で脅し統率を取ろうとする。
それがもっとも単純で簡単だから。
いつの世も恐怖にやる統制が最もベターなのだ。
だが恐怖による統制はヘイト…恨みをかう。
恐怖による支配は常に一定のリスクと隣り合わせなのだ。
故に光沢は恐怖ではなく甘い蜜を垂らして人を利用する。
見返りで他者を利用するのだ。
簡単な話…褒美を用意する。
かつてのハーレム要員だった佐藤や渡井の様に好きな奴と付き合えるかも?と期待させる様な状況を作る。
これはかつての山中も同じだ。
山中は佐藤の見た目が好みで以前から付き合いたがっていた。
そして光沢のお陰で実際に付き合えていた。
この様に男女関係なく光沢グループに属せば見返りがあると思い込ませるのだ。
自分と一緒にいる事で得をすると相手に思い込ませる。
光沢主体のクラスカーストを作りそこに属することでこれからの学校生活に彩りを与え有利に進められると思い込ませる。
結果自然と光沢を守る聖域が完成する。
光沢という教祖を守る為に皆が率先して彼を守る。
そうして中学時代の光沢大治のグループは大きくなっていった。
鳴海圭が出張ってくるまで。
鳴海圭の登場で彼の作り上げて来た城は脆くも崩れ去った。
だからこそ今度こそは0からの再スタート…そう思っていたのに…。
「まぁいいさ!僕は鳴海に勝てたんだしね」
放課後…。
学校が終わり、彼は近場のカラオケ店に旧友を呼んでいた。
小〜中と彼が集めた人材。
もっとも9割型女だが。
中には明らかに大学生や社会人と思われる見た目の女性もいる。
手広く深く手を出す。
いい女なら取り敢えず口説く。
それが彼のポリシーだ。
「みんな今日はホントに突然ごめんね?でも僕の嬉しい気持ちを皆にお裾分けしたくて!」
「そんなかしこまらないで!私達大治くんに呼ばれた事がとっても嬉しいんだから!!」
「そうだよそうだよぉ!!おー君の嬉しい気持ち!あさひ達にも共有してほしいな!」
「うん、私も光沢君に必要とされてるって思うととっても嬉しくなるから気なんてつかわないでいいんだよ?」
光沢大治は確かに鳴海圭にハーレム候補となる女、佐藤と渡井の2人を盗られた。
それは事実だ、しかしそんな事は指して問題ではない。
彼がこれまで集めた女性達の全体数と比べればは氷山の一角に過ぎないのだ。
実際の所彼にそこまでのダメージはない。
こうして呼べばいつだって彼女達は直ぐに集まってくれる。
しかし彼にとって女の数等はどうでも良い事だ。
いや、ハーレムメンバーの数は多ければ多い程良いが今それが問題なのではない。
要は一番をの美少女、雪坂空音が手に入らない事が問題だ。
それもこれも全てアイツのせい。
鳴海圭という本来なら自分よりも圧倒的な弱者に女を取られた…。
その事実が彼にとっては余程に屈辱的なのだ。
「それでそれで?おー君の嬉しい事ってなんなのぉ?あさひ超気になる〜」
「それなぁ〜」
彼女達の言葉に待ってましたと言わんばかりに光沢は語り出そうとする。
「うん!実はね…前から僕に酷い事する奴がいるって話しをしたでしょ?」
「お〜いたねいたね?」
「大治君に酷い事するなんて許せないよね!」
「ようやくその酷い事をする奴をぎゃふんと言わせてやれたんだ!」
「え!?マジ?凄いじゃん!」
「流石は光沢君ね!」
「でしょ?僕はその達成感と高揚感を皆と分かち合いたくてね?みんなを呼んだんだよぉ!」
ペラペラと得意げに意気揚々と話す光沢。
楽しくて楽しくてたまらない。
嫌いで嫌いで仕方ないカスを叩き潰せたんだ。
これ程盛り上がる話題はない!
彼は気分良く語っていた。
その時彼等が使用していた部屋のドアがガチャっと勝手に開き誰かが入って来た。
今日の集まりはこれで全員の筈…
「俺も混ぜてくれよ、その分かち合いにさ?」
だから仮に誰かが入って来るとしたならばそれは招かれざる客人となる。
「なっ!?鳴海!?」
部屋に入って来たのは光沢の天敵、鳴海圭だった。




