第24話 台無し
「…………。」
「………。」
姉妹揃って睨み合いが続く。
お互い睨み合って一歩も動かない…いや動けない。
しかし最初にその均等を崩したのは姉の方だった。
姉は私を無視して部屋に戻ろうとした、だから私はその姉に前々から疑問に思っていた事を問うた。
「ねえ?何で圭にあんな事したの?」
「………何のこと?」
「知らないと思ってんの?アンタがやった事」
「………圭君から聞いたの?」
「私が無理矢理話させた」
「相変わらず圭君に酷い事してるんだね?」
「は?酷い事したのはどっちよ?」
「………別に貴方には関係ないじゃない」
関係ないか…。
確かにそうだ…コイツが外で何してようと私には関係ない。
コイツが1人で何かしてようが私には関係ないし興味もない。
でも…。
「そうだね、アンタの事なんてどうでも良いし興味もない。私は圭にわけ分からない事するアンタが不快なだけ!だから圭に関わらないでくれる?」
「っ……どうして貴方にそんな事言われなくちゃならないの?」
「アンタが言ったんでしょ?貴方には関係ないって、なら圭と関係を持とうとしないでくれる?そうしたら私もアンタと関わらなくて済むの!ようやく立ち直れて来た所にアンタがまた卑猥な物見せてアイツに塞ぎ込まれたら困るのよ」
「ふーん…随分と圭君にご執心じゃない?いつも圭君の事を馬鹿にして下に見てるくせに」
「はあ?勘違いしないでくれる?私は圭を見下してるんじゃなくてアンタのせいで駄目になって行く圭を見てるのが我慢ならないのよ」
共依存。
圭と寧音は互いに感じる孤独や自身への不安、不満等を補い合う為に一緒にいた。
それは恋愛感情とかでも無いし助け合う為の関係でもない。
互いに堕落へと引きずり合う歪な関係。
互いに足を引っ張り合って蹴落とし合う関係。
空音はそう解釈している。
だからこそ圭に頻繁に絡んでいた。
圭本人からは嫌がられていたが…。
「偽善的だね。」
「はあ!?」
「綺麗事だねって言ってるの、理解できる?」
「何が綺麗事だってのよ!」
「私が気付いてないと思ってるの?空音が圭君に抱いてる感情を」
「は?何言ってるのアンタ…」
「クスクス…空音はお子様ね」
「は?……ちょっっ!?」
寧音はそのまま自分の部屋に戻っていった。
雪坂姉妹の部屋にはそれぞれ鍵が付いている。
カチッという音が聞こえた。
寧音は内側から部屋の鍵をかけてしまった様だ。
どうもロックされてしまったみたいで中に入れなさそう。
腹立たしいが追及はできそうにない。
別にあんな奴とこれ以上話したくも無い。
そう言い自分に言い聞かせて空音は自室に戻る事にした。
モヤモヤした気持ちで気分が悪い。
姉が何を言ってるのか…何を言いたいのか全くわからない。
ただ何か馬鹿にされたみたいで納得いかない。
不快で不愉快で嫌な感じ。
これ以上何も考えたくなくて私は部屋に戻った。
まったく…いい気分だったのが台無しだ。
だから私はアイツが嫌いだ。




