第23話 初詣に行こう
冬休みの真っ只中、僕は空音に誘われて初詣来ていた。
空音は他の友人達からも初詣に誘われていたけど僕と一緒に行くと言った所スッと波が引く様に誘いの言葉は消えたらしい。
まぁわからないでもない…、クラス内で不良ムーブをとっていた所謂ジャイアン的存在の山中を捻じ伏せた事になってる僕の名前を出せば誰だって引き下がるだろう。
まぁアレをやったのは僕ではなく僕の中にいる黒圭なんだけどそんな事は言えないしこの現状は受け入れるしかない訳だ。
そんな訳で僕は空音と初詣に来ている。
ぶっちゃけると着物に身を包んだ彼女が見れるのではと期待していたけど彼女は普通の普段着で来ていたし、とりわけ気合いの入った服装とかでも無くいたって普段通りのそれなりに外を歩いていても恥ずかしく無い程度の服装である意味で空音らしいなと思わされた。
クラスの友人達から空音は彼氏と初詣デートじゃーんとからかわれても「まぁ〜ね〜」と堂々と返されてしまうのでからかいたい連中も微妙な顔をしていた。
まぁ約1名だけ「オネーサンは嬉しいわぁ!空音ちゃんがようやく女の子としての自覚を持ってくれて!」
と謎の喜び方をしていたけど…。
「しかし世の中何が起こるかわからないものねぇ…」
「え?黒圭の事?」
「それもあるけど〜」
ベンチに座り空音はたこ焼きを爪楊枝でつつきながら言う。
「アンタがクラスでボスみたいなポジションになってる事…全っ然似合わない」
「僕が一番おもってるよ…」
山中を捻じ伏せた後僕は実質的にクラスの中心的ポジに付いた…いや、付かされている。
とはいえ何かボス的な事をしている訳でもしたい訳でもない。
出来れば平穏に過したいけど前のままだったらクラスの連中から空音の幼馴染ってだけで逆恨みされていただろう事は絶対に間違いないので空音と一緒にいるためには今の状況は好都合なのかも知れない。
ただそれに比例して光沢は孤立し今や友達とも疎遠になりボッチになっている。
正直僕をボッチの雑魚陰キャと罵っていた彼にとってはとても屈辱的な事なんだろう。
けどもそれで逆恨みとかして来ないかと少し不安にも思っている。
爽やかイケメンってキャラを演じてた彼だけど内面はとてもどろどろしてそうだし警戒はしておかないと…。
「おみくじでも買いにいこっか?」
「そうだね…」
「寒いしおみくじ買って結果見たら帰ろ、マジ寒い…。」
「面倒くさがりなのに良く初詣なんて行こうとおもったね?家族とは別の日に行くんでしょ?」
「いつもは面倒くさいから行かないっていってんのよね、今回はまぁ…特別」
「そっ…そっか…」
面倒くさがりの空音が僕とわざわざ初詣に行ってくれる…思い上がりじゃないなら多分空音は責任を感じてるのかも知れない…。
姉が僕に仕出かした事に…。
それなら空音には関係のない事なんだし気にする事は無いって言ってあげるべきなのだろうか?
それこそ思い上がるなって怒られるかも知れない。
それにいつまでも寧音さんの事を引きずっていてはそれこそ空音に気を使わせるだけだ。
ここは何も言わないのが正解なのかも知れない。
その後僕等はおみくじを買って解散した。
結果は2人とも吉だった。
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「それじゃね」
「うん。」
私は今幼馴染の少年、鳴海圭を見送り私も家に帰り着いて。
互いに幼馴染って事もあって家は直ぐ近所だ。
近所の神社で行われてる初詣に圭を誘い一緒にいった。
姉の馬鹿が馬鹿な事をしたせいで圭の元気がなくなっていたけど最近はやっと前の圭に戻って来たし本当に良かった。
やっぱり圭と一緒だと落ち着く。
アイツと一緒にいると心が落ち着くし気分が良くなる。
心地の良い時間がゆっくりと流れて行く。
話やすいし変に気を使わなくて良い。
まったりと…ゆったりとした時間が心地良い。
周りの友達とかは私と圭の関係を勘ぐって来るけど私は人を恋愛的な意味で好きになったり嫌いになったりした事がない。
と言うより恋とか好きとか愛とかよくわからない。
圭の事を恋愛的な視点で好きなのか自分でもわからない。
でもそうだとしても不快には思はない。
圭とは一緒にいたいし長く一緒にいたい。
でも圭は私が多分苦手。
いつも姉の方に行くし私は圭から逃げられてる。
避けられている…。
優しくしたら良いのは分かってる。
寄り添ってやれば良いのは分かってる。
でもそんなの出来ない。
圭に嘘付いて変に演技して違う自分なんて嫌だ。
ナヨナヨして女々しい所を見てると私が圭を見てやらないとって……私が叱ってやらないとって思うから…。
だから姉が羨ましかった。
圭を甘やかし圭に依存されている姉。
圭と長く一緒にいれる寧音が羨ましかった。
なのに…
姉は…アイツはつ…!!!
「あ…」
「空音…」
家に入り、自分の部屋に行く途中で私は偶然姉の寧音とばったり会ってしまった。




