第21話 後悔
あの一件以来鳴海圭の学校生活は一変した。
一見すれば何も変わってないように見えた学校生活も極々局所的に見れば大きな変化があった。
他のこれまでは関わりの薄かったクラスメイト達から声をかけられる事が増えて来たのだ。
「や…やぁ鳴海君…その移動教室…一緒に行かない?」
「え?」
「俺達と一緒に行こうぜ?なつ?」
「そうそう、いつも1人だから前から誘おうと思っててさ!」
移動教室。
次の授業は技術プログラミングでパソコンが備わって無い僕が所属する教室からパソコンがあるコンピューター室に移動する必要があった。
今までは基本的に1人か相田のいる集団に混ぜて貰っていたけどあの日からやけに他のクラスメイトに誘われる様になった。
「ええ〜鳴海君が行くなら私も行く〜」
とその一団に加わって来たのは渡井さんだ。
は?
なんで?
「へ?わっ渡井さん!?」
「渡井さんだ…」
渡井さん…。
渡井茜、カーストトップグループに所属する美少女ギャルの1人でイケメン光沢に恋する美少女である。
「あ〜なら私も行く〜」
「へ?」
「うわっ!?佐藤さんだ」
「マジかよ佐藤さんまで?」
佐藤恵。
同じくカーストトップグループの女子で不良生徒の山中と付き合っていた筈だったが今は彼をフって現在はフリー。
本人は鳴海圭の彼女を自称している。
僕を誘って来た男子達はカーストトップグループとは無関係の中層派閥で所謂陰キャとかオタク層等の底辺層とかとはまた違う人達が中心のグループ。
カースト上位と下位の間、中位くらいの人達だ。
多分だけど彼等の中にも空音と仲良くなりたい人達も一定数いて今回の件で僕が山中より強い事(僕自身の力ではないけれど…)を知り、なんとか友達になれないかと声をかけて来たって所だろうか?
そこに黒圭の能力で僕に惚れた?女子2人も加わった事で中層男子達のテンションは上がりまくっていた。
そこまで深読みして内心では溜め息を溢す。
なんとも本能に中実な奴等だ。
「なら私達も混ぜて混ぜて〜!」
「ちょ!?未音待て!」
「ほらほら空音ちゃんも速く速く!」
とそこに阿久利未音と朝咲花織に引っ張られて雪坂空音も加わった。
「ちょ!おさないでよ!」
「もー世話の焼ける子なんだから〜オネーサン心配!」
「だから同いでしょーが!」
(な…なんか大所帯になってきたな。)
まさかカースト中層男子グループに1軍女子4人とクラス1…いや校内1位と目されるダウナー美少女が加わり中層男子達は多いに盛り上がる。
この波に乗らないでかとその他の男子生徒達も加わり中層男子グループはもはやカースト上位層と言っても差し支えないレベルになっていた。
それが面白くないのか歯噛みしながら見ているのが山中と光沢の2人だ。
2人はあれからろくに口も聞いていない。
元々仲が良かった訳でもないし打算的な交流があっただけの2人だ。
ただこの現状に憤りがあるのは2人の共通する所であったが今や何もする事も出来ずただ見ている事しか出来ない。
山中は彼女の佐藤を取られ光沢も付き合っていなかったものの自分に好意を寄せていた女子の渡井と狙っていた空音の2人を取られ鳴海圭を侮った事を心底後悔していた。




