第18話 効果は…。
山中や光沢を中心としたカースト上位層メンバーからのイジメにあった僕はその苛烈な暴行に耐えきれず意識を手放し、気絶していた……訳ではないらしくもう1人の僕が発露し窮地を脱してくれたらしい。
らしいと言うのはこの話を僕が覚えてたとか知ってるとかでは無く空音から聞いたからだ。
空音から聞いた話を大まかにまとめるともう1人の僕は山中を暴力で無力化し、力て捻じ伏せたらしい。
信じられない話だ。
でももっと信じられないのはこれからだ。
「女子を惚れさせる!?」
「ええ、アイツはそう言ってたわ」
「そ…そんな」
馬鹿な?
漫画やアニメじゃあるまいに、惚れさせるとかもう超能力とか催眠の分類じゃないか…。
そんなチートとも言える力を僕が?
ありえないだろ普通に…。
「ほらあそこ」
「え?」
空音が指差した方向に僕をイジメていた女子2人がいた。
目があって僕は思わずひぃ!と逃げ腰になってしまう。
しかし何故か女子2人は嬉しそうにこちらにやって来た。
「やん♡見つかっちゃった!」
「雪坂さんと何話してたの?私も混ぜてほしいな!」
さっきまでと態度180°違う。
媚びた猫なで声がとても鼻につく。
「え…いや…その…」
「アンタ等には関係無いって」
「はあ!?アンタには聞いてないって!」
「そーよ!私達鳴海君に聞いてるの!ね〜鳴海…くん…?」
空音に言い返し、またもや僕に歪な作り笑顔を向けるカーストトップ女子の2人。
しかしその態度に濁りが生じた。
「あれ…?」
「こんなんだっけ?」
「う…?」
見る見る内に冷静さを取り戻し普段の落ち着きを取り戻す女子2人。
「なんか鳴海君…あれ?」
「あっれ〜?」
「ど…どうしたのよアンタ達…?」
「……なんでも?いこ恵」
「……だね…」
そうすると2人は去っていった。
なんなんだよ…?
まるでさっきまで熱々に熱が籠っていたパソコンが急に冷却されたみたいに落ち着きはらっている。
まるで意味が分からない。
「………、なるほどね…」
「え?何が?」
「惚れさせるってアレよ」
「え?どゆこと?」
「あの2人が惚れてるのはあくまでもう1人のアンタ、今の圭には関係ないって事ね」
「……、あっ!…そっか…能力をつかったのはもう1人の僕だから今の僕には能力の効果が無いんだ。」
「多分そーゆう事だと思う。」
それはそれで少し残念だけどあの2人に媚びられる方が不気味だし無くて良かったと一安心だ…。
「なに?アンタ女にモテなくてちょっと残念とか思ってるの?」
「え?いっいやいやいや!!そんな事ないから!」
「まぁどーでも良いけど」
そっぽを向く空音。
僕は美人が苦手だ。
とりわけカーストトップグループの女子なんてその最たる物だ。
でもこそれとは別で女の子にモテたいって願望はある。
そりゃ僕だって男なんだし女の子にモテたいって妄想くらいする。
結局僕もそんな有り触れた男なんだ。
でももう1人の僕はどうなんだろうか?
そんな願望…あるのかな?
「ねえ?」
「え?」
「ちょっと思ったんだけどアンタともう1人のアンタ、呼び方とか決めた方がよくない?」
「へ?なんで?」
「はぁ!?なんでじゃなくない!?少し考えればわかるでしょ?どっちがとっちか分からなくなるし不便なのよ!」
「ああ…なるほど…」
たしかにもう1人の僕だとか本来の僕だとか言い回しが不便だし分かりづらい。
どっちの事を言ってるのか僕すら分かりにくくなるし。
結局その後も昼の休憩時間の終わりまで僕達はもう1人の僕の名前の呼び方を考えると言うよくわからない時間の使い方をした。




