表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
離婚届を置いて出て行ったら、元夫が毎日訪ねてきます  作者: 唯崎りいち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/25

3

 次の日になって、夜に夜会があるらしい。


 姉のヘレンは、背格好が自分と同じメイドにドレスを着せて、小物や髪型、化粧を吟味している。


 本気だ。


 妹のジュリアとマルタは、ドレス交換しながら楽しそうにしている。


「クララお姉様も行くわよね?」


 妹たちにそう言われたら行きたくなるけど、昨日離婚が成立したばかりだし流石に今回はやめておく。


「ソフィーと一緒に留守番してるわ」


 ソフィーはやっぱり部屋から出て来ないけど、昔から夜会にはほとんど行かないからそこはいつも通りだ。


 姉妹たちが楽しくドレスを選んでいる所に、長距離転移魔法で元夫のコンラートがやって来る。


「は? 夜会? 本当に行くのか!? 昨日離婚が成立したばかりなのに何考えてるんだ、バカ女」


 私は夜会には行かないけど、ドレスだけは着たかったから着替えてただけなんだけど。


 説明も聞かずにコンラートは怒りだした。


 ま、説明する気なんて最初からないけど。


 私が今夜、新しい恋人を作るって勘違いしてればいいわ。


 コンラート以外にもちゃんと好かれるし……。


 コンラートにキスされてる。


 ガッ。


「だから、離婚したばっかりだってば」


 コンラートは私に頭突きされて鼻を手で抑える。


 でも、今日は手を見ることなく、すぐに私を抱き上げている。


「な、何するの!?」


「お前の部屋は? 理由が聞きたいんだろう?」


 それならと教えたけど、コンラートに運んでもらう必要あるの!?


 部屋に着くまで、何度もキスされてる。


「離婚したって、言ってるでしょう!」


 お姫様抱っこされて手が自由だから、頭突きじゃなくて、手で顔を殴ったりつねったりしたけど、コンラートは気にしてない。


「そのうち意義の申し立てするから、離婚の成立は無効だ」


「……今してないなら、今はもう成立したってだけでしょう!」


 何で、すぐに異議を申し立てないのよ!?



 ドサッ。


 私の部屋に着くと、ベッドの上に半分投げられた。


「何すんのよ! バカ!」


 私の声なんて無視して、コンラートは私に覆い被さってキスする。


「バカ! 理由の説明するって言ったでしょう!?」


「それは、後でも出来る」


「先に説明しなさいよ!」


「もう我慢できないから無理だ。結婚してから、三ヶ月もしてないんだから」


「それは、あなたが家に帰って来ないからでしょうが!」


 説明を聞いてからだって言ってるのに!


「愛してる、クララ……」


 なのに、囁かれるだけで、身体が溶けていくみたいで……。


「ほらすぐ俺にメロメロになる。俺のこと大好きだな、クララは」


 離婚したのに、そんなわけあるか……。


言葉の代わりに、右手でコンラートを殴ろうとするけど、弱々しすぎてすぐにつかまる。


 両手を押さえられたから、もう抵抗できない。


 目をつぶってコンラートの囁きを聞いていた。




 ベッドの上で、コンラートとギュッと抱き合ってるだけで幸せな気分になれた——。


 あ……でも、説明は……?


 リーンゴーン


 辺境の地に夜の訪れを知らせる鐘が鳴った。


「あ、帰らないと」


 コンラートが服を着てる。


「ちょっと待って説明するんじゃなかったの!?」


「明日だな」


「今、説明して帰ればいいでしょう!!」


 何? また帰って、女の家を転々としてるんでしょう!?


 なんなのよ? 私のこと、愛してるって言ったばっかりなのにっ!


「コンラートのバカ! もう来るな!!」


 枕を投げたけど、コンラートには届かず床に落ちた。


「明日も来る」


 扉から出て行ったコンラートの声だけが響いた。


 ——っ!


 本当に何なの!? 


 こんな風に残されたら、寂しいって言うの!!


 次は殴ったり、枕を投げるくらいじゃ済まないからっ!!


 ドラゴンを倒した魔法を当ててやるっ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ