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最強なら、悪役で - プロローグ

珍しく異世界ファンタジーに挑戦しようとして作られた話です。

放課後、その事故は唐突に起きた。

まだ夕方だというのに酒を飲んで酔っ払った運転手が、下校途中の1人の女子高生を轢いてしまった。

その運転手は皮肉にも、この世界の英雄であり、全ての世界の悪役となってしまったのかもしれない。

黒井 桜16歳。いずれ世界を壊してしまう運命だった女。

そしてこれからは、いずれ全てを壊す女となる。


 〇


「桜……桜……聞こえていますか?」

「──。」

「どうやら意識が朦朧としているようですね。」

「……?ここは?」

桜は気がつくと白い雲が地面となった、まるで天国のような場所にいた。

「気がついたようですね、桜。ここは下界監視センター世界番号2035,2442用。俗に言う天国です。」

「……。」

謎の声が桜に語りかけている。姿が見えないということは、別の場所から話しかけているのだろう。

「どうしましたか?ああ、状況を受け入れられてないわけですね。」

少し考えたそぶりを見せたあと言った。

「事故で死んだから異世界へ転生させようってこと?」

「えっ……えーっと……。」

謎の声の主がわかりやすいように動揺している。

「まあそういうことです。理解が早くて助かります。えーでは、そのパネルをご覧ください。」

そう言われて下の方を見ると、ショッピングモールの案内板のような機械があった。

そこには、ウザいと感じるほどの可愛らしい装飾と共に説明が映し出されている。



[死者来世ポイントサービス]

このサービスでは今世で死ぬまでに可哀想だったりいいことをしたりするとポイントが貯まるよ(イエイ)

でも悪いことを考えたりしたりするとポイントが減るよ(悲しいね)

ポイントは以下の項目に使用できるよ!(やったー!)

ちなみに異世界転生サービスと記憶所持はデフォルトでついてるよ!望む人が多いからね!

by優しい女神の雫ちゃん



その説明を読んで、タッチパネルのようにスライドするとショッピングサイトのようなUIでサービスの内容が書かれていた。



☑︎ 異世界転生サービス:30ポイント

☑︎ 記憶保存サービス:30ポイント

□ 死ぬ数秒前転移サービス:5ポイント

□ 炎属性チート:50ポイント

□ 水属性チート:50ポイント

□ 土属性チート:50ポイント

□ 闇属性チート:60ポイント

□ 光属性チート:60ポイント

□ 初期マナ所持:マナ量で変化

□ 鑑定魔法:30ポイント

□ 解析魔法:30ポイント

□ 言語習得:30ポイント

…………



読んでると謎の声が話しかけてきた。

「決まりましたか〜?」

「ポイントって幾つ?」

「えーっと……ん?あれ?いや〜……えぇ?」

どうやら何か困ったことが起きたらしい。

「あのー……何か大犯罪でも犯しましたか?」

「してない。」

「あなたのポイント、事故死なら平均200ポイントぐらい貯まるはずなんですけど、なぜか80ポイントしかないんですよ。」

「……。」

「何かとんでもない悪いことでも考えていたり……?」

「厨二病だから?」

「いや厨二病でも7ポイントぐらいしか減らないんですよ。」

「……。」

「どうして黙るんですか!」

謎の声が恐々と怒鳴ってきたのがうるさかったのか、ささっと決めて送信した。



「ん?あー決めたのね。えーじゃあ今から転送させる……あの?異世界転生サービスのチェック外れて二つ下のやつチェックしてますけど?間違えてます?」

「それで大丈夫。」

「本当に?後悔するよ?数秒後だからすぐ死ぬよ?」

「大丈夫。」

「忠告しましたからね!」

謎の声が投げやりに言って、何かの作業に移った。

おそらく転移の準備だろう。


少し経つと、

キュイーンと音を立てて、桜の足元が光り出した。

「えーっとこの後が……“天のお導きが在らんことを”?あー…じゃ、そゆことで〜。」

その天国からは、桜の姿が消えた。


続く……

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