最強なら、悪役で - 食事なら、天国で
異世界ファンタジーの、休日です。
……前回世界を一つ消した少女の、ですけど。
ここは、いわゆる天国だ。
地獄みたいな人間が1人いるが。
その人間は今、女神と焼肉屋にいる。
「でさ。」
女神が焼肉を口に含みながら言った。
そして飲み込む。
「物価高で焼肉に意外とお金使っちゃったけど、どういうスキル取るの?」
「あまり考えてない。」
と、桜が答えた。
「あんたのことだから精神操作スキルでも買いそうだわ。」
「それもいいね。」
桜は、焼きあがる焼肉をジィッと見つめていた。
「食べないの?」
「食べる。」
その日は、焼肉を食べて寝た。
次の日、女神の部屋。
「はい!この端末から欲しいスキルを選んで!」
と、桜にタブレットのようなものを渡した。
まるで通販サイトのようにスキルが並んでいる。
桜はそれを何秒か見て、ぽちぽちと画面をタップした。
「選んだ?そしたら右下の送信ボタンを押せばスキル獲得できわ!」
「できた。」
「いい?スキルというのは本来扱いが難しいもので、何を選んでようが慎重に使うのが大切なのよ、それに━━」
女神がごちゃごちゃ話している中、桜は何かの大きな袋を出してきて、その中から何かを取り出した。
「だから……って聞いてる?」
女神が桜の方を向くと、
桜は人間の死体を食べていた。
「はべる?(食べる?)」
「ギャァ━━━━!!これは決してカニバリズムを助長するものではありません!これは決してカニバリズムを助長するものではありません!」と、女神は驚いて早口で言った。
「意外な味……昨日食べたお肉に似てるかも……。」
「なに食レポしちゃってんのよ!どこからそれ持ってきたのよ!なんで人間食べれるのよー!」
大声で叫んで息切れしてしまった女神をよそ目に、桜は他の死体を袋から取り出す。
「前の世界から何個か持ってきた。新しいスキルの、《オールイーター》と、《キングファング》のおかげ。」
「はぁ……だとしても人間食べる?普通。」
「そこらへんに食べれそうな人がいるなって思いながら生活しないの?」
「しないわよ。」
女神はものすごく呆れた。
「あと、次の世界の情報のチラシ置いておくから。」
そうして、女神は自分の部屋を飛び出して行った。
桜は……子供の死体の腕を齧っていた。
酷い。
続く……。




