旅の合間に - ハルカと馬車の中で
ハルカの馬車の中での話です
とある国でやらかしてしまったらしい私は、今元の国に返されている。
あーあ〜せっかくバスで移動したのに。
とか思っていると、馬車が止まった。
あれ?もう少し距離があるはずなのに……。
「おや、先客かな?」
馬車の扉からおちゃらけたような声をした少年が入ってきた。
もしかしてこの人も何かしちゃったのかな?
少年が向かいの席に座ったと思ったら、口を開いた。
「メズラシイね!君はどんな罪?」
「えーっと……ちょっと文化的な違いがなんやかんやで……。」
「ふぅーん。ちなみにボクは入っちゃいけない国にまた入っちゃった罪。」
「国外追放?」
「そうだよ!そうだよ!」
「どんなことをしたか聞いてもいいですか?」
「いいよ!いいよ!ボクの最初の罪はねぇ〜ヒトゴロシ!」
びっくりして、体が動いた。
「でもね、でもね!君からはヒトゴロシの匂いがするよ!ボク以外のね!」
心当たりがありまくってもはやボーゼンとしてしまった。
まあ危害は加えてこないし……。あんなことがあったけど暇だとも思えちゃう。
「お話でもしますか?」
「イイよ!イイね!どんなオハナシ?どんなオハナシ?」
「昔の事、とか。」
「ムムゥ〜覚えてないね。ごめんだね!」
「そっかぁ〜。」
「でもでも!お母さんがいたんだよ!とっても優しいお母さん!」
「いいな!私のお母さん優しい……とは言えなかったからさ。」
「それでも過去だよ!もういない!」
「おんなじだ。」
「そうなの!そうなの!気が合うね!」
すると急に馬車が止まった。
「俺の土地で何やってるぅ!」
と怒鳴り声が聞こえてきた。
もしかしてここら辺の土地の持ち主がいたり?
運転手は馬車から降りて、その地主かと思える人と何かを話し出した。
「うわぁどんどん喧嘩の声が大きくなってくよ……。」
「コワイかな?コワイのね!それなら耳を塞げばイイ!」
「こ…こう?」
耳を塞ぐと、喧嘩の声が少し減った。
すると少年は真似してと言うかのように、目を閉じて、頭を下げた。
それを真似すると、今度は少年が頭を上げた。
怖くないのかな……。
どんどん喧嘩の声が大きくなって、耳を塞いでも全然声が聞こえちゃう。
すると、頭の上をとてもうるさい音がよぎった。
不安になって顔を上げると、笑顔だった少年の瞳から、色が消えているのが見えた。
その額には新しい目が増えていて、そこから赤い涙が流れている。
そのまま少年は横になって、動かなくなった。
「ね…ねえ?大丈夫?」
少年の体に触れようとした時、慌てたかのように馬車の運転手が扉を開いた。
地主が我慢できず、猟銃を抜いて撃ったと説明してくれた。
運転手は、犯罪者でも可哀想だと言ってくれ、誰の土地でもないところに墓を作ってくれた。
髪に赤い少年の残りがついていた。




