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虐げられた令嬢が黒炎の騎士様を拾ったら溺愛されて幸せになりました〜実は腹黒いなんて聞いてません!〜  作者: 漆原 凜


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旅立ち

「私一緒に行きたいです!」


泣きながら言う私に、涙を浮かべながら行こう!と言ってくれる。え?良い人過ぎない?大丈夫?こんなチョロいと悪い人に騙されるよ?本当にこの人について行って大丈夫かな…。


とりあえず行くしか無いか…しかしこの優しい人が誘拐犯になったら困るので、ちょっとあっちの通りで待っててもらっていいですか?と告げ荷物をまとめ外に置き本邸へと向かう。


ちょうど一家団欒をしていたみたいで皆揃っている。入ってきた私を見て皆口々に悪口を言い出す。想定通り。


「どうして義妹達は綺麗な服装をして、私はこんなのですか?!私だって娘ですよ!義母様だって!ここは私の家なんですから出てってください!あんな小屋は嫌です!」


普段全くしないが皆に絡みながら花瓶を倒したりお茶をかけてたりしてヒステリックに暴れてみる。これくらいか?もう少しいった方がいいのか?様子を見ながら暴れていく。


「お前など出ていけ!」


ついにお父様は私が待っていた言葉をくれる。私はわかりました…もう2度と戻りません!と俯き泣きながら本邸から走り出る。そして置いていた荷物を1つ持ち、そのまま外へと走っていく。お待たせしましたー!と黒い人の元へ向かう。やったー!ついに自由だー!!


待ち合わせ場所に着くと黒い人が真っ黒い馬と待っていた。家の近くに乗っていた馬が居たらしく、これで向かおうと言い抱えて乗せてくれる。逃げずにいたとは賢い馬だ。私は前に乗せられ後ろに黒い人が座る。とりあえず私の家に行くねと言い走り出すが、これはなかなか恥ずかしい。男前に後ろから抱きしめられ照れない令嬢はいない。


途中何回か休憩を挟みながらしばらく走り、ココだよってバカでかい門を入っていく。そのまま少し進むと恐ろしいくらいに豪邸!!おかえりなさいませと、中から何人も使用人が出てくる。は?ヤバくない?これ家なの?拾って良かったー!自分の運の良さに震える。


震えるほど怖かったよね?もう大丈夫だよって、優しく撫でてくれ抱っこしておろしてくれる。本当にこの人大丈夫か?心配になる。


「私の命の恩人だから、大切に扱うように。」


大丈夫だからねって私を抱っこしたまま指示を出しながら、中へと連れて行ってくれる。広い部屋に入りソファーにそっと座らせてくれ、今日はゆっくりしてねって微笑んでくれる。


「お兄様!!」


急に扉が開き性格の悪そうな女が入ってきた。急に入ってくるなと怒っているが全く聞かない。お兄様が変な女連れてきたって聞いたの!この女誰!?と喚いている。


「静かにしろ。私を助けてくれた命の恩人なんだ。大切な客人だ。」


「ダメよ!絶対目的があるのよ!お兄様かお金か!変な女に騙されないで!」


私を指さしながら必死でお兄様へと訴えている。そらそうだ。これが真っ当な意見である。実際そうだし。性格悪そうだけど黒い人よりは疑う分人としてマシかも知れない。


「こんなに優しい彼女がそんな訳無いだろ!命の恩人だって言っているだろ!大人しくできないなら部屋から出ていけ!」


妹を追い出して罪悪感で俯く私にごめんねって謝ってくれる。黒い人が心配すぎて不安な顔になってしまう。そんな顔しないで?大丈夫だから安心してって抱きしめられる。


あぁ…恩を売る相手を間違えたかも。こんなに純粋な人を騙すのは申し訳ない気持ちでいっはいになる。黒い人の腕の中で一抹の不安を抱えながら、どうしたものかと思いつつこれからの自分の幸せを願う。


「アリスはしばらくゆっくり過ごして。私はこれから騎士団に行かないとダメだから、帰ってきたらまた会いに来るね。」


わかりましたと黒い人を見送る。名前何だっけ?誰か教えてくれるかな。少しすると侍女の人がやって来た。まずは湯浴みされますか?ご用意できてます。と誘ってくれる。


「します!」


湯浴みしたい。馬に乗っていた時に虫は飛んでくるし何かよくわからない汚れが知らないうちについているしで気になっていた。侍女達は綺麗にしてくれさっぱりしたー。


「倒れていたレイモンド様を助けて頂きありがとうございます。レイモンド様は使用人にも優しくて皆心より慕っておるのです。公爵家一同感謝しております。」


湯浴みか終わりお茶をいただいていると、家令の方がきてお礼を言われる。


「いえ、大したことはしておりません…え?!公爵家?」


はい。そうですがと言われる。そらこれだけ家大きいわ。


「公爵家とはつゆ知らずお世話になり申し訳ございません。私は虐げられていた生家から逆に助けていただきありがたく思っております。」


「レイモンド様が言わなかっただけでしょう。ゆっくりしてもらうよう指示を受けておりますので何かありました、何なりとこちらにおります侍女達に仰ってください。」


ありがとうございますと頭を下げる。家令の人が部屋から出ていき、またお茶をいただく。ここで働かせてもらえるか。1人くらい増えても大丈夫そうだし、あとでお願いしてみよう。



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