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番外編「ネフライト物語・東の国」

 復習も兼ねて予言の書『ネフライト物語』の一部を掲載、いずれ番外編として別に纏めます。ルーが前世で愛読してた児童書で、あらすじを思い出して綴っている途中です。覚えておられま、す……?


✳R部分と合体・引越しのため、一~三幕を一章として、完結します✳

 四幕~は二章としてR版に掲載後、一区切りつきましたら此方にも掲載致します。四幕もお読み頂いていた方、お待ち下さっている方、申し訳ありません。

『東では囚われて誘惑される』


 東の祠からの連絡が途絶えているから、様子を見てきてほしい。そう父に頼まれた私は『東の祠を擁する国』へと向かった。


 領主は体調を崩しており、二人の息子のうち、次男があとを継ぐ準備をしているようだ。経済的には順調で、最近は黒い海に面した領国や、北方のバイキングとも交易を始めたらしい。道中も多くの外国人の姿を見た。


 しかし一方で、ここ数年は水不足の為凶作で、食糧難が酷い様だ。

 途中で泊めてもらった村の村長が『女子供は口減らしの為に奴隷に売った。泣いて去って行く娘はルサールカになって戻って来るのだろうか。ルサーリィ(ルサールカの祭り)も行えないのに』と嘆いていた。


 しかし、奴隷になる事が死に直結するとは悲しい話だ。売られた奴隷の扱いや、そもそも彼らがどこに行ったのか、不安に感じた。


 都にはローマやバルト海からやって来た男達が闊歩し、外国の商人達で賑わっていた。

 彼らは独自の道を通し、交易を成功させたらしい。黒海の先の国の物が北へ、バルト海の物が南へと運ばれて行く。逞しい体躯の男達が漕ぐ小型船を見送った。


 私は領主の次男に面会した。彼は疲れきった様子だった。領主の体調不良の原因は分からず、長男家族とは連絡も取れないそうだ。『子供達が助けてくれるから何とかなっている』と誇らしそうに話していた。


 彼に父からの伝言と祠の調査に向かいたい旨を伝えると、付き添いを付けると言ってくれたが、単身の方が早いと断り、祠に向かった。


 都を出て、祠に向かった。東の祠への道は往来もなく、所々で途切れていた。森の木々は立ち枯れ、見かける田畑は水不足なのか、放置されていた。川が干上がったり、時に汚れて酷い臭いがしていた。


 森を這いずるように進む老いた巨人に会った。大きな木が化けたように見えるその老人に、祠への道で正しいかと尋ねたが、何も答えてくれず、泣きながら立ち去った。


 森の川には蛙の化け物もいた。妻のルサールカを探している、知らないかと尋かれた。知らないと答えると、水に潜って消えた。


 一時間で着くと聞いていたが、祠には辿り着けず、何度道を変えても、鳥の様な足の生えた家の正面に出てしまう。

 仕方がないので、道を尋ねようと訪れると、綺麗な娘がいた。暫く話していると、魔女が帰ってくるから、と針に変身させられた。


 魔女が帰って来た。大きな鉤鼻、大きな口に乱食い歯。バーバヤガーだ。『人間の匂いがする』と言いながらあちこち嗅ぎまわる。私は娘に庇われて三度は逃れたが、とうとう見つかった。臼に乗って追いかける魔女から逃げて、私は道を逸れ、森に飛び込んだ。


 森に入った途端、誰かが私を見つめているのを感じた。何度も振り向いたが、誰もいない。どちらが前か分からなくなり、気付いたら、すっかり迷っていた。

 

 水も糧食もなくなり、倒れかけた時に、泉を見つけた。緑の髪の美しい女が泣いていた。ルサールカだと名乗るから『夫が探しているのではないか』と訊いたが『自分達はたくさんいるから、誰のことか分からない。自分は結婚したことがない』と言った。


 彼女に祠の事を尋ねると、大きな樹の根元にある祠に連れて行ってくれた。

 神秘的な場所だった。私は北の国でもこの樹を見たことがあるが、全く違う印象を受けた。


 祠には誰もおらず、扉も開かなかった。しかし、扉の前で私は祈った。すると、女性の声が聞こえた。『狼と吸血鬼に気を付けて』と。私はそれしか得られずに祠を後にした。

 ルサールカを誘ったが、彼女は泉を離れられないと言った。『誰も帰ってこない』と泣く彼女を置いて、私は森を抜けた。


 やはり、帰り道でも視線を感じたが、今度は迷わずにすんだ。ルサールカに対策を教えて貰っていたのだ。靴を左右逆に履き、上着を後ろ前に着ておけば、森の妖精レーシーの悪戯から逃れられるそうだ。


 私は祠で聞いた『狼』には思い当たる事がある。ルー・ガルーだ。祖国で対峙することになるだろう。

『吸血鬼』については、都で気になることを聞いていた。領主の親族が血を求め、何十・何百人の死体がカタコンベに納められたという話。多くの奴隷が消えているのも道理だ。


 私は都に帰る前に、南の領国へ寄ることにした。ダンピールを雇うつもりだった。彼らは吸血鬼を狩る事ができるという。私はダンピールを連れて首都へ向かった。


 その途中で、バーバヤガーの家で庇ってくれた娘に出会った。私は彼女に誘われて屋敷に泊まり、そのまま囚われた。私はそのまま、彼女の夫として過ごすことになりそうだった。


 しかし以前、彼女に匿って貰った時に、家の精霊にねだられ、欲しがる物を渡した事があった。その精霊に彼女の弱点を教えて貰えたのだ。彼女は心臓を隠していたが、私はその場所を突き止め、彼女を倒すことができた。


 屋敷から出てみると、そこはバーバヤガーの家だった。バーバヤガーは、彼女の見張りでもあったそうだ。隙を突かれて家を乗っ取られた、と謝られた。


 先に都に向かったダンピールは、職務を果たしていた。領主の親族が吸血鬼だとの証拠を固め、彼を倒す準備ができていた。

 私は領主軍と共に彼を討ち、囚われていた長男とその家族を救い出した。


 領主を代行していた次男は寝込んでしまい、長男が跡を継いだ。私にできるのはここまでだと、私はアイオライトを去った。


✳ご覧頂き、本当にありがとうございます。これまでもR部分の掲載について等、悩んでおりましたが、一旦、三幕までを一章として完結表示とし、一区切り毎に掲載致します✳

✳待って下さっている方、申し訳ありません。必ず完結まで掲載致しますので、宜しければブックマークを残して頂けましたら、大変ありがたいです✳

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