第五話 雲鶴学園
前回のあらすじ:飛龍の進水式を終えて呉に帰って来た伊吹と七海。
お土産の皿うどんを艦隊全員に1人前づつ配り終えた所で七海が伊吹に「今でもパイロットに戻りたいですか?」と質問して来た。それに対し「蒼龍から今すぐ飛び立ちたい」と即答する伊吹。
そして自問自答に陥ってしまった。そしてそれをドア越しに聞いていた赤穂。
伊吹の過去を知りたがっていた赤穂は「今が好機」と思い切って聞いてみる。
もう隠し通す事が不可能になった伊吹は遂に過去を語り出す……
「何処から話そうか」
精神安定剤を飲みながら七海に聞く。
「そうですねぇ……」
「司令、何飲んでるんですか?」
「精神安定剤」
それ位辛い、苦しい。
でも話さざるを得ない、もう誤魔化せない。
「そ、そうですか」
「先輩は何処から話したいですか?」
「別にボクは何処からでも良いよ、何なら高校生の時から話しても構わない」
「じゃぁ、高校生の時から話しましょうか」
「ん、了解」
2010年… 雲鶴学園… 当時高校2年生…
「さぁ~部活じゃ!土曜日は部活じゃ~!」
ボクは鉄道研究部と居合部に所属している。
どちらも珍しいのだが後者の方が珍しいだろう。
剣道ではなく居合、つまり刀。
まぁここまで説明しておいてなんだが、今日は鉄道研究部の方だ。
学園祭に出すための模型のレイアウトを完成させないと。
ポン。(肩を叩かれる)
「んお?」
「よっ」
「やぁ」
ボクの1番の親友の橋口だ。
そして鉄道研究部の部長だ。
ちなみに部長は2人居て、現場(?)の方は彼の管轄だ。
本来部長は高校3年生がやるのだがその3年生が居ないので高校2年生がやっている。
「橋口橋口、今日って新入部員が来る日やんね?」
「せやな、まぁ入って来たらの話やけどな!アッハッハッ!」
「にしてもさ、~クラブ棟の改装まだなんかな」
「そうやな~俺らの代や無理とちゃうんけ?」
「やっぱそうよなぁ……」
鉄研(鉄道研究部の略)は部室では活動せずに(ってか出来ない)使っていない教室を借りて活動してる。
お陰で部室はただの倉庫と化している。
汚すぎるクラブ棟の改装が望まれるが、そんなの夢物語だ。
ガラガラ(ドアを開ける)
「伊吹先輩!部長!おはようございます」
「おはよぉ~」「おはようさん」
後輩の天城君だ、彼は中学3年生。
ちなみにこの部活には高校1年生が居ない。
やっぱりマイナーな部活だからね、仕方ないよ。
果たして新しい中1と高1は入ってくるのか……。
タッタッタッタッ、バッ。
「もう部活始まっとる?」
「うんにゃまだやけど」
「良かった~」
彼はもう1人の部長。
事務の方の部長(?)だ。
そしてボクの親友。
「おぉ橋口、おはようさん」
「おはよ」
トテトテトテ
「あ、田中おはよぉ」
田中も同級生、親友の1人。
「おはよ」
ガラガラピシャッ。(戸閉)
この部の高校2年生はボクを含めて4人。
中学3年生は2人、中学2年生は16人の合計22人だ。
ほとんど中2が占めている。なんでこんなに多いんやろ。
「新入部員来るかなぁ」
「どうでしょうね~」
「あ、橋口~」
「ん?」
「これ部誌のUSB」
「あ~い」
ガラガラガラ(扉開)
「うい~揃ってるか~?」
顧問襲来!和田先生だ。
今日は新入部員が来る日なので部会から始めます。
「んじゃ皆座って~」
皆従順だ。
まぁ鉄道研究部なんて陰キャの集まりみたいなもんよ。
え?ボクが陰キャだって言いたいのかい?
うん、大正解!
「え~……今日はね、新入部員が来る日やね」
「そうですね」
「あ、和田さん」
「ん?」
「新入部員って何人くらい来はります?」
「あ、今から発表します」
「おぉ」「お願い入って来てくれ……」「1人でもええから……」
皆この部活に新入部員が入る事が珍しいという事は理解している様だ。
「じゃぁ発表します~、入ってきて~」
新入部員が続々入って来る。
結構多いね、今年は今の中2みたいになるんかな?
「はい~ね、今年はですねっ、中1がえ~……6人~と、高1が4人ですね~」
「「「おぉ」」」
「しかもね、鉄研2人目の女性部員が入ってくれますっ!」
「「「「「おぉ!!!」」」」」
「1人づつ自己紹介してもらいましょうかね」
新入部員の顔色がちょっと悪くなってる。
和田さん……。
五分後
新入部員の自己紹介が終わりました。
さぁ、ボクは誰を指導する事になるのかな?
「ん~じゃぁ~橋口~中1指導したって~」
「分かりました」
「橋口~三沢以外指導したって~」
「ういっす」
「んで伊吹、三沢指導したってな」
「了解しました」
時は戻り2022年…
「……って言うのがボクと七海の出会いだね」
「ふむふむ……」
「懐かしいですね~先輩!もうあれから12年ですね~」
「そうやね~」
「12年も同じ所で居れるってのが凄いです、しかも軍に入隊してからもですよ……!」
「確かに、言われてみればそうだね」
「先輩、次は何話しますか?」
「あ~そうだね……」
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