第四十三話 境界駅
前回のあらすじ:七海から渡された切符を手に名古屋に向かう事に。
時期外れな在来線乗り継ぎ旅で名古屋へ向かう。
そして、名古屋に着いたのはほぼ深夜。
すると七海から紺色の高級感溢れる箱を出してきて…。
JR名古屋駅中央改札口… 1月23日… 23:12…
ボクは七海から渡された箱をゆっくり開ける…!
さぁ、中身は如何に!
「…!?」
中には指輪が入っていた…!
指輪!?指輪ァ!?
ソワソワしていた理由はこれか!?
……これなんて返せばええんやろか。
別に全然ええんやけど、何て返せばええんか分からんわ。
プロポーズ何て初めてやから…。
「い、伊吹ちゃん…!その…!」
「う、うん」
「……駄目、かな…?」
「……」
「…うぅ…」
可愛い。
困ってる七海可愛い。
凄く可愛い。
「…駄目な理由が何処にある」
「…!」
「何年待った事か…!」
本当、何年待たせるんだと。
もう少し早くても良かったと思うんやけどね。
「…いいの?」
「勿論」
「…えへへ!」
可愛い。笑顔可愛い。超可愛い。
「やっぱり七海は可愛いなぁ!!」
撫でて、抱きしめて、ワシャワシャして。
人がほぼ居ない深夜だからこそ出来る事である。
「えへへ~!伊吹ちゃん大好き!」
七海もご満悦。
「あ~!ボクも七海大好き!」
1月24日… 0時10分… グランドパレス名古屋駅前… 533号室…
イチャコラしながら歩いてたら日を跨いでしまった。
仕方ないね。
ベットは当然の如くダブルベット。
…あんま変わらんね。
「いや~あんまり変化が無いなぁ」
「そりゃ…私がプロポーズする前からほぼ夫婦見たいな生活送ってたし…ね?」
「まぁ…せやなぁ…」
七海の言う通りプロポーズ前から夫婦の如き生活を送って来た。
変化がほぼ見られないのも、当然の事である。
強いて言うならお互いの左手薬指に指輪が嵌った位である。
…婚姻届を出させてくれないか、お国よ。
「同性婚認可はよして欲しいなぁ」
「ね~」
同性婚合法化が叫ばれている今の日本であるが、未だに合法化される動きは無い。
憲法改正は1度経験しているのだから、ハードルは前よりかは低いはずだ。
「さ~寝ましょ~」
七海を強制的にベットに引きずり込む。
「…それはどっちの意味で?」
「受け取り方は七海の自由」
「…そっか!」
朝… 近鉄名古屋駅… 06:55…
ここは近鉄名古屋駅。
これから、大阪を経由して広島の家に帰るらしい。
「やはり名古屋の帰りはひのとりに乗らないと気が済まないね」
「伊吹ちゃん本当ひのとり好きだね~」
近鉄特急ひのとり。
大阪難波~名古屋間を結ぶ特急列車。
早さを妥協して車内設備に力を入れた奴。
ぶっちゃけボクは新幹線よりひのとりの方が好きだ。
何故なら車内が豪華だから。
「さ、乗り遅れたらまずい。乗ろう乗ろう」
「うん!」
車内… 1号車デッキ…
ドアを抜けたら目の前にはロッカーが設置されている。
ここに荷物を入れておくことで、わざわざ座席に荷物を置かなくて良い。
「このロッカーやっぱ便利」
「乗る度に言ってない…?」
「気のせい気のせい」
「そうかな?」
「そうだよ」
客室…
「あ"~快適」
リクライニングを全開にしてと…。
「快適だね~」
「あ、そだ。七海」
「ん?」
「大阪から何で帰るの?」
「高速バス」
「そっか」
高速バスかぁ。
昼行便の高速バスは久しぶりだな。
「伊吹ちゃん伊吹ちゃん」
「ん?」
「大好き!」(ムギュー)
「ヨシヨシ」(ナデナデ)
七海が抱き着いて来たら撫でる。
昔からのパターン。
大阪難波駅… 3番乗り場… 09:11…
「ふわぁ…良く寝たなぁ…」
「伊吹ちゃんぐっすりだったね」
昨日はあまり寝れなかったせいか、車内でぐっすり寝てしまった。
まぁ、また乗ればいいか。
「…寝顔可愛かった」(ボソッ)
「ん?何だって?」
「な、何でもないよ!さっ!い、行こう!」
「う、うん」
大阪難波駅… 西改札口…
改札を出て、難波OCATへ向かう。
「難波OCAT…あのホームドアみたいな奴好き」
「名鉄バスセンターも付いてたよね」
「ね」
普通の会話が出来る日々。うん幸せだ。
…うーん、何か皆焦ってる気がするなぁ。
「ねぇ七海。他の人なんか焦ってない?」
「確かに。ちょっと焦ってるかも」
「何かあったんやろね」
遅延かな?運転取り止めかな?
皆焦っている。エスカレーターを駆け上がる人も多い。
難波OCAT… 2F… バスターミナル…
「「………」」
皆が焦っている理由が分かった。
ディスプレイにその理由が書いてあった。
[8時10分頃岡山駅で発生したテロにより岡山方面のバスに運休・遅延が発生しています]
「「…え?」」
日本ってこんなに治安悪かった…?
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