第四十話 新たな基地司令
前回のあらすじ:伊吹が飛行機のチケットを取りに行ってる間、摩耶による関係調査が行われる。
その後、伊吹の実の妹によるアドバイスが行われた。
アドバイスをしてるうちに、摩耶は距離感が遠い様に感じた。
この距離感を解消するべく七海に対しキスを敢行。これで距離感が縮まったようだ。多分。
呉基地… 講堂… 1月16日… 09:00…
ザワザワ…
今この講堂にはこの基地に居る人間全員が居る。
今回集められた…いや、集めたのは他でもない。
新たな呉の新司令、うちの妹の摩耶の就任の挨拶である。
あ、別にボクはただ端っこで立ってるだけだよ?
「えー、本日はお集まり頂きありがとうございます」
司会の一言で全員が司会の方を見て、黙る。
「本日は予備役に入った榊前呉基地司令に代わり、秋月 摩耶中将が新たに呉基地の司令の歓迎会の前座です」
「では、秋月司令…違う、摩耶司令。壇上へ」
秋月は2人居るからね、ボクと摩耶。これからは下の名前で呼ばれる事が多くなりそうだ。
そして、摩耶は壇上へと上がった。
何を話すのかな、楽しみだね。
「えー…おはようございます!」
「「「「おはようございます!」」」」
「舞鶴から来ました、秋月 摩耶です!」
「可愛い…」「姉とすげぇ似てるなぁ…」「彼氏とか居るのかなぁ…」
摩耶に不純な動機で近づく不届きものは全員瀬戸内海の藻屑と化す。
「えーっと、私は…神戸でお姉ちゃんと一緒に産まれたんだ」
1995年の神戸。
あぁ、産まれて数時間であんな凄まじい景色を見せられるなんてね。
「未だに覚えてるよ、あの時の景色」
忘れるはずが無い、忘れてはならない。
「何とか家族全員で脱出できたんだけど、周りは火の海だったんだ」
皆黙ってしまった。まぁ、仕方無いよね。
「うーん、ちょっと暗くなっちゃったね。ごめんね。でも大事な事なんだ」
まぁ、確かに摩耶にとっては大事な事だね。
「私がこうして海軍に入った理由はね…」
唾を飲み込む音がほんの少しだけ聞こえた。
「その時に救助に来た海上自衛隊の人達がカッコいいって思ったから」
1995年。まだ改憲は為されていない。
友人から聞いた話だが、1995年に改憲が為されるはずだったがこの震災で伸びたらしい。
ボクもその時救助に来た海自の人がカッコいいって思って、海軍に入った。
まぁ、パイロットを志望したのは…何でだろうね。直感でパイロットになりたいって思ったし…。
「だから私は海軍に入ったんだ」
皆納得した顔をしている。
涙を流している者も居る。
…ん?作戦参謀がソワソワしてる。
後で話を聞いてみよう。
「こんな私だけど、宜しくね。皆!」
「秋月 摩耶中将に敬礼!」
ザッ!!
一斉に皆敬礼する。
ボクも敬礼する。
「摩耶中将、ありがとうございました。では今回はここまでとなります」
「夜から、歓迎会…まぁ、宴がありますので忘れない様に。では解散!」
解散の号令がかかると同時に、皆立ち上がり敬礼をして退出する。
「お姉ちゃん!」
「ん?」
「これから、宜しくね!」
「あぁ、宜しく!」
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