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第三十四話 入渠中…

前回のあらすじ:国籍不明の潜水艦隊に対し反撃に打って出た二航戦。しかしその結果は輸送艦3隻と護衛艦1隻を失い、二航戦の艦艇も中破大破と散々な物だった。

沈みかけの艦隊に鞭を打ち何とか呉に帰投する二航戦…。

そして、全艦入渠する事となった…。

 呉基地… 1月11日… 19:31…

 二航戦の艦艇は全てドック入りとなった。

 幸い、ドックには建造中の艦艇も入渠中(にゅうきょちゅう)の艦艇も居なかった。

 しばしの休暇と言う訳か…。休暇なら丁度先週貰ったんだけどさぁ…。


「伊吹ちゃん…?」


「ん?」


「だ、大丈夫?」


「大丈夫だよ。何も問題は無い」


「そ、そっか…」


 七海…ボクの事を心配してくれているのだろう。

 大丈夫だ。ボクだって少しは成長してるさ。


「あぁ~、なぁんであんなに潜水艦が居たのかねぇ」


「ホントだよ、あそこ領海内なのに…」


「潜水艦に気づかれずにそのまま入るのはほぼ不可能に近いはずなのに…」


 今や"スパイ防止基本法"を始めとするスパイ防止に関する法案が次々採択され、発効した。

 それに呼応して軍部は諜報機関"ぬ号機関"が発足した。

 存在は当然秘匿され、この組織を知る物はごく少数…陸・海・空合計で1500名にも満たない。

 表向きには、"ふ号部隊"が諜報機関であると公表されている。

 このふ号部隊、名簿上には存在するが実際には存在しない。

 他国もこの"ふ号部隊(ダミー)"が日本の諜報機関である事を確信している。

 無論、それは米国もである…。


 おっと、話がだいぶ逸れてしまったな…。

 ボクが何を言いたいか?単純だ。

 対スパイ対策を施したにも関わらずに、スパイに侵入されているのでは?と言う事である。

 …スパイ天国の名残か…?


「まさか…ねぇ…」


「あ、あり得ないよ…そんな事…」


 七海も同じ事を考えている様だ。


「しばらく二航戦は動けないな…」


「うん」


「ねぇ、伊吹ちゃん」


「ん?」


「後2ヶ月だね…」


「2ヶ月…あぁ、確かに後2ヶ月だ」


 飛龍の就役まで後2ヶ月。

 こんな状態で新造艦を迎えるなど(もっ)ての外だ。

 早急に修理を済ませて、万全の状態で飛龍を迎えねばならない。


「全艦の修理…どれ程かかるか…」


「…うん」


「蒼龍の損害は少ないが…それ以外の艦船の損害が激しい。特に摩耶が激しい…」


「士気はだだ下がりだね…」


「あぁ、さてどう回復しようか…」



 箱根… 旅館月虹… 1月13日… 20:12… 

 七海に半ば強制的に箱根に連れてこられた。

 別にいいけどね。七海だし。


「そろそろ風呂入らん?」


「うん!入ろう入ろう!」


「よーし決まりだ。大浴場?貸切?」


「貸切!」


「OK~」


 この旅館には貸切風呂がある。

 何と素晴らしい事か。

 さぁ、服とタオルを持って出撃だ。



 ハの湯…


「「あ"あ"~~」」


 やはり温泉に勝る物は無い。

 日々の激務で疲れた身体を癒す。


「温かいねぇ…」


「ね~」


「ん?」


 おっと、ここでは温泉に浸かりながら酒が飲める様だ。


「あ~素晴らしい~」


「伊吹ちゃんホント日本酒好きだよね」


「ん~まぁねぇ~」


 ゴクッ


「七海はビール派だったか」


「うん!」


 こういう時こそ、休養が必要である。

 それにしても美味(うま)いなぁ…。



 お部屋…


「…………」(ワシャワシャ…)


 七海が一心不乱にボクの髪をワシャワシャしてる。

 可愛いですね。ボクが今ロングだからかな。


「ど、どうしたんだい」


「ふぇ?」


「ボクの髪をワシャワシャし続けてるからどうした物かと…」


「気分~」


「気分かぁ」


 そういう気分の時あるよね。うん。


「えへへ~」(ムギュッ)


 可愛いですね。


「ふふっ」(ナデナデ)


「そういえば夜鳴きそばが食べられるんだって~」(スリスリ)


「はぇ~」


「食べに行こうよ~無料だし~」(スリスリ)


「いいね、行こう行こう」



 1階… お食事処「月光」…

 頼んで5分も経たずに夜鳴きそばが出て来た。

 早いね。


 ズズズズズズズズ…


「「ん~!」」


「やっぱりこういう所の夜鳴きそばは違うなぁ」


「ねっ!」


 ビジネスホテルとかで最近よく出てくるようになったけど…

 やはりこういう所の方が良い。

 ビジネスホテルで出てくる物も美味しいけどね。


「伊吹ちゃん」


「ん?」


「そういや帰り方聞いてなかったけど…」


「ん?羽田から飛ぶ」


「ふぅ~ん。小田原からひかりじゃないんだ」


「飛びたい気分」


「飛びたい気分ねぇ~…」


「だって~ボク最近飛んでないんだもの」


「それもそうだね~」


「ん~」


 あ、そういや…


「ん?どうかしたの?伊吹ちゃん」


「いやぁ、二航戦のあだ名が沢山あるなぁ~って」


「確かに、沢山あるね」


 すぐ思いつくだけでも2つ。

『前線勤務の終点』『便利屋』

 前者は前から、後者は最近ついた物。


「前線勤務の終点は有名だよね~」


「あぁ、そうだな」


 一航戦は『踏み台』だなんて言われてるよ…。

 どうしてこうなった…!

 と、色々考えていると…。


「おっ、2人共可愛いねぇ~」


「「は?」」


 ナンパ襲来ス!ここ高級旅館なんだけどぉ!?

お読みいただき、ありがとうございます!

ほんの少しでも「良いね」と思ったらブックマーク、評価の★の方を是非!

(付けると作者が凄い喜ぶよ)

よろしくお願いいたします!

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