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第三十三話 潜水艦の脅威(後編)

前回のあらすじ:輸送艦隊を護衛中、屋久島近海にて大量の潜水艦を発見する。

その数なんと13隻。それらに驚き、慌てふためいているとそのうちの1隻から魚雷が放たれる。

必死に魚雷を回避しようと試みるが失敗し、蒼龍に魚雷が命中する。

それを受け、伊吹は反撃を決意する…。

 屋久島近海… 蒼龍CIC…


「反撃するぞ。こういう場合は許可されているからな」


「は、はい!」


「あ、打電」

「我、国籍不明ノ潜水艦カラ攻撃ヲ受ケル。コレヨリ反撃ニ移ル」


「はっ!」


「対潜戦闘用意!」


「対潜戦闘用意」


 さぁ、(さめ)狩りの時間だ!


(あじ)隊に下命」

「本艦ヲ攻撃シタ潜水艦ヲ撃沈セヨ」


 生憎、我が艦隊は潜水艦を引き連れていない。

 それ故、対潜哨戒は上空と海上からのみになってしまう。

 しかし、潜水艦を新たに建造・配備する余裕も無さそうだ…。


「全駆逐艦に下命、爆雷ニテ敵潜水艦ヲ撃沈セヨ」


「了解」


 魚雷を貰ったからね、お返しはしっかりしないと。

 爆雷と短魚雷のお返しをあげます。


「さぁ、我々からも短魚雷のプレゼントと行こうか!」


「「「「はい!」」」」


「魚雷戦用意!」


「魚雷戦用意、目標敵潜水艦Δ!」


「司令、魚雷の種類はどうしましょうか」


「折角の機会だ。二〇式誘導短魚雷を使ってやれ」


「はっ!」


 最新の短魚雷を使用する。

 敵はさぞかし喜ぶだろう。

 日本の最新技術をその身を以って体感できるのだから。


「浸水止まりました!現在排水中!」


「そうか」


 浸水は止まったようだ。後は、艦内の水を排水するだけだ。

 全く、雷防も囮魚雷も効かなかったとは…敵の魚雷が一枚上手だったという事か…。

 悔しいなぁ。


「左舷発射管、全て二〇式誘導短魚雷装填完了。方位、1-7-5から1-8-5」


「魚雷発射」


「魚雷発射!」



 同時刻… 左舷1番魚雷発射管…


「魚雷発射!」


 バシュッ。バシュッ。バシュッ。

 ボチャン。ボチャン。ボチャン。


 魚雷発射の号令と同時に、左舷側の発射管から魚雷が放たれる。

 そして、魚雷は敵の潜水艦へ向かう…。



 蒼龍CIC…


「魚雷、誘導中…」


「鰺4がΔに対し爆雷を投下。被害不明」


「松風・浦風が爆雷を投射」


「第一護衛隊、全艦誘導短魚雷を投下。追尾中」


「魚雷間もなく命中します」


「鰺4の爆雷が命中した模様。水中にて多数の爆発音を確認」


「爆発音確認。本艦の魚雷が命中した模様」


[海上に燃料の流出を確認!]


「戦果確認!」


[!鰺3より蒼龍!敵潜水艦群、全艦魚雷発射!]


「全艦回避行動始め!面舵一杯!」


「面舵一杯!」


「魚雷防御、囮魚雷発射!」


「魚雷防御装置、起動します」「囮魚雷発射」


[雷跡多数!輸送艦の方にも向かって居ます!!]


[本艦にも魚雷が!命中します!]


「至急打電!」

「我、多数ノ国籍不明ノ潜水艦カラノ攻撃ヲ受ケツツアリ!対処ハ困難ナリ!」


「りょ、了解!」


「各員衝撃に備えろ!!!」


 ドゴォォォン!


 爆発音が後方から。


「被害を報告せよ!」


[スクリューに命中!速力低下!]


「速力、微速前進へ!」


「処置急げ!排水ポンプ最大出力!」


[摩耶に2本被雷!] [松風・浦風共に4本づつ被雷!浸水多数!]

[高雄、被雷!] [護衛艦月雲、スクリューに被雷!]


 畜生…!何処の輩だ!

 少なくとも中国では無さそうだな…。

 また奴らか…?艦隊を壊滅させられた報復か…。


 しかし…よくここまで気づかれずに来た物だよ全く。

 さて、取りあえず奴らを水底に葬り去ってやろう。

 戻るか進むかは、その後だ。


「一五式対潜墳進弾、用意!1番から10番!全発射管に装填!」


「一五式対潜墳進弾、1番から10番に装填」


「発射管開きます」


「浸水停止しました。排水ポンプ最大出力で稼働中です」


「排水続けろ、対潜墳進弾の発射用意まだか」


「間もなく完了します。現在コース調整中」


「調整急げ、第二射を貰ってしまうぞ」


 焦りの表情が各員から見て取れる。

 それはそうだろう。魚雷を2発も貰ってしまったのだから。

 だが、輸送艦に被害が無かったのは幸いだ。


「コース調整完了!発射用意完了!」


「撃ェ!」


「発射始めェ!」



 同時刻… 蒼龍飛行甲板…

 甲板右舷前部に配置されている墳進弾発射管から対潜墳進弾が放たれる。


 ボォォォォォ…!!!!


 10発同時発射の噴煙は凄まじい。



 蒼龍CIC…


「墳進弾、正常に飛行中」


 さて、これで敵に一泡吹かせられるだろうか。


「!!!突発音!!!」


「何!?」


 第二射か…!遅かった…!


[国東(くにさき)に4本!] [国馥(くにびき)に2本!] [国寄(くによせ)に3本!]


 輸送艦を集中攻撃…。

 まずい…!輸送艦を失ってしまったら尖閣に行く意味が無くなってしまう…!

 しかしどうしようもない…魚雷は来てしまっているのだから…。


「間もなく命中します!」


 おっと、ミサイルが命中する様だ。


「1番、命中!2番命中!3,4,5命中!……」


 命中報告が相次ぐ…。


「敵潜水艦、全て撃沈!」


 全て沈めた様だ。

 しかしこちらの損害も半端ではない…。


「了解。被害を報告せよ」




 2日後… 呉基地… 1月9日… 20:21…

 無事…とは言えないが、帰投する事が出来た。

 戦後初の"敵からの攻撃による損害"である。

 戦後初の"敵への攻撃"も我々…。

 何かと戦後初が多いなぁ。


 損害は駆逐艦2隻、輸送艦3隻、護衛艦1隻。

 これにより、第三輸送艦隊は全滅した。

 死者・負傷者は計算中だが、おおよそ900人程と推測されている。

 基地司令からこう言われた。


『そんなに気を落とすな。潜水艦11隻からの一斉雷撃を受けて、損害はこれだけだ。他の艦隊なら全滅もあり得たんだ。君は優秀だ』


 はぁ~。気休めにもならん。

 だが、()()()より罪悪感は感じない。

 いや、ほぼ何も感じないと言っても過言ではない。

 …なんなんだ一体…。

お読みいただき、ありがとうございます!

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(付けると作者が凄い喜ぶよ)

よろしくお願いいたします!

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