第三十話 敬語卒業ス!
前回のあらすじ:2022年の三沢家の大晦日。年越しそばを三沢姉妹で作り食べる。
ただそれだけの事である。
神戸三宮高架商店街前Aバース… 2023年… 1月5日… 23:56…
「ふわぁ~…眠い…」
これから夜行バスで広島に戻る。
費用を抑えたいが為にWILLER EXPRRESで帰る。
乗客は多い。皆帰省を終えて戻るのだろう。
ブォォォォォォン…。
バスが到着した。
このバスには七海も乗っている…はずだ。
うん、多分乗ってる。
プシュー…。
扉が開き、運転手が降りてくる。
運転手が荷物室の扉を開ける。
運転手が扉を開けた後、ボクの前に並んでいる乗客が受付を開始する。
受付を終えた人から荷物室に荷物を入れて、バスへ乗り込む。
前に並んでる人は10人程だ。
1分後…
「席番号をどうぞ」
運転手にスマホを見せる。
「1Bですね。はい、お荷物をお預かりします」
ガラガラ君が運転手によって、荷物室に放り込まれる。
荷物室に無事に放り込まれた事を確認し、バスへ乗り込む。
1号車に乗る人はボクが最後だった。だが、2号車に乗る人はまだまだ居る様だ。
今日はそれ程までに人が多い。正月だし、当然か。
バス車内…
「1B~…」
1Bは一番前の通路側の座席。
1Aには七海が座っているはずだ。
「おっ、居た居た」
「!先輩!」
「やぁ。久しぶり」
「お久しぶりで~す」
「えへへ~」(ムギュー)
「ヨシヨシ」(ナデナデ)
ボクが座席に座ったすぐ後に抱きついて来た。
シートベルト位付けさせて欲しい物だ。
「WILLER EXSPRRE WH1351便、広島行き1号車発車しまーす。シートベルトをお締めください」
プシュー。
ブゥゥゥゥゥゥン…。
バスが走り出した。後続の2号車は着いて来てるのだろうか。
まぁ、どうでも良いか…。
「で、どうだった。実家は」
「そりゃぁ、良かったですよ?実家」
「そっかそっか」
「そういう先輩はどうだったんですか?」
「んー?別に普通だったよ」
「そうですか…」
「うーん。普通普通。特に何も無く」
「そ、そうですか」
「うん」
「…せ、先輩」
「ん?どうしたの?」
「わ、私と先輩って出会って…12年位じゃないですか…」
「そーだね」
「12年も一緒に居て…未だに敬語じゃないですか…」
「言われてみればそうだね」
「えーっと…」
「うんうん」
「敬語じゃなくて…普通に話したいなって…」
「………」
「どう…ですか?」
「その言葉、何年待った事か」
「…え?」
「ずーっと待ってたよ」
「…えへへ」
「敬語卒業ス!と言う事だね」
「はい…!」
「これからも宜しくね、七海」
「うん。宜しくね!"伊吹ちゃん!"」
翌日… 広島バスセンター1番乗り場… 1月6日… 06:25…
「寒い…」
「早く冬終わると良いね…」
「分かる」
七海の適応能力の高さは凄まじい。
こういうのって、うっかり敬語使って "あっ、敬語卒業したんだった…" みたいな展開が起こるのかなーって思ってたんだけども…。
全然起こらん。これ如何に。
「お家帰ろ!伊吹ちゃん」
「うん。帰ろ~」
バスセンターを出て、紙屋町西電停から広電に乗って福島町電停へ。
家は川沿いにある。
家… 07:47…
「たでぇまぁ~」
「誰も居ないけどね~」
「ね~」
ドンッ!
「「!?」」
バタバタバタ…
「うぇ…?え?」
「う、嘘…」
「「侵入者!?」」
侵入者か!?
ならばすぐに制圧せねば…!
最低限の格闘術位なら出来る!
「良かろう、粛清だ」
「う、うん…」
足音を立てずに家の中に入る。
…何で自分の家に入る為にこんな事しないといけないんだろう。
何処だ…。敵は何処に居る…!
「1階には居ないみたいだよ…伊吹ちゃん」
「どうやらその様だね…」
1階に居ないとなると2階か…
刀盗まれてないかな…。
警戒を厳にしながら2階へ上がる…。
ボクと七海の部屋が2階にある。
多分…どちらかだろう…。
「ど、どっちから先に行く?」
「い、伊吹ちゃんの部屋から先に行こうよ」
「りょ、了解」
自分の部屋の扉を開けるのにこんなに緊張したのは初めて…。
おのれ侵入者め。粛清してやる。
「あ、開けるよ?」
「うん…!」
「フラッシュバンは…」
「無いよ…」
「残念…」
ダァン!
ドアを蹴破り突入する。
「っしゃぁ!動くんじゃねぇぞ!覚悟しやがれ泥棒め!」
七海…いや、海琴が突入した瞬間大声で威嚇する。
さて、敵は居るのだろうか。
「げっ!」
居た。居ました。粛清します。
「粛 清」
上段回し蹴りで敵の頭を吹っ飛ばす。
「ぐえっ!」
倒れ込む敵。
すかさず馬乗りになる。
「で、でけぇ…」
「殺 す」
すかさず顔に一撃。
よし、スッキリした。
「警察~早くしてくれ~」
約4時間後… 11:56…
警察の事情聴取疲れた。
どうやら奴は不法侵入の常習犯だった様だ。
パンツや下着が数枚被害に遭ったが、まぁ金銭的には気にする必要も無いだろう。
欲しけりゃくれてやる。だが次来た時が貴様の命日だ覚えておけ。
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