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第二十五話 演習(前編)

前回のあらすじ:演習を行う為、三宅島近海へと向かう二航戦。

そして、三宅島付近に到着した二航戦は一航戦との合流を果たす。

その後、伊吹はかつての上司である榊原司令と再会を果たす。

伊吹は榊原からこんな話を聞く。「今年の観艦式は大演習観艦式である」と言う事であった…

12月19日… 蒼龍CIC…

時ハ来タレリ。一航戦との演習の時である。

折角機動艦隊が2つも揃ったんだ。機動艦隊対決と行こうじゃないか。


[こちら翡翠、方位192より敵航空機が7機編隊で艦隊へ向けて速度280knotで接近中。高度は5000!]


「方位192、高度5000了解」


「参謀長、隼隊発艦許可を」


「うむ。隼隊発艦準備」


「隼隊発艦準備」


隼隊に発艦の命下る。

隼隊が敵の航空機の対処を行う。




蒼龍飛行甲板上…

甲板上では隼隊の発艦準備が進められていた。

エレベーターは上下を繰り返し、戦闘機を格納庫から飛行甲板上へ上げていた。

飛行甲板上に上げられた機体は、演習用の攻撃装備を搭載して発艦の時を待っていた。



蒼龍CIC…


「発艦準備完了しました」


「了解。司令、発艦します」


「了解」


「発艦始め!」


歴戦の猛者感がする号令。

流石は航空参謀。




蒼龍飛行甲板…


キィィィィィィン…!!


発艦始めの号令が発せられ、飛行甲板上では戦闘機が発艦していた。

カタパルトや耐熱板がせわしくなく動く。

それに合わせて甲板上の乗組員も動く動く。


ウィィィィン。ガコン。キィィィィィン…!!



8分後… 蒼龍CIC…


「司令、隼隊発艦完了しました」


「了解」


「隼隊、敵編隊へ向け順調に飛行中。会敵は7分後と予測」


やはり、実戦を経験する前と後では圧倒的な違いがある。

能登半島沖の戦闘は良くも悪くも、我が艦隊に影響を及ぼしている。


7分後…


[こちら隼、敵機捕捉。これより交戦ス!]


演習とはほぼ関係無いが、七海と海琴の人格交代のタイミングが少し分かって来たような気がする。

少なくとも、戦闘機に乗ってる時は海琴になる。

さて、一航戦と二航戦の実力差はどれくらいあるのか…。


今回は慧眼とP-2を使用せず、それ以外の装備を使い敵機動艦隊発見を目指す。

敵は既にこちらの位置を把握している。この不利な状況から如何にして我が艦隊有利の状況へ持ち込むかが今回の演習の鍵だ。


「敵、1機撃墜」


CICの皆は冷静に状況を報告する。


4分後…


[こちら隼、敵機全機撃墜。我が方損害2]


2機墜ちたか。だがそれでも全機堕とせたのはデカい。

さぁ、機動艦隊を探そう。


「損害2、了解。帰投セヨ」


[隼、了解]


「さぁ、機動艦隊を探そう。急がないと、第二波攻撃隊を相手しないといけなくなるよ」


「「「「はっ!」」」」


「司令、どうやって探しましょうか…」


「参謀長、それ位自分で考えてもらわないとね」


「は、はぁ…そ、そうですな…」


いやぁ、正直ボクも思いつかないね。

慧眼とP-2が使えないとなると、かなり困る。

ボク達が如何に慧眼とP-2に頼りきっていたのかが分かる。


「意見具申!」


士官の1人が叫ぶ。


「摩耶と高雄に搭載されている水上機を使うのはどうでしょう?」


「成程…」


参謀長が納得した顔を見せる。

いいね、水上機。ボクも賛成だ。


「司令、どうでしょう?」


「いいね、それで行こう」


「了解しました。摩耶及び高雄に下命!艦載機発艦!速やかに敵機動艦隊を発見せよ!」


参謀長もなかなかの声だ。


[摩耶、了解。艦載機発艦!符号は(クジラ)!] [高雄了解。艦載機発艦します。符号は(シャチ)]


水上戦闘機を開発してるのはもう日本だけだ。

"水上戦闘機はもう時代遅れ"他国は皆、戦闘機や艦載機、ミサイル開発に資金を費やす中、日本は少ないながらも水戦に開発資金を投じて来た。

"もう、日本以外に水戦を持つ国は居ない…"

この事実は日本が時代遅れの水戦に固執しているという風に取れる。

しかし、裏返せば"他国にはない発想が出来る"と言う事である。

水戦を活用した新戦術…。まだまだ研究の余地がある。


「隼隊が着艦します」


隼隊が着艦する様だ。さぁ、給油を完了させて待機させよう。


14分後…

CICは沈黙が支配していた。

皆が皆、敵機動艦隊の発見を待っている事だろう。

これほどまでに緊迫した演習は経験した事が無い。良い経験だ。


[鯨より蒼龍へ、艦隊より南東67kmの地点に敵機動艦隊発見!繰り返す!南東67kmの地点に敵機動艦隊発見!]


「蒼龍了解!直ちに攻撃隊を送る!情報感謝する!」


敵機動艦隊発見の報は、CICに活気を呼び戻した。


「鷗・白鷺隊、発艦始めぇ!!」


航空参謀が待ってましたと言わんばかりに、鴎・白鷺隊に発艦の命令を下した。


「鴎・白鷺隊発艦します!」


「司令、今回は対艦戦闘になります。ミサイルによる支援も可能でしょう」


「そうだな、参謀長。対艦戦闘用意」


「はっ。対艦戦闘用意!!」


ポーン。ポーン。ポーン。ポーン…


「対艦戦闘用意!」


蒼龍艦内に号令が出されると同時に、対艦戦闘用意の号令は各艦に出された。

演習用の七式対艦墳進弾。

目標付近まで飛行し、パラシュートで落下し着水する。

アスロックに似ている。


「七式対艦、用意!目標敵空母!」「一番二番、発射準備」


「発射準備完了」


「全艦同時発射を行う。発射は待て」


僚艦からの発射準備完了の報告が次々入る。

目標は、敵空母2隻。


「発射始め!」


「1番2番発射!」


発射ボタンを赤穂が押す。

正常に飛行すれば、空母は撃沈判定となる。

迎撃されぬ限り…。

だが、この攻撃はあくまで艦載機による攻撃の支援に過ぎない。

本命は艦載機による攻撃だ。


[こちら鴎、間もなく接敵。支援感謝する!]


「蒼龍、了解!」


「白鷺隊が敵直掩機と交戦します!」


護衛の白鷺隊が敵の直掩機と交戦状態に入った。

さぁ、何機墜ちるか。そして、何機堕とせるか。


[鴎各機!予定通りの爆撃目標を爆撃せよ!]


今の時代、ミサイルの方が主流だ。

だが、爆撃は完全に消え去ったわけではない。

まだまだ現役の機体は多数ある。



7分後…

演習は終了した。

戦果は、二航戦の圧倒的勝利。

一航戦は空母2隻、共に小破判定。駆逐艦2隻が撃沈判定。重巡洋艦1隻が中破判定。

戦闘機9機が撃墜。2機が損傷。


我が方の損害は、戦闘機2機と水上戦闘機1機、爆撃機4機だけだ。

…一航戦は手加減をしたのか?

今回は1発もミサイルが飛んでこなかった。

…まぁ、明日の演習が終わったら聞いてみよう。

まずは休息だ。休んで、明日に備えねば。



お読みいただき、ありがとうございます!

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