表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/54

第二十四話 演習直前

前回のあらすじ:横須賀に到着し、休暇を与えられ博多へ向かった伊吹と七海。

昔、偶然見つけ常連となった寿司屋で寿司を食べて…普通と変わらぬ旅行を楽しんでいた2人。

そして深夜3時、伊吹は七海を連れ出し夜の博多の街を歩く。

しかし突然街灯が消えるという怪奇現象に見舞われる。そして、不審な行動を取る伊吹。

すると意識を失う。

起きたらそこは宿だった。伊吹は宿から連れ出していないと言う。

しかし、伊吹の靴は無くなっていた。

そんな不可解な現象に見舞われた博多旅が帰投した2人、それからは特に何もない日々を過ごす…。

 12月19日… 東京湾… 蒼龍艦橋…


「七海」


「はい?」


「ボクちょっと不思議な夢を見たんだよね」


「どんな夢ですか?」


「零戦に乗って、何処かに向かう夢」


「零戦…ですか」


「そう、零戦」


「何処に向かうんでしょうね?」


「さぁね。ミッドウェーかもしれないし、真珠湾かもしれない。ただ…」


「ただ?」


「海の上を、編隊組んで飛んでたね」


「そうですか~」


「ボクね、最近零戦を見ると何処か親近感と言うか…懐かしさを感じるんだよね」


「………」


「普通に動かせそうな感じがするんだよね」


「そうですか」


「もしかすれば、前世なのかもしれないね」


「かもしれませんね」


 前世かぁ…そんな概念あるのかな?

 来世…も実在するのかしら。

 まぁいい、そんな事今気にしても仕方がない。

 これから、一航戦との演習だ。

 楽しみですね。あの天下の一航戦ですよ!


「一航戦とは三宅島付近にて合流。既に一航戦が待機している。

 その後、予定海域へ向かう」


「司令、まもなく東京湾を出ます」


「了解。各艦に通達、東京湾を出た艦から蒼龍を中心に輪形陣!艦隊第一戦速!」


 湾内では他の船の航行の邪魔にならない様に単縦陣で航行する。

 我が国は貿易国家。故に貨物船による輸入が生命線。

 その貨物船の航行の邪魔をしては申し訳ない。





 三宅島近海… 14:21…


「艦影視認!第一航空戦隊、雪風と認ム!」


「了解、取り舵22度!一航戦の真横に艦隊を付ける!」


「司令!赤城より打電!」


「読み上げろ」


 その打電とは、陣形の詳細である。

 合流にあたり、陣形をあちらから指定して来た。

 かなり詳細な内容を文面で送りつけて来た。

 まぁ、モールスだしね。


「如何致しましょう?司令」


「返信!我、貴艦ノ指示ニ従ウ」


「了解!」




 合流後… 蒼龍飛行甲板…

 赤城・加賀・蒼龍を中心に輪形陣を組んだ。

 これで総勢17隻の機動艦隊!空母は3隻!

 …凄いなぁ。人生何が起こるか分かった物じゃない。

 パイロットに憧れて赤城のパイロットになったと思えば、いつの間にか艦隊司令になって赤城と共に演習を行う立場に。

 まったく、人生って何が起こるか予想できたものじゃないね。


「ん?」


 ヘリがこっち飛んできてるって、赤城のヘリだ。

 何の用かな?


 バババババババババ…


 ヘリが飛んできて…着陸。

 そして降りて来たのは…!


「やぁ、数十日ぶりだね」


「ですねぇ」


 榊原司令だった。

 何の用だ、まったく。


「それで、何の用ですか」


「そんな冷たい目で見なくてもいいじゃないか、いや、ちょっと伝えたい事があったんだよ」


「はぁ…そうですか」


 無線や打電で伝えればいい物を、何故直接…。

 まぁ良い、折角来てくれたんだ。適当に会議室で話そう。


 蒼龍会議室…


「それで、要件とは何ですか」


「そんな急がなくても良いじゃないか、まだ時間はあるんだし」


「は、はぁ…」


 この人の話は長い。非常に、長い。

 捕まってしまえばお終いだ。30分~4時間の会話に付き合わされる。


「どうだい、伊吹。艦隊の調子は」


「士気は上々ですよ。特に問題も起きてませんし」


「それは良かった。艦艇の調子は?」


「各艦共に異常無しです。弾薬と燃料の補給もバッチリです」


「タンカーを沈める時、だいぶ苦労したそうじゃないか」


 仙台沖のタンカー衝突事故の事だ。

 いやぁ、ありゃ苦労したね。


「えぇ、大変でしたよ。なんせ蒼龍よりも大きい代物ですから」


「そうかそうか、第十雄洋丸以来の出来事だな」


「えぇ、そうですね。しかし今回は積んでたのが原油で良かったですよ。

 ナフサなんて積まれてた時にはもう大変…!」


「あっはっは!不幸中の幸いって奴だな!」


「えぇ、そうですね」


「それで、本題だが…」


 珍しく、本題に入るのが早い。

 これは、何か重大な出来事がありそうな予感がする。


「この演習が終わったら…」


「終わったら…?」


 終わったら…?何があるんだ…?

 一体…!


「観艦式だ…!」


「観艦…式…!」


「それもただの観艦式じゃない…」


「何…だと…?」


「大演習観艦式だ!」


「何…!大演習観艦式…!?」


「そうだ…!1936年の特別大演習観艦式を最後に約80年間行われなかった大演習観艦式だ…!」


「ぁ…ぁ…ぁぁ…!」


「……………」


「……何やってるんでしょうね」


「何やってるんだろーねー」


「えー…いつやるんですか?」


「12月25日」


「25日ですか~そうですか~………え?」


「ん?」


「に、25って!ク、クリスマスじゃないですか!]


「そうだね」


「そうだねって…!えぇ…」


「君は反対か?」


「いやぁ…別に…完全に反対と言う訳では…」


「ふむ、理由は?」


「ボク自身は構わんのですけど…クリスマスに観艦式…いやぁ…マスコミに"軍国主義の現れ~"って言われそうですから…」


「そうか…まぁ、今更変えられないけどね」


「変えられないなら何で聞いたんですか」


「単純に気になったから」


「そうですか…」


「と、言う事だからね。今回の演習が終わったら観艦式だよ」


「わ、分かりました…因みに何処で?」


「相模湾だ」


「相模湾ですか」


「そうだ。まぁ、話はこんな所だよ」


「そうですか」


「じゃ、俺は赤城に戻るよ」


「はい。お気をつけて」


「おう!」



 3時間後… 司令官私室…


「あ~、あ~、観艦式がこんな形で行われるなんてねぇ…」


 まさか演習の直後にやるなんて思いもしない。

 ましてや大演習観艦式。この演習があって成り立つ観艦式。

 しかもクリスマスだ。…いやぁ、驚いた驚いた。

 まぁ、やるしかないか。命令なんだし。


 コンコンコン


「はいはい」


 ガチャ


「司令、間もなくです。CICへお戻りください」


「うむ。分かった!」


お読みいただき、ありがとうございます!

ほんの少しでも「良いね」と思ったらブックマーク、評価の★の方を是非!

(付けると作者が凄い喜ぶよ)

よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ