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第二十話 あゝ、懐かしき学生時代

前回のあらすじ:大湊に到着した二航戦。

そして大間崎に出向く伊吹。そして、尖閣を始めとした領土問題に考えを巡らせる…。

そして迎えに来た七海にその考えを語る。

そして、帰る途中に料亭にて「憲法が改正されていない日本」について語りあった…。

 蒼龍艦橋 11月10日 大湊出港直後…


 潜水艦とは、居るかもしれないというだけで脅威なのだ。

 いつ何処から魚雷を撃たれるか分からないし、実は今も艦隊の真下に居るかもしれないと思うと身の毛がよだつ。

 対潜哨戒機[秋波」最新鋭の艦上対潜哨戒機。

 プロペラ機・逆ガル翼・着水可能と言う要素も同時に持ち合わせている。


「雨が降って来たね」


「そうですね」


「風も強くなって来たねぇ…」


「艦載機の離発艦に支障が出ないといいですね」


朱鷺(とき)隊が無事に帰って来て欲しいねぇ」

(秋波の部隊の符号)


「そうですね、司令」


 ボクと航空参謀はあまり喋らない。

 にしても、外は寒いのだろうなぁ。


「新しい人、どうだった?」


 新しく蒼龍に配属された人が来た。

 横須賀で拾う予定だったけど、大湊まで持ってきてくれた。


「非常に優秀ですよ。慧眼の能力を全て引き出してくれてますよ」


「前線で戦う戦闘機も、後ろに居る艦隊もAWACSも重要だからね。優秀なのは良いことだ」


 新兵はAWACSに配属となった。


「司令、新兵は挨拶に来ましたか?」


「いや、来てないね」


「あら。普通は一番最初に来るはずなのに…」


「まぁまぁ、別にいいじゃないか。ボクは気にしてないよ」


「そ、そうですか」


 別に最後でも途中でも構わないし、何なら来なくても何も思わない。

 別に任務の時に必ず会う訳だし。


「じゃ、ボクは部屋に戻るから。宜しくね」


「「「「「はっ!」」」」」


 副司令に指揮を任せてお部屋でゆっくりしましょ。


 トテトテ…


「カメラ君の整備をしないとなぁ…」


 一眼レフカメラの整備が最近(おろそか)かになってきている。

 …なんか異常が無いと良いけど…


 ん?奥の方から5人くらい歩いて来よる。あ、あれが新兵かな?


「それで、ここをまっすぐ行けば艦橋だよ。あ、この部屋は司令の私室だよ」


「司令官の私室ですか…」


 赤穂が案内してるみたいだ。

 すげぇ入りたそう。でも色々見られるのはお辛いから拒否しよう。

 と言うか、彼らはまだボクに気づいてない様だ。さて、いつ気づくか。


「じゃぁ、案内はここまで。各自自由に艦内を見て構造を熟知する様に。あ、迷惑はかけないようにね」


「「「「「了解!」」」」」


 そう言うと赤穂はそそくさとCICへと走って行った。

 赤穂~ボクの紹介忘れてる~。


「ん?オイ!あっち見てみろよ!」


 新兵の1人がボクを指さす。皆大きいなぁ。

 そして、口々に「可愛い」と言う。

 ボクそんなに可愛いかなぁ。

 そして「デカい」とも言う。

 それは…うん、ウン…。


 そして皆駆け寄って来て、囲まれた。

 囲まれるのは恥ずかしいね。


「なんか前に会った事無いのに会った事あるみたいだ」


「目に光が無い…」


「ポニテ可愛ええ…」


「日本刀持ってる…!」


「男用の帽子じゃん」


 女性用の帽子はどうも好きになれない。

 だから無理言って男用の帽子を支給して貰った。

(あの事件のせいかボクの要望はほとんど通る)


「ん?もしかしてこの人司令じゃ…!」


 おっ。ようやく気付いたみたいだ。

 ボクはニヤリと笑って…。


「正解だ」


 …と、言った。

 皆顔が青ざめている。


「え、えっとし、司令…それは…その…」


 言葉を取り繕おうと必死だ。

 別にボクはこんな事で怒る様な人ではない。

 むしろ面白いまである。


「あはは、いやいや。別にいいよ」


 皆安堵の表情を浮かべている。

 そして質問攻めにされる。

 幹部学校の時を思い出す。しかしあの時は、数十人だったが今回は5人だけだ。

 何も怖くは無い。



 5分後… 司令官室


「やっぱりベッドは落ち着くなぁ…」


 やっぱり、窓がある船室はいいね。

 部屋の広さは6.5㎡。普通の乗員用はだいたい15㎡位の広さだ。

 数字だけで見れば乗員用の方が広いが、実際はそこに2段ベッドが3台と個室トイレが1つある。

 故に、司令官室の方がゆったりできる。


「~♪」


 日本海海戦を聞きながらリラックス。

 ………

 高校の時の思い出が急に頭の中に大量に思い浮かんできた。

 うーん、なんでだろうなぁ。


 …高2の時の合同修学旅行…懐かしいなぁ。

 高2高1で同時に修学旅行に行く。因みに首都圏。

 何故首都圏と表現したのかと言えば、その工程に理由がある。

 2泊3日の行程であったが、よくある集団で行動するのは1日目のみ。

 2,3日目は自由行動。〈首都圏内なら自由〉と言う少し狂った制度だ。


 班決めは体育館で集まって自由に決める…うーん、地獄。

 取りあえず後輩と同学年の同志で固めた。安心安全!これで楽しく過ごせる。

 あの時横須賀の赤城に乗る事になるなんてね…。

 うーん、懐かしいね。


 コンコンコン(扉を叩く音)


「はぁい」


 ガチャッ


「司令…」


「…ん?どうしたんだい?」


「その…少し話をさせてもらえないでしょうか…」


「構わないよ、そこの椅子に座りな」


「はい。失礼します…」


 ドアがゆっくり閉まる。


「それで、話って何だい?」


「司令の刀ですね…」


「紀伊刀がどうかしたの?」


「…昔、何処かで見たことある様な気がするんです」


「ん~…うーむ」


「高校の時とか…覚えてません?」


「ん~?ボクは覚えとらんね…」


「そう…ですか」


「あはは…。いや…話されたら思い出すかもね。だから、1回話してみたらどうかな?」


「そう…ですね!」


「いいね。ボクも気になるしね」



 ~~時は遡り高校2年生~~


 ガタンガタン……


 ボクは遠足で京都へ向かっていた。

 京都の現地集合だ。

 それ故に新快速に乗り、京都へ向かっていた。

 それにしても、我が校は高1高2で何かをすることが多すぎる。

 今回はペアで行動する。ペア決めの時に多数の男共が群がって来たが、全てお断りした。

 七海は短距離新幹線をするみたいだ…お金あるなぁ。


「まもなく京都、京都です」


 長い長い乗り換え案内が流される。

 それにしても、混んでるのは新大阪まででそれからはあまり混んでいない。


「よぉし、降車用意…」


 降車準備はすぐ終わる。

 リュックを背負い、一眼レフバッグを提げてヨシ!


「周りの奴らはどれ程か…」


 同じ学校の奴…は、少ないねって、危ない危ない。

 刀を忘れるところだった。(何処を見てヨシって言ったんですか!)

 何故ボクが刀を持っているのかと言うと、父がやってる道場があるからだ。

 父は毎日新幹線で京都まで向かっている。

 因みに、ボクは京都に通わずお家で教えてもらった。


 父の道場は日本でも有数の道場だ。

 そんな、師匠の娘のボク。

 期待されてしまっているだろう…。



 京都駅八条口…


 ワイワイガヤガヤ…


 同志で溢れかえっていた。

 皆制服を着ている。まぁ、ボクもなんだけどね。


「先輩!」


「おっ、七海~」


「おはようございます~」


「おはよ」


 今日の行程はこうだ。


 京都駅→父の道場→京都市営地下鉄全線完乗→昼飯→嵐電全線完乗→京都駅→出町柳駅


 一度京都に戻ってこないといけない。

 非常に面倒ですね!

 京都に戻り、確認を受けた後はお京阪に乗る為に出町柳へ向かう。

 京都駅からならば七条から乗るのが一般的であるが、そんな物は通用しない。

 我々の部類からすれば、観光には1mmも興味が無い。

 撮って乗れればそれでいい。まぁ、ここまで極端な者は少ないが…。


「七海も一眼だねぇ」


「はい!望遠レンズもありますよぉ」


「何mm?」


「最大300mmですよ」


「ボクと同じだねぇ」


 カメラの話をしつつ、教師の下へ。

 周りの視線が凄い。いつも通りの事であるがカメラも相まってさらに注目を引いている。

 まぁいい、気にする必要は無い。




 京都丸太町… 父の道場…


 ボクは父の弟子の前で試し斬りする事となった。

 因みに、一般開放をしており、同じ学校の奴らも見ている。

 うーん、恥ずかしいな…。


 5本の竹を目の前にして緊張していた。

 いつもは緊張などせず斬ってしまうが、周りのプレッシャーのせいですさまじい位緊張していた。

 しかし、そんな張り詰めた空気の中にも隙はある。

 一瞬、その空気が緩むのだ。その隙を逃さず、行動する。


 ヒュッ。パァン!!


 抜刀し、刀を振り、竹を斬り、納刀する。


 …何も起こらない。

 普通ならば竹の半分が床に落ちるはずだ。しかし、落ちない。

 弟子が皆 あちゃー みたいな表情だ。

 しかし、父は腕を組んだまま笑っている。

 流石、察するのが得意な様で。

 ボクは竹に近づき、1本1本叩く。

 そして、ボクが叩く度に竹の上半分が床に落ちる…。

 すると…


「おぉ…」「凄い…」


 弟子や見ていた同級生から驚きの声が上がる。

 父は腕を組みながら頷いている。

 これだけで疲れたわ…。


 ~~時は戻り現在~~


「…あぁ~、あの時に見てたんか」


「はい。凄かったです…!」


「いやぁ、緊張したなぁ…」


「いつ斬るかドキドキしてましたよ」


「そっかそっかぁ」


 ボクと彼女は懐かしい高校時代を夜まで語り合った…。

お読みいただき、ありがとうございます!

ほんの少しでも「良いね」と思ったらブックマーク、評価の★の方を是非!

(付けると作者が凄い喜ぶよ)

よろしくお願いいたします!

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