第十三話 二航戦は便利屋?
前回のあらすじ:爆弾低気圧に襲われた二航戦。
しかしこの低気圧は良い事ももたらしたかもしれない。
中国漁船群の7割が転覆・沈没したのだ。
そして艦隊は暴風雨に襲われる中、艦隊は佐世保へ無事帰投するのであった……
また所属が変わる様です。
まったく、二航戦は便利屋じゃないぞ?
「便利屋扱いされてるのかなぁ?」
「多分、それで正解だと思いますよ?」
「えぇ!?ボク達は便利屋じゃないよ!」
今度は舞鶴に行けと艦隊司令部は言う。
今度は何を任されるのやら。
我が国の機動艦隊は2つ。第一航空戦隊と第二航空戦隊。
一航戦は横須賀で常駐し、二航戦は各地を転々とする。さしずめこのような運用形態なのだろう。
「舞鶴に向かう」
「舞鶴ですか~」
「そう、舞鶴」
明日、出港して舞鶴に向かう。
あっちでどんな命令が下されるのか、気になる所だ。
恐らく海上警備。艦載機を使い、空から領海侵犯を防ぐ任務に付かされるのだろう。
「先輩!」
「ん?どうしたの?」
「飛龍の就航っていつでしたっけ?」
「四月の上旬らしいね」
「後六か月ですか、まだまだ先ですね~」
「空母の艤装となると、それなりにかかるんじゃない?」
「まぁ、そうですよね~」
翌日……
二航戦は舞鶴に向けて佐世保を出港した。
途中、左舷側に対馬が綺麗に見えた。
天気は晴天。波は穏やかである。
今日は絶好の航海日和。飛行甲板で日向ぼっこをしたい気分であるが、甲板には艦載機が駐機中である。
日向ぼっこは叶わなかった……。
「今日も旭日旗が美しい」
マストに掲げられている旭日旗。
思わず見つめてしまう。
「先輩?何旭日旗眺めてるんですか?」
「ん?甲板で日の光浴びてただけだよ」
「今日は快晴ですもんね!その気持ちわかりますよ」
雲は小さいのが2つ程度、こんな日は久しぶりだ。
ましてや昨日は爆弾低気圧に襲われたのだから。
「海は綺麗だね」
「ですね~!」
「多分魚釣りしたら普通に釣れると思うよ」
「昔それやって謹慎になった人居ましたよね」
「居たね~そんな人」
二航戦では無いが別の艦隊で魚釣りをして謹慎になった者が数名出ている。
あ、巡視船だ。小さいなぁ~、巡視船。
やっぱり、空母の方が圧倒的に大きいって事が良く分かる。
「そういえば先輩って、妹さん居ましたよね?」
「うん、居たね」
「妹さんって今何処に?」
「それはね……」
同時刻 舞鶴基地
「ふふっ、明日が楽しみ!」
「司令、そんなに嬉しそうな顔をされてどうされましたか?」
「そりゃ、明日ここに二航戦が来るんだよ?」
「はぁ、そうですけど。それが何か?」
「だってお姉ちゃんが指揮してる艦隊なんだよ?」
「え?お姉さま……?」
「うん、そうだよ」
「えーっと、確か二航戦の司令は秋月伊吹中将で、ここの司令が秋月摩耶中将……あぁ!」
「気づかなかったの?」
「えぇ、まぁ、はい、気づきませんでした……」
「そっか~」
「所で、伊吹中将と会うのはいつぶりなんですか?」
「確か去年の観艦式以来かな~」
ボクと摩耶は去年の観艦式以来会っていない。
「つまり一年ぶりですか」
「うん、次会うのは今年の観艦式って思ってたけど、意外に早く会えて嬉しいな~」
「それはそれは」
「えへへ、早く明日にならないかなぁ~」
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