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第十話 冷風の中の温風

前回のあらすじ:佐世保に到着後、物資を積み込み即座に佐世保を出港。

目指す先は尖閣諸島大正島。二航戦は領海侵犯を繰り返す中国の海警への対処へ駆り出された。

そして艦隊が到着すると、電探には32隻の艦影が写った。

その内訳は『海警局の巡視船6隻・中国漁船10隻・人民軍艦艇6隻』であった。

それに対し海上保安庁の巡視船は24隻であり、少し少なかった。

ここは日本の領土、領海だ。勝手に踏み込まれてたまるか!

伊吹はその信念を持ち、中国の艦船と対峙するのであった……!


※今回は七海視点です

 先輩っていつからあんな考えをする様になってしまったんでしょう?

 人=資源って言う考えをいつからする様に……。


「先輩、哨戒機をもう少し出してみてはどうでしょう?」


「そうだね、2機じゃ限界がある。4機で哨戒に当たってもらう事にしよう」


「撃ち落とされたりしませんかね?」


「あっちも分かってるよ、攻撃したら戦争状態になるって事」


「そうだと良いですね…」


 本当に中国は分かってるのかな?

 戦争になっちゃうって事。


「我々はかつての真珠湾攻撃の様な愚行をしてはならないのだ

 宣戦布告無しに攻撃するなど言語道断」


「しかし司令、あの攻撃は元々…」


「それは理解している、だが今はどうでも良いだろう」


「は、はい…」


 やっぱり、いつもの先輩より冷たい。(主に口調とかイントネーションとか)

 氷河期ってあだ名がつくのも納得。

 温度で言うと25℃から-40℃になった様なもの。

 でもそんな先輩も大好きです!


「七海、隼の機体って今何機出せる?」


「6機ですね、4機が着陸脚を損傷してまして…」


「そう」


「でもどうして聞くんですか?」


「いや、何となく」


「そうですか~」


 任務中、こう言う事は私以外しない。

 まるで温風、ちょっとあったかい。10℃くらいはあるんじゃないかな。


「…………」(ニコッ)


 私はいつもの先輩が笑うのより、任務中の先輩が笑う方が好き。

 勿論、いつもの先輩も大好き。


「…えへへ」


「…………」(聞き取れない) 


「えっ?な、何か言いましたか?」


「いや、何でもない」


「そ、そうですか」


 先輩は自室に戻っていきました。

 最後になんか言った気が…。


「中佐!飛電の修理が完了しました!」


「了解、ありがと!これで全機で出撃出来るね!」


 日本軍の修理兵は非常に優秀、2時間で4機の着陸脚を修理できるんだから。

 しかも整備工場じゃなくて空母格納庫の中で修理してる、本当技術高い。




 6時間後 蒼龍艦橋

 夜になりました。場所はさっきと変わらず大正島近海。

 いつまでじっとしてればいいんだろう。

 先輩も眠そうです。


「……疲れた……」


 疲れたそうです。さすがの先輩も6時間も緊張してたら疲れますよね。


「先輩、そろそろ哨戒機の燃料が尽きる頃ですよ?」


「え?あ、確かに。もうすぐ帰って来る頃か」


 P-2哨戒機4機がそろそろ帰投してくる。

 流石(空母艦載機にしては)大型機、燃料も沢山積んでる。


「ボク眠いよ、副司令に指揮を継承して寝ようかな?」


「先輩……副司令はもう……お休みに……」


「……………………」


 任務中の先輩はあまり顔に出しません。

 でも悲しんでるって事は分かります。



 2時間後……

 私も眠たくなってきた。

 先輩は艦長に指揮を継承してお休みになられました。

 艦長の顔がさっきから強張ってる。

 そうだよね、ニ航戦の司令を少し任されたもんね。


「艦長、大丈夫ですか?」


「あ、あぁ…大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」


「い、いえいえ」


「そろそろ君も休んだ方が良いよ、いつ出撃がかかってもおかしくないからね」


「分かりました、では休ませていただきます」


 私はさっさと部屋に戻った。

 部屋には先輩の写真を沢山貼っています。

 えへへ、これでいつでも先輩の顔を拝めます!


「ふぅ、疲れた~

 艦橋でじっとしてるのも辛いね」


 パイロットって言う仕事に就いてるから、じっとしてるのは性に合わない。

 先輩はもうパイロットじゃなくて司令です!同じ所で留まってるのは得意ですよね!多分!


 ガチャ。


 ノックもせずに誰かな?


「ん~…」


「先輩!?ここ私の部屋ですよ!?」


「え~?」


 寝ぼけてるみたいです!でも目つきが氷河期のままです!


「にゃ~、別に良いじゃろ?一緒に寝る位……」


「ふぇ!?」


 一緒に寝る!?こ、心の準備が出来てないですよぉ!


「問答無用~邪魔するで……」(ゴソゴソ)


 先輩がベッドに入って来ちゃいましたぁ!


「ふぇ~あったかいなぁ……」


 氷河期の先輩がこんな事するなんて思ってませんでした。

 あ、タオルもちゃっかり持ってきてる、ここで寝る気満々じゃないですかぁ。


「zzz……」


 あらら、寝ちゃいました。

 凄く無防備ですねぇ、私が何しても気づかなそうですね。

 かと言って何かする訳じゃありませんけどね~。


「先輩、おやすみなさい」(ナデナデ)


 そういえば今って中国の船たちと対峙してるんだっけ。

 何も無さ過ぎて忘れちゃってた。

 これからどうなるんだろう、いつ呉に帰れるのかな?

 ……明日は晴れるといいなぁ~!

 私は明日への不安を先輩の寝顔で紛らわした。

 そのお陰かぐっすり寝れた。

お読みいただき、ありがとうございます!

ほんの少しでも「良いね」と思ったらブックマーク、評価の★の方を是非!

(付けると作者が凄い喜ぶよ)

今回は七海してんでお送りしました!

よろしくお願いいたします!

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