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サラレティア編〈2〉

 

  お礼にお茶をと誘うと一度は断られたが最後は了承を得られ一緒できることに。女の子の名前はティア 男の人は暁と名乗った。兄妹かと思ったがどうやら違うようだ。色んな話をしているうちに女の子がわたしと同じ前世の記憶持ちであることが分かり仲良くなった。

  ティアちゃん達は森に住んでいてたまに遊びに行かせてもらった。暁さんは諜報員として活動をしていたらしくとても身のこなしが軽い。ティアちゃんは暁さんに諜報員として身に付けた動きを教えてもらっていたらしくわたし達も一緒に教えてもらった。そしてたまには我が家に呼んでお茶をしたりしていた。

  この世界で初めて同姓の友達ができとても嬉しかったが別れは突然やってきた。

  その頃アンニー・テンプス王国のアエスタース領では魔獣が増え魔獣狩りの話が持ち上がっていた。アエスタース領は我アウトゥムヌス領の隣に位置している。最近アウトゥムヌス領の魔獣が見掛けられなくなったのは隣のアエスタース領に流れていってのではないかと言われていた。その為アエスタース領主から父に応援を寄越してほしいとの依頼がきているようで家の中は慌ただしかった。

  そんな時ティアちゃんが別れの挨拶をしに家に来たのだった。ティアちゃんからは理由は教えてもらえなかったが わたしが寂しそうにしていたからか悠翔さんが教えてくれた。

  何でもアウトゥムヌス領から魔獣が居なくなり隣のアエスタース領で魔獣が増えている原因は悠翔さんにあるのだとか。悠翔さんは過去必要があって魔獣を近付けない様 威嚇のために魔力を放出していたらしい。今はもうする必要はないが長年の癖で気にせずに居たら今回のように魔獣が一ヵ所に集まるような事になってしまった。ならば魔力を抑えれば良いのだが今まで放出させていた分をいきなり止めると体に負担が掛かるので徐々に抑えていきたいのだと。しかし魔獣狩りの話があるので一刻も早く問題を解決させなければいけない。そう考えるとここから居なくなるのが一番手っ取り早いと言うことになり森を出ていくことにしたそうだ。

  悠翔さんは申し訳なさそうにしていたが事情が事情だから仕方がない。それよりも魔獣の威嚇のために魔力を放出している悠翔さんって一体何者なんだろうか。

  別れの挨拶に来てくれた次の日ティアちゃん達は森から出ていった。みんなが居なくなるとアエスタース領の魔獣達は徐々に減っていき討伐隊も出されることなく問題は解決した。




 

  あれから数週間経った頃 サラレティアの家に王子様達一行がやって来た。昔からの決まりらしく王太子が十五歳になるのに合わせ婚約者を選ぶためだ。

  アンニー・テンプス王国には四公爵家がありその中から妃を選ばなければならない。だが必ずしも王太子が公爵家の娘を妃にしなければならないわけでなく王子が複数居ればその内の誰か一人が妃に迎えれば良かった。王太子しか居なければ王太子が迎えるしかないが今回は王子が二人居るのでどちらかが四公爵家から妃を迎えればいい訳だ。因みに王子達の婚約者は王太子(第一王子)が婚約者を決める時 同時に決められる。王子達はサラレティアの家だけでなく四公爵家を順に回り各家で十日程滞在し相手の為人を見る事になっている。政略結婚になるがせめて自分と気が合いそうな相手を見付けてほしいとの願いからお見合いの様な状況を作ったのだ。

  王子達一行が家に来たときサラレティアは王子達を迎えに出るかどうするか悩んだ。挨拶しなければ失礼になるのは判っているが挨拶に出たとして家族にどんな対応をとられるかと不安を感じたからだ。相手にされないだけならまだましだが罵られたりして傷付きたくはなかった。だからクロードが迎えに来てくれた時何かあってもちゃんと対応してもらえると思い王子達を迎えに出ることができた。そして挨拶が終わると直ぐに自分の部屋へと戻っていった。何の道お妃選びは自分には関係ないのだからと。

 

「おかえり。挨拶は終わったの?」


  部屋に残っていたリューイが笑顔で迎えた。


「ええ。ちゃんとしてきたわ」


  リューイの顔を見て安心したのかサラレティアの顔から強張りが消えた。


「王子様の訪問は婚約者選びだったっけ?それなのにもう相手をしなくていいの」


「ええ。あそこに居ても居心地が悪いだけだし私には関係ない事だもの」


「お嬢、そんな寂しそうな顔しないで。お嬢には僕がついてるでしょ」


「ふふ。そうだったわね」


  元気付けようとしたリューイの思いに気付いたサラレティアは笑顔を向けた。家族に会った後は気が重くなるが今はリューイが居てくれるので独りぼっちではない。その事がサラレティアの心の支えとしてとても大きな影響を与えていた。









お読み頂きありがとうございます。


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