再会(1)
お城に来て半月程経った。明日には家族が到着すると聞いて心が浮き立つ。ジッとしていられなくてウロウロしていると落ち着けと暁に抱え上げられソファに座らされた。しかしジッとできずソファの上でソワソワとしてしまう。そんな様子を疾風は微笑ましいそうに 暁は呆れ半分で見ていた。そんな二人の視線に気付き恥ずかしそうにしていたが急に何を思ったのか悲しそうな顔をした。その事に気付いた暁と疾風はお互いの顔を見たがどちらも何があったか解らないと首をかしげティアに視線を戻す。暁は俯いたまま顔をあげようとしないティアを抱え自身がソファに座り自分の膝の上に座らせる。疾風はその正面に行って床に座り頭をティアの膝の上に乗せる。そしてそのままティアが話し出すまで待った。
「ご免・ね。・・一人浮かれてご免なさい」
二人はティアが言わんとしていることを理解し フッと小さく笑った。
「お前が浮かれてるのは何時ものことだろう。何を気にしてるんだ」
『みんなに会うのは久し振りだから僕も楽しみだよ』
「嬉しいことがあったなら周りを気にせず楽しそうにしてろ。その方がティアらしい」
「・・うん! ありがとう」
ティアは暁と疾風にギュッと抱き付き嬉しそうに笑った。それを見た二人は安心したようにホッと息を吐いた。
次の日のお昼過ぎおよそ十ヶ月ぶりとなる家族との対面を果す。
「「ティア!」」
ティアは一番にエリーの下へと走った。
「ママン! 会いたかったよ!」
(寂しかったよ! やっとやっと会えた!)
「にぃに!」
(相変わらず格好いい。何時見ても惚れてしまいそうになる爽やかな笑顔が堪らん! 何時も優しく抱き締めてくれて安心して居ることができるこの腕の中。そして程好く引き締まったこの身体。思わずスリスリしてしまう。)
「ねぇね!」
(ねぇねも相変わらず可愛い。いや、可愛いと言うより綺麗になった。スベスベの肌にポッテリした唇。色っぽい。それに何だか良い匂いがする。)
「パパン!」
(ああ、久し振りのティアだ! 少し背が高くなっただろうか。髪の毛も少し伸びた。相変わらずの柔らかな頬っぺにモチモチの肌。思わずスリスリしてしまう気持ちいい頬っぺ。顔も少しお姉さんぽくなって。ああ、可愛い。可愛くてもう堪らん!)
家族の再会をみんなで喜んだ。それからリオン達は暁や疾風、精霊達にティアと一緒に居てくれた事にお礼を告げ 新しく仲間に加わったみんなの紹介を受けた。因みに魔族は王子と言う渾名だと言うことにしておいた。そんな紹介を受けてリオンは戦慄いた。
(どうしてティアの周りは男ばかりなんだぁぁ!!)
エリー、アクア、マリンはそんなリオンを横目にみんなとの会話を楽しんでいた。するとエリーが何気なく言ったことに王子が答る。
「みんな綺麗な顔をしてるわね」
「・・魔力の高い奴程 顔の造形率が高いからな」
「じゃあママンは美人だから本当は魔力が高かったりするの?」
「美人イコール魔力が高いと言う訳じゃない。只魔力が高い奴に容姿が良い奴が多いと言うだけだ。稀に違う場合もあるが」
確かにみんな綺麗な顔をしているとは思っていたけどそんな理由があったのかとティアは納得し ふと思った。
(それじゃあもしかしたらわたしも美人になれるんじゃないの!)
そう思い一人でニコニコいると 何を不気味ににやついているんだと言われた。にやついてるんじゃなく喜んでるんだと敢えて口にはせず心の中で突っ込みながら将来美人になって見返してやると心に誓いニヤリと笑った。そんなティアの様子にまた自分の世界に入ったなと呆れた様に見ている眼差しと微笑ましそうに見ている眼差しが向けられていた。
キャンプ生活をしていた時の話が終わるとこれからに付いて話が出た。王都に居るのはお願いされてからであって自分達が望んだ訳ではない。だから何時王都を出発することになっても何の支障もない。仮にリオン達が王都の観光をしたとしても二、三日あれば十分だろう。最終的にどうするかは相談しないといけないが そろそろ城を出て行く事をレオンに言っておいた方がいいのかもしれない。長い間お世話になったのだから何かお礼をするべきなのではないかとティアは考えた。
しかしどんなお礼をすればいいのか判らず一人で考えていると暁に笑われた。
「何一人で百面相してるんだ」
百面相とは失礼な。真面目に考え事をしていると訴えると話してみろと優しく言ってくれた。
「レオにお城に泊めてもらったお礼をしようかと思うんだけど何をしたらいいと思う?」
「お礼か。確かに何もしないわけにはいかないか。でもお礼ってどんなことをするもんなんだ?」
質問したのに質問で返されたのでジトッとした目で見返すとそんなことしたことないから仕方ないだろうと言われた。
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