異世界で頑張ります(4)
「パパンたちにはなしてくるからみんなとここでまっててね」
精霊達と疾風にそう告げて一人家の中に入った。
「ただいま」
「おかえりティア。早かったわね。何かあった?」
「あのねママン、おねがいがあるの」
ママンと話してると丁度パパンもやって来た。
「おかえりティア!寂しかったよ!パパに会いたくて早く帰ってきたのかい!?」
又もギューっとされた。
「ただいま、パパン。あのね、おねがいがあるの」
「お願い?ティアのお願いなら何でも聞いてあげるよ!高い高いしてほしいのかな?おやつがほしいのかな?パパとお出かけかな?それとも・「リオン」」
ママンがパパンのことを止めてくれてるうちに願いを言った。
「あのね、いきものをかいたいの」
「生き物?犬とか猫かい?ウチはパン屋だから毛が抜けるような生き物はちょっとなぁ」
「ううん、けははえてないの」
「毛のない生き物?カエルとかかしら?」
「うーん。だったらまあ良いかな。ちゃんとティアが面倒見て育てるんだよ」
「うん、ありがとう。パパンだーいすき」
「ティア!パパもティアが大好きだよ!」
又々ギューっとされた。パパン、苦しい!ギブアップだよ!パパンの胸をパンパン叩いても手を緩めてくれず、苦しがってるわたしを見かねてママンか助けてくれた。
「もうリオン。いい加減にしないと。それでティアその子はどこにいるの?」
「ちょっとまってね。えんたちといっしょにそとでまってもらってるの。つれてくるね」
そう言って急いで疾風を迎えに言った。
「はやて、はいっておいで」
疾風を家に迎え入れてパパンとママンの所に連れていきお目見えさせた。
「このこなんだ。ドラゴンのはやて。よろしくね」
「「ドラゴン?!!」」
疾風を紹介したらパパンとママンが大声で叫んだのでにぃにとねぇねが慌てて飛び込んできた。
「「何ごと?!」」
──────────。
その日は早くに店を閉めみんなで話し合うことになった。そこには精霊達と疾風も居る。
でも誰も話そうとしないのでわたしからと思い恐る恐る口を開いた。
「このこかっちゃだめなの?」
パパンの方を見るといつも激甘のテレデレパパンが難しい顔をしている。わたしは不安になって泣きそうになってきた。
それを見ていたにぃにがわたしの横に来て膝に抱っこしてくれた。
「大丈夫。泣かなくていいんだよ」
「にぃに」
わたしはにぃにの服をギュッと掴んで胸に顔を埋めた。にぃにはわたしの頭をポンポンとしながら大丈夫だからと言って、代わりにパパンにお願いしてくれた。
「ねえ父さん。ティアが初めて言った我が儘、聞いてあげるのは無理かな?確かに犬や猫と違ってドラゴンなんて簡単にいかないとは思うけど」
ねぇねも近くにやって来てわたしの頭を撫でてくれた。
「パパ、大きくなったら家の中では無理だろうけどウチの裏は森だしみんなで考えればなんとかなるんじゃないかな」
にぃにもねぇねもいつも優しい。わたしのことなのに一緒にお願いしてくれてる。わたしの我が儘なんだからにぃにとねぇねに任せてるだけじゃなく、ちゃんと自分でお願いしないと駄目だ。
袖で涙を拭いてパパンにもう一度お願いした。
「パパンおねがい!ひとにみつからないようにするしおそったりしないようにちゃんとそだてる!めいわくかけないようにちゃんとするから!」
「ティア、そういう問題じゃなくてね・・・」
(ドラゴンなんてどうやって飼うんだ。その前に飼えるのか。いや確か王族や貴族が飼っていると聞いたことはあるが、だからと言って・・。
目立たないようにこの地に来たのにドラゴンが見付かれば目立ってしまう!それじゃ引っ越した意味がない!
ああ、でもここで駄目だと言ったらティアに嫌われてしまう。眼をうるうるさせてこっちを見ているあの可愛さ!アクアの代わりに俺が抱っこしたい!
マリンもこっちをジッと見て、お願いしてくる!ああ、あんなに可愛い顔で見つめられると・・)
「「っんん!」」
(はっ!!エリーとアクアに白い目で見られてる!考えてることがバレたのか。真面目にしないと!)
「ゴホッ!ドラゴンを飼うにしても生態についてもよく分からないし病気になっても診てくれるお医者さんも居ない。いろいろ問題が出てくるんだよ」
「はやてになにかあったらわたしがなおせるようにちゆまほうのべんきょうもするし、ドラゴンのこともちゃんとしらべるからおねがい!」
「・・はー、仕方ないわね」
「エリー」
「これだけ言ってるんだもの。駄目だって言っても素直に諦めないでしょうね」
「ママン!」
「・・そうだな。仕方ないか」
「パパン!」
「その代わりちゃんと責任持つんだぞ!これからのことはみんなで考えていかないとな」
(ああ、これで娘達に嫌わないですむ!よかった!)
「ありがとう!パパン、ママン!」
「「よかったね!ティア」」
「にぃにとねぇねもありがとう!」
「よかったね!はやて。いっしょにいてもいいって!」
「ぐわあぁぁ」
にぃにとねぇねの三人で疾風のそばに行き、撫でたり話しかけたり了解が貰えたことを喜んだ。




