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隣国で頑張ります(8)

 

  二日後ティアは指輪を店に持っていき 何かできそうなバイトはないかと町を彷徨く。そこで偶然サラレティアとリューイに会った。何処に行くのか聞けば《魔》の店に行くのだと。サラレティアによければ一緒にと誘われ行くことに。何を買うのかと思えば防御の指輪だそうだ。今まで邸の敷地内で忍者訓練をしていたがもう少し広い場所でしようと考え森に行こうと考えた。だが森は魔獣が出ては危ないので防御の指輪を買おうということになったのだそうだ。

  そういうことならとティアが店の人に魔力の付与されていない指輪を二つ頼んだ。サラレティア達は指輪が魔力付与されて安く売られていることは知らなかったようだ。なので付与されていない指輪が欲しいという言い方が謎だったが特に聞くこともなくお金を払って受け取った。

  ティアはサラレティアに魔力付与をしてもらう人を決めているのか確かめるが まだ決まってはいないらしい。ならばとウチに来ないかと誘ってみた。

  サラレティアとリューイを連れて小屋に戻ると何時ものように疾風が出迎える。疾風を見た二人は驚いたが直ぐに仲良くなった。

  ティアはサラレティアとリューイに魔力が使えるのか尋ねるとサラレティアは風をリューイは火を使えるとのこと。だったら一緒に魔力を込められると思い提案してみた。よければ指輪の魔力付与をさせてほしい。そして一緒に魔力を込めないかと。二人はそんなことができるなら是非と喜んでくれた。今までティアが店に渡してきたのは雷技が出るようになっていたが 今回はサラレティアとリューイの魔力を使い風と火の技が出るようにした。そして今までと違うのが二人にもしものことがあった時 ティアに伝わるようにしておいた。それは本当に窮地に立たされた時にのみ伝わるように。指輪が感情を読み取ってくれるようにと。やり方は悠翔に教えてもらっていたが実践するのは初めてだから上手くいくかは謎でしかないけれど。


  暫くお喋りを楽しんでサラレティア達は帰っていった。また来るねと言い残して。森の入り口まで送ったティアは一緒に見送った疾風に呟く。


「かぞくみんなとはなれてるのはさみしいけど かぞくといっしょにいてもさみしいこともあるんだね」


  小さくなり肩に乗っていた疾風は何も言わずただティアの頬っぺたに頭を擦り付けた。

  呟いてハッとティアは思い出した。同じ様に疾風も家族にはいい思いをしていなかったことを。ごめんねと疾風に謝ると大丈夫だよと言ってくれた。

  小屋に戻り疾風を元の大きさに戻す。ティアは疾風にしがみついたまま離れようとしなかった。



  それから一ヶ月が経った頃指輪が売り切れたと教えられた。明日腕輪を持ってくるからと告げて 暁と食材の買い物に。指輪が全部売れ 腕輪代も稼げたので前にもらったバイト代でたまにはクッキーを買ってもいいか暁に聞くと 好きにしていいとお許しをもらったので買いに行く。プレーンクッキーとドライフルーツクッキーを買うことにした。小屋に戻りみんなで食べることに。大きなままの疾風にあげると直ぐなくなるので小さくして。みんな初めて食べるようで喜んで食べてくれた。こんなに喜んでくれるならまたバイトして次はケーキでも買えるように頑張ろうとティアは思った。


  次の日疾風と瑠璃につけている腕輪を外し《魔》に持って行く。新しくブルーゴールドの腕輪と瑠璃色の石と金色の石を買う。瑠璃色は瑠璃の瞳の色で金色は暁の瞳の色。瑠璃の石は瑠璃の腕輪に金色の石は疾風の腕輪につける。店の人にお礼をいい必要ならまた言ってねと告げ店を後に。

  小屋に戻り暁を探す。お願いがあると魔道具の腕輪を暁に見せ何かあったとき用につけていてほしいと頼んだ。分かったと引き受けてくれたので疾風と瑠璃の石にそれぞれ魔力を込めてもらい二人につけ直す。これでやっと全部揃ったことに安心できた。


  それから暫くはこれといったこともなくサラレティア達と遊んだり忍者の特訓をしたりと平和に過ごした。防御の指輪も少しずつだが売れ続けているらしいのでバイトも続けていた。

  そんな日々を過ごしているといつの間にか家を出てから八ヶ月程経っていた。気が付けば暁は十八歳、ティアは六歳になっていた。


 

  最近アンニー・テンプス王国では魔獣がよく出現するらしく魔獣狩りを行うかどうするかが話題となっているようだ。場所は此処アウトゥムヌス領ではなく隣のアエスタース領なのだそうだが手伝うべきかほっておくべきか。あまり目立ちたくはないとはいえ近くにいるのにと考えてしまう。かといってティア一人ではいい答えが出せない。なので一度悠翔に相談してみることにした。

  今のところティア達に影響はなさそうだけど力になれるのに手を貸さずにいてもいいのだろうか。助けてあげた方がいいとは思うけど子供が居たら目立ってしまうのでどうすればいいのだろうか。何かいい方法はないものかと。





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