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隣国で頑張ります(4)

 

  初対面の人間に買ったばかりの物を渡して信用してくれてるのだろうか。もし悪い子だったらどうするつもりなのだろう。ジーっとお兄さんを見る。真っ直ぐに此方を見ているお兄さんに条件付きでならと引き受けた。条件とはティアが関与していることを絶対に言わないことだった。お兄さんは必ず守ると誓ってくれた。

  ティアは魔力付与は障壁を作るようにすればいいのかと確認をした。するとお兄さんは少し驚いたようにそれでいいと返事した。ティアは何か変なことを言ったのかと思ったが気にしないとこにした。明日またこの時間に此処で会う約束をして別れた。

 

  このまま帰るのもまだ早いので町を彷徨くことに。何かできそうなバイトはないかと暫く探してみるがなかなかない。まあ五歳児ができるバイトなんてそうはないだろうけど。

  諦めてその日は帰ることに。

  小屋に戻ったティアは早速悠翔に魔力付与に付いて相談した。障壁を付与したいけどどうやれば上手くできるのか。何れくらい魔力を込めればいいのかと。悠翔は思いが大事だよと教えてくれた。

  前に暁の指輪に込めたような感じでいいのだろうか。でも暁は自分で魔力を使えるからそれをサポートできるようにと込めたものだ。今回は魔力の少ない人を守るために付与しなければならないのだが。

  悠翔は悩んでいるティアに難しく考える必要はないから試しにやるように言ってきた。

  ティアは指輪に魔力を込める。怪我をしないように、無事守れるようにと願いながら。おまけにと雷の力も込めておいた。それを悠翔に見せるとちゃんとできてるよと笑ってくれた。

  ティアは嬉しくてありがとうと悠翔に抱き付いた。悠翔もそっと抱き締め返した。



  次の日ティアは約束の時間に《魔》の店に来たら昨日のお兄さんが既に待っていた。お待たせしましたと駆け寄るティアに大丈夫だよ告げる。指輪を渡すと鑑定しても言いかと聞かれたのでどうぞと答えた。

  お店の人に頼んで鑑定具を借り隅っこで見付からないように鑑定する。お兄さんはちゃんと魔力が付与されていることを確認し ありがとうお礼を言った。そして本当にこの金額でいいのかと心配そうにお金を払ってくれた。

  こちらこそありがとう。ちょっとしたおまけも付いてますからねとお兄さんに伝えた。

(短時間の作業でこんなに貰ってもいいのかと思うけど相手も喜んでくれたしいいよね?取り敢えず初めてのバイト代。残りも頑張って稼がないと!)


  腕輪を買うには全然足りないけど初めて手にしたバイト代がティアには嬉しかった。

  今日もウロウロしながら何かないかと探し回る。すると何処からあいたたたと聞こえてきた。聞こえてきた方に行ってみると倉庫の中で腰を押させているお爺さんが居た。慌てて近寄りどうしたのか聞くと腰を痛めたとのこと。お医者さんを呼んで来ようかと聞けば暫くすれば落ち着くと言われたので近くにあった椅子を持ってきて座らせた。

  どうしてこんなことになったのかと聞くとこの本だらけの倉庫を片付けようとして痛めてしまったらしい。バイトも募集したが誰も来ず仕方ないので自分でやったのだと。

  バイトと聞いて是非雇ってほしいとお願いした。しかしこんな小さな子には無理だとなかなか認めてもらえなかったがちょっとだけど魔法が使えるのと言えばじゃあ試しにと雇ってくれた。倉庫の上がお爺さんの家だったので 此処にいると埃っぽくなるからと連れて上がった。片付けが終わったら声を掛けると告げ倉庫に戻る。誰にも見られないように扉を閉め 換気のために窓を開ける。先ずは風魔法で掃除から。それが終わると本を片付けていく。あまりにも早く終わると不自然だから床の水拭きは自力ですることに。

  それでもかなり早く終わっただろう。どうにかして時間がつぶせればと思ったがいい案が思い浮かばず仕方がないので終ったと告げにお爺さんの所に向かった。

  お爺さんが眠っていたようなので今ならバレないかと思い治癒魔法で腰を治しておいた。終わったよと声を掛けると目を覚ましご苦労さんと言い 倉庫の確認をして綺麗になったとバイト代をくれた。

  ティアは何か言われるかもしれないと思っていたのに何も言われなかったのでホッとした。バイト代を貰ったことにお礼を言ってお爺さんと別れた。これ位の魔法なら使っても問題はないのかとティアは思った。


  小屋に戻りバイト先でしたことを話すと暁に使いすぎだと怒られた。あれ位なら大丈夫なのかと思ったけど違うかったんだ。お爺さんが何も言わずにいてくれたんだなと反省した。

  疾風の下に行き怒られちゃったと言えば 次からは気を付けないとねと優しく言われた。何時ものように疾風に抱き付く。頭をグリグリと擦り付ければ擽ったいよと笑ってる。ため息をつけばまだ始めたばかりでしょと慰めてくれた。

  そうだよね。まだまだ頑張らないとね!気合いを入れ直した。

 




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