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隣国で頑張ります(2)

 

  新しく住む場所を探すがなかなかいい場所が見付からない。雨が降ったとき疾風が濡れないように洞窟があればいいんだけど。大きな小屋を作ることも考えたがそれじゃあ疾風には窮屈だと思い諦めた。

  しかし隣国は魔獣が多いと聞いていたがあまり出会わない。不思議に思っていると疾風と悠翔が居るからだと言われた。つまりドラゴンと精霊王はそれだけ強く恐れられているという訳だ。

(悠翔はともかく疾風なんてこんなに可愛いのにね)


  疾風の傍に寄りニコッと笑う。どうしたのと聞かれたので疾風は可愛いよと言うと ティアも可愛いねと返してくれた。

(うん!やっぱり疾風は可愛い)


  毎度のことに見慣れた暁が終わったなら行くぞと声を掛けてくる。疾風と二人みんなの下へ急いだ。

 

  いい場所が見付からなかったので今日はこの辺りで野宿することに。急いで探す必要もないしあまり町から離れすぎると買い物に行くのも大変だから遠くまで探しにはいかない。明日は探す方向を横にではなく奥に変えることにした。

  疾風に凭れボーっとしているといつの間にか眠ってしまった。疾風が体を動かし寝やすい体勢に変えてくれる。みんなも思い思いに過ごす。まだ小屋は建てられていないが無事移動が終わったことにみんな一安心したようだ。


  目を覚ましたティアはさっき買ったばかりの飯盒を取り出し これでお米を炊くんだよと疾風に見せる。お米を研いで水に浸し 暫く置いておく。この世界に来て初めてのお米はどんな味だろうか。晩ご飯が楽しみだ。

  おかずはステーキにでもしようか。ステーキ四枚分と小さな精霊達用に小さなサイコロ状に切る。切った肉を一旦しまい付け合わせの野菜を用意する。と言ってもある野菜は人参、大根、キノコ、じゃが芋、さつま芋、レタス位だろうか。因みにさつま芋、じゃが芋は堀り当てた。全然思い付かないのでレタスをちぎり粉ふきいもを作った。ご飯もそろそろ炊けてきたのでお肉を焼く。今日のスープはキノコにした。味付けはもちろん塩しかないので出汁のよく出るお肉を少し入れておいた。他の調味料も買おうとは思うけどあまり安くないので躊躇してしまう。炊き上がったご飯を火から下ろし十分蒸らしている間におかず、スープを器に盛って並べる。十分待って蓋を開けると久し振りに炊き立てのご飯の匂いを嗅いだ。いい匂い。ご飯をよそい、おにぎりを一つ作り席につく。


「「いただきます」」


  久し振りのご米は美味しかった。おにぎりを疾風に差し出し食べてもらう。疾風にとっては初めてなので不安だったが 美味しいねとおにぎりを全部食べてくれた。精霊達や瑠璃も食べてくれた。暁はどうやら前に食べたことがあるようで問題なさそうだ。そういえばアンニー・テンプスにお米があるって教えてくれたのも暁だった。今夜は久し振りに全員で食べるご飯になった。

  懐かしいものを食べているとなんだか昔のことを思い出してしまった。朝は毎日三人でご飯を食べ、夜はお父さんの仕事の都合もあり毎日とは言えないけど休みの日にはみんな揃ってご飯を食べた。遠い昔の記憶だった。

  そういえば今世も毎日みんなでご飯を食べていた。朝は忙しくて大変だっただろうけどみんなで食べた。晩はお店を閉めてから食べていた。みんな元気でやってるかな。毎日仕事で疲れてないかな。少しぼんやりしてたら疾風に呼ばれる。ちょっと考えごとしていたと答えご飯を食べた。

 

  そういえばやりたいことがあったのを思い出した。町に出てバイトを探したいから誰か一人付いてきてほしいとお願いすると暁に反対された。どうしてもお金を貯めたいのとお願いしても許してくれない。しかたないので最後には嘘泣きしてやっと認めてくれた。そのかわり必ず誰かを連れていくようにと約束をさせられた。頑張って稼がないとね。疾風がお金を貯めてなにするのと聞いてきたので後でのお楽しみと言っておいた。えへへと笑うと疾風も笑ってくれた。喜んでくれるといいんだけどな。



  次の日朝から新しく住む場所を探す。昨日歩いて来た方に進み森の奥へと進んでいく。みんなで探すより手分けして探した方が効率がいいということになって三人一組に別れることに。いい場所が見付かっても見付からなくても太陽が山の天辺にかかる頃には帰ってくるように言われ わたしは疾風と行くことになった。

  やっぱり洞窟はあった方がいいのかと聞くとそうだねと。洞窟でなくてもいいから体を隠せる場所があった方がいいのだそうだ。体を隠すか。何としてでもあの魔道具を早く手に入れないと。そのためにはさっさといい場所見付けてバイトも見付けないと。

  よし!とティア気合いをいれて探し始めた。急にやる気になったティアを見ながら疾風は不思議に思いながらも微笑ましそうに見つめていた。

 




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