新天地で頑張ります(12)
「かみなりにきばってかいて雷牙はどう?」
「ライガ。うん。悪くないね」
「よし!じゃあ雷牙わたしとけいやくしてください」
「うん!宜しくね」
後で何故屋敷に結界をはって攻撃していたのか聞いたら、ゆっくりしてるのにずかずかと勝手に入ってくるし煩かった。雷魔法だけじゃ何回もしつこく来るから入らないように結界をはることにしたと言われた。
屋敷に勝手に入ってたのは自分だろうと思ったが突っ込まずにおいた。
雷牙は上位精霊というだけあってか他の子達より強かった。なので特訓相手をしてもらうようになった。雷属性だから基本は雷に関することだけど防御や結界は使えるそうだ。何かあった時使えると便利だと思い必死で教えてもらった。元々防御を使うことはできていたが強度を上げておきたかったのだ。
人に見付かる訳にいかないので攻撃魔法は魔獣狩りの時くらいにしか使わなかった。使うのはなるべく見付かりにくいようにと風と木を使った。実際に見付かりにくいかどうかは分からないけど。
あと雷牙が、突然人が現れたりしないから安心でしょうと言って小屋の周りに結界をはってくれた。確かに疾風や瑠璃が見付かったらどんな目に遭わされるか分からないもんね。特に疾風には窮屈な生活をさせているから少しでも気が楽になってくれればいいんだけど。
そろそろ家を出て一ヶ月程になるだろうか。暁にちょこちょこと甘えてるけれど にぃにみたいに思い切り甘やかしてほしくなる時がある。暁にはまだ照れがあって無理そうなので疾風のところに行くと優しく話し掛けてきてくれた。
『どうしたの』
疾風と呼んだだけでどうしたいのかを理解してくれたのか おいでと言って翼で抱き締めてくれた。
『ふふ、ティアは甘えん坊だね。まあそこも可愛いんだけどね。毎日頑張って疲れたでしょう。僕が傍に居てるから安心して休んでいいんだよ』
優しい言葉をかけてくれながら頭を擦りあわせてくる。全身でわたしを守って安心させてくれる。そうすることが当たり前のように大切にしてくれる。そんな疾風に抱き締められながらまた頑張ろうとやる気をもらう。だからもう少しこのまま甘やかしていてほしい。ギュウっとしていてほしい。やる気がいっぱいになるまで。
小さな声で疾風と言うとまるで言いたいことは分かっているとでも言うかのようにうんとだけ答えた。
そのまま二人で眠ってしまったらしく目が覚めたら辺りが薄暗くなっていた。寝過ぎたなと思い起き上がったが其処は何時もの森の中ではなく全く知らない場所だった。薄暗くなっていたのではなく木の生い茂った場所に居たのだ。何故こんなことになっているのか訳が分からず途方に暮れた。
(どういうこと!)
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