新天地で頑張ります(9)
昼は目立つから夜に空を飛ばしてあげるとか。緑色にすれば昼にでも飛べ・・ないよね。
『ティア、気にしなくていいんだよ』
「え?」
『顔に書いてある。僕は大丈夫だから』
「でも」
『ティア、おいで』
片翼を上げてその中にわたしを抱き込んだ。首を曲げわたしの頭に疾風の頭を擦りつける。わたしを甘やかしてくれるように。だからわたしはそのまま疾風にすがり付き思い切り甘えた。何かいい方法が何時か見付かるといいんだけど。
一週間が過ぎ約束の日になったので町に向かった。今回は琥珀と十夜、ソルとステラを連れてきた。店に着いて先ず魔獣の素材の買い取りをしてもらう。自分達のご飯に必要になるのでそれなりの数を狩らなくてはいけない。まさかこんなに狩りをすることになるとは思っていなかった。
買い取りは終わったが、相手がまだ着いていないらしく暫く待つことになったので魔道具を見ることにした。
この間見たの以外で何かいいものないかな?
「お嬢ちゃん、この前見たのが気になるのかい?指輪以外にも腕輪もあるよ。ゆっくり見ていきな」
「ありがとう」
腕輪かぁ。やっぱり可愛いのがいいよね。後魔力が付与できるって言うのはかなり引かれるし。あんまり高くないのがいいんだけど。
「おい、なにぶつぶつ言ってんだ。来たぞ」
挨拶をすると商家の主人ではなく息子さんだった。三十代後半位だろうか。息子さんが乗ってきた馬車に乗り場所移動をする。移動中、説明を聞いてる間に問題の屋敷に着いた。思っていたよりも立派で建物自体は綺麗だが、誰も立ち入れないからか草がぼうぼうに生えていた。案内できるのはここまでだと言われたので了承し、何が起こるか分からないから離れた場所に居てほしいとお願いした。
馬車が離れていくのを見送って門を潜り中に入る。この辺りは何の問題もないようだ。と言うか扉の前までは何事もなく進めた。いよいよ扉に手をかけようかという時それ以上先に進めないことが分かった。
「これがけっかいってことかな?」
「だろうな」
「じゃあまずあいさつでもしてみようか」
暁が何言ってるんだというような顔でこっちを見ているが気にせず扉の前に立ち結界をコンコンコンと叩いた。
「こんにちは。だれかいますか?おじゃましてもよろしいでしょうか」
すると扉がひとりでに開いた。これはびっくり。開くとは思わなかった。だが折角開いたんだし入らせてもらおうとしたが結界は消えていなかった。
(おい!)
これは自分で壊して入るべきかそれとも頼んでみるべきか。
扉はお願いしたら開けてくれたので結界も頼んでみるべきかと思いもう一度お願いする。
「よければけっかいもといてもらえないでしょうか」
すると先程と同じように結界も消してくれた。
(よっしゃ!)
横で呆けた顔をしている暁に声をかけるて中に入ろうとするとバリッと電気が走った。慌てて後ろに下がったので何事もなかったが今度はどうしよう。何かある度にいちいちお願いしないといけないのだろうか。大体何が居るのかも分からないしどんな攻撃がくるかも分からない。
「どうしようか」
「願いを聞いてくれるなら攻撃しないでって言ってみれば」
「そっか。それいいね」
暁は半分冗談のつもりで言ったみたいだが、物は試しとお願いしてみた。
「よければこうげきしないで あなたのところに行かせてください」
試しに一歩入ってみるが今度は何も起こらない。暁が前に立ち先に進んだ。何が起こるか分からないのでゆっくりと。しかし予想に反して何も起こらない。お願いは聞いてくれると言うことだろうか。なら後の問題は何処に居るかということだが、これは一つずつ部屋を観ていくしかなさそうだ。
(お願いを聞いてくれるなら出ていって欲しいとお願いすれば出ていってくれるんじゃないの?)
ふと思ったが折角此処まで来たんだから黙っておくことにしよう。
暁がドアを開け中に入り何か居ないかみんなで探す。一つ一つの部屋が大きく物が沢山置いてあるので探すのに時間がかかる。この壷一つ一体幾らするんだろう。壊さないように扱うのも怖い。なかなか見付からず一階の一番奥の部屋のドアを開けると椅子に座った人が居た。取り敢えず挨拶をする。
「はじめまして。あなたがとびらをあけてくれた人ですか?」
「うんそうだけど。君達は誰」
「ティアっていいます。このいえの人の代わりにあなたに会いにきました」
この家の持ち主が入ることができなくて困っている。何故入ることができないのかも分からないし途方に暮れている。何か問題があるならその問題を是非解決して欲しい。そう頼まれてこの家に来たことを告げた。
その上でわたしはその人に聞いた。
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