新天地で頑張ります(3)
「なんだ。精霊集めでもするのか?」
休んでいた暁が呆れたように聞いてきた。
「そういうわけじゃないけど もうちょっとであつめきれそうならあつめてみたくならない?」
「さあ、そんなこと気にしたことなかった」
何となく寂しそうに答えた暁をじっと見つめた。
何だか悪いことを言ってしまった気がして暁に近付き脚にギュッと抱き付いた。
「おい!なんだ?どうした?!」
「ごめんね。何かふあんになったから」
「変な奴だな」
暁は頭をポンポンとしてくれた。
(にぃにみたい)
嬉しくなって更にギュウっと力を込めた。暁はそんなわたしを暫く甘やかしてくれた。
「さて、雨も止みそうにないし今日は此処で夜を越すか」
『そうね。足下も悪いし暗くなると動きづらいものね』
「ああ、決まりだな」
ん?その時ふと違和感に気付いた。
「暁、今胡桃とはなしてなかった?」
「ん?そう言われればそうだな」
「なんで?」
『一緒に居るのに話せないのも不便だし、それに暁のことは気に入ってるの』
「へー、そうなんだ。みんながほかの人はなしてるのはじめてみたよ」
『ティアが知らないだけでリオン達ともよく話してたぜ』
『変わったことはなかったかとか今日は何してたとか毎日のように聞いてきてたよ』
「パパンたちが・・・。そうなんだ。ありがとう」
しんみりとしそうになったので話を振った。
「きょ、暁のせいれいはまだはなしてくれそうにないよね」
「元々そんなに喋らないしな。まあ気長に待ってればそのうち話してくんだろ」
「うん!ねえ暁さっきのしゅうのうと色がえのやり方おしえて」
「どっちも難しくないから直ぐ覚えられるだろ」
暁に言われた通り割と直ぐ覚えることができた。ただ色変えを疾風の体にもかけたがまだらになったり一部分だけ色が変わるなど上手くいかなかった。
なかなか上手くできないのを見兼ねたのかさっき出会ったばかりの無属性の精霊が手助けしてくれた。
「ありがとう」
お礼を言うと照れながらコクリと頷いた。
(可愛い)
試しに今度は一人でやってみると上手くできた。
「要領を覚えたからもう大丈夫だろう」
成る程。要点をしっかり掴めってことね。簡単そうだけど難しいこと言われてるよね。やっぱり何事も練習あるのみだな。
「ねえ、疾風は何色になってみたい?」
『うん?ティアは何色がいいと思う。』
「うーん。くろなんてかっこいいんじゃないかな?」
『黒かぁ。うん悪くないね』
「きまりだね。じゃあわたしの目もくろにしよう」
「『ふふふ、おそろいだね』」
「お前達は本当に仲が良いよな」
「『でしょう』」
暁が私と疾風のことを言ってきたので二人揃って返事した。もっとも暁には疾風が何言ってるか分からないけど。
「お前達見てると羨ましいよ。俺にはそんな奴居ないから」
「わたしたちはね 疾風もせいれいたちもみんな友だちでなかまでかぞくなの。そしてこれからは暁も友だちでなかまでかぞくだよ」
「俺が家族・・・」
「そうだよ。暁がパパでわたしがママ、みんなは子どもだよ」
「えっ?俺兄貴じゃなく父親なのかよ!」
「うん!みんなのこと大切にしてね、パパ」
『『『大切にしてね、パパ』』』
湿っぽくなりそうな雰囲気から楽しい雰囲気になった。きっと暁も気が付いて合わせてくれたのだろう。
そのままみんなで楽しく話しているとさっき助けた狼達が近付いてきた。なんだかモジモジしてる。
『みんな一緒に連れていってもらいたい』
「うん!もちろんいいよ。っておおかみさんとはなしできてるよね?」
直ぐに話せたことを不思議に思ってると暁が教えてくれた。
「精霊と魔獣じゃ本質が違う。だから力のある魔獣なら話せるんだろ」
「ふーん。よくわかんないけどまあいいか。ところでみんなは名まえ何ていうの?」
『名前はまだない』
「そっか。よんでほしい名まえとかある?」
『よくわかんない』
「じゃあかってに決めてもいいかな?」
『うん!』
「すぐには決められないからちょっとかんがえさせてね」
そう答えたら暁に苦笑された。もしかして何か変なこと言ったのかな?
「お前一体どれだけの奴と契約するんだよ」
「けいやく?けいやくするって何?」
「え?名前付けて契約するんだろ?」
「え?名まえつけたらけいやくになるの?」
「えっ?お前ドラゴン達に名前付けて契約してるだろ」
「え?そんなのしてないよ」
「はっ?」
「「・・・・・・・・」」
このままだと話が進みそうにないので落ち着いてもう一度話してみる。
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