新天地で頑張ります(1)
パパンやママン達と別れ暫く身を隠すことにした。疾風や精霊達はもちろん 暁も一緒にだ。一先ず森の中を歩いているが行き先が決まっていないのでどうしようかと相談中だ。
「ねえ、キャンプせいかつしてみたい」
「キャンプ?」
「サバイバルせいかつみたいなの」
「だからサバイバルなんてそんな簡単なもんじゃねぇ」
「だからみたいなのだって。どのみちこの目のせいでみんなのまえには出ていけないんだし」
「あー、まあそうだけど」
「まほうで目のいろかえられたらいいのに」
「あ?それくらいならできるぞ」
「え?!」
暁によると魔法で色を変えることはできる。ただ完全に変える訳じゃなく魔法が解けると元の色に戻るそうだ。だったら逃げずに魔法で目の色変えて知らん顔して過ごしてれば良かったんじゃないのかと言うとその発想はなかったわと言われた。
今迄に隠そうと思ったことがないのか聞くと周りには産まれた頃に既に知られていたからそんなこと考えたことがなかったと。確かに既にバレてるのに隠しても意味ないよね。
「今まではそうでもこれからはかくさないとね。そのまほうのやり方おしえてね」
「ああ、直ぐに覚えられるだろ」
「やくそくね!ってそれよりもこれからのことかんがえないと。どこかに山ごやとかないかな?」
「山小屋?自分で作ればいいんじゃないか」
どうやってと聞いたら魔法で何とかできるだろうと。本当かな?じゃあ試しに場所を決めて建ててみようということになったので何処に建てるか悩んでいると取り敢えずこの森を越えて隣の国に入ってから建てることに決まり先を急ぐことにした。
今のところ魔獣に会ったりしてないけどこのまま会わずに森から出られるかな?何れくらい歩き続けたら到着するんだろう。いくら歩き続けても森は終わらない。
「ねえ、おなかすいたよ」
「ああ、お前の母ちゃんが持たせてくれた弁当食うか」
ん?暁手ぶらだけどと思ったら何もないところからお弁当を出してきた。
「えっ!!今どこから出した!?」
「ああ、異空間収納だ」
「なにそれ!おしえて!」
興奮状態で聞くと暁は少し引いていた。
これは是非とも使えるようになりたい。やっぱり収納は必要だよね。二着程だけどママンが持たせてくれた着替えを鞄に入れて持ち歩くのはやっぱり荷物になっちゃうし、手ぶらになれるならその方がいい。これからは一つ所にとどまって生活できるかも分からないんだから。
「おい、食べないのか」
「たべるよ!疾風はまだおなかすいてない?」
『うん、大丈夫。朝からあんまりお腹空かないんだよね』
「え?」
お腹が空かないとはどこか悪いのだろうか?!昨日から振り回してるし疲れたんだろうか?
『ああ、どこか悪いって訳じゃないよ。ただお腹がすかないだけ』
「暁、疾風が朝からおなかすかないみたいなんだけどなにかわかる?」
「いや、俺ドラゴンに詳しい訳じゃないし。本人が大丈夫なら暫く様子見ていいんじゃないか」
「そうかな?じゃあどこかおかしいところがあったらすぐにいってね、疾風」
『うん、分かった』
特に問題ないようなので暁の言う通り様子を見ることにした。何ともなければいいんだけど。
それからご飯を食べてちょっとひと休み。そしてこれから生活していくなかで一番の切実な問題を暁に相談した。
「あのねお金どうやってかせげばいいとおもう」
「え?!」
「・・・・・・・・」
「・・・・そうだな。それも考えないとな。・・・・魔獣を狩って皮や素材を売るとかどうだ?」
「そうだね。まほうのとっくんにもなるしお金になるならいいかも」
魔獣を狩って何処に売りに行くか、残った肉はどうするのか、他にどんなお金の稼ぎ方があるか色々話し合った。まあお互いに知識があまりなく殆んど人との付き合いがなかったので大した案は出なかった。こんなので大丈夫なのか。
暗くなる前に先を急ごうと言われ歩き出して暫くするとバキバキっと木の折れる音が聞こえてきた。音の聞こえてきた方へ視線をやると熊の様な魔獣が居た。
「あっ!」
魔獣だと口にする前に熊の様な魔獣は頭と体か切り離されていた。何が起こったのか理解できず固まってしまった。
「これでおかず確保だな」
(暁、お前か!!いきなりやられるとびっくりするんだけど。でも流石、里で一、二番って言ってただけのことはある。かなり強いんだろうな。疾風も居るしこれから先何が出てきても何とかなりそうだな。うん、うん)
「おい、解体するぞ」
「いきなりできないから今日は見てる」
やったことがなくてやり方も分からないし、何よりも抵抗があったのでここは暁に任せた。
熊肉は前世でも食べたことがないけど美味しいのだろうか?しかもこれ魔獣だし。・・今日の晩ご飯ちょっと心配だ。
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