異世界で頑張ります(16)
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ティアと暁が魔族と戦っていた頃、王宮で第二王子の体に異変が起こった。
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朝の執務を終え休憩していると、王妃からお茶の誘いを受けたので、庭に出向いた。
「お仕事お疲れ様。お天気もいいことだしちょっと付き合ってちょうだい」
「母上、お誘いありがとうございます。父上も兄上もお揃いだったのですね」
「ああ、わたし達も王妃に誘われてな」
そうしてお茶を飲みながら取り留めもない話をしていた時だった。突然第二王子の心臓が “ドクンッ!”と痛いほどに脈打ったのだ。
「ぐっっ!」
急に呻いたかと思うと胸を押さえ蹲った。
「レオン、どうしたの!」
「大丈夫か!」
みんなは慌ててレオンに駆け寄った。レオンの魔力量が多すぎて今迄に自分で抑えきれないことが何度かあったのだ。
しかしそれは直ぐに治まったようで乱れた呼吸を整え、みんなに騒がせたことを謝った。
「すみません。もう大丈夫です。何故か胸が一瞬痛くなっしまって。でも、もう落ち着きました」
「そうか、ならいいが」
「医者は呼ばなくていいのか?」
「はい、平気です。申し訳ありませんが用を思い出したのでこれで失礼します」
「あら、残念ね」
「すみません。是非また次の機会に」
そう笑顔で答え足早にその場を去った。その後ろには宰相の息子で幼馴染みのセドリックと同じく幼馴染みで護衛騎士のエドワードが付き従っていた。
「体は大丈夫なのですか、レオン」
「苦しんでたみたいだが?」
「ああ、問題ない。それよりも凛だ。あれはきっと凛が力を使ったんだろう」
三人は速度を緩めることなく執務室へと入っていった。
執務室でレオンが応接用のソファーに座りその向かいの席にセドリックとエドワードが座った。
セドリックが質問を投げかけた。
「それでリンとは?」
「前にも言ったことがあると思うが異世界から連れてきた娘だよ」
「ああ!居場所が分かったのか!」
「いや、何処に居るか分からないが間違いなく存在しているはずだよ。捜してほしい」
「はあ?何処に居るかわからないのにどうやって」
「今日、魔力が使われたと感じられた場所を探しだしてくれ」
「それは直ぐには見付けられないかと・・」
「かまわない。今迄どうやっても見付からなかったんだ。少しでも手掛かりが掴めるなら」
「分かりました。直ぐに調べます」
「ああ。頼んだよ」
「ところでリンにはお前のこと言ってあるのか」
「何も言ってない」
「「どうして?!」」
二人は疑問に思いながらも幼馴染みの願いを叶えるため執務室を後にし捜索に取り掛かった。
一人きりになった部屋でレオンはぼんやり空を眺めながら思った。
(僅かだかやっと手掛かりが掴めそうだ。まさか凛を見付けるのにこんなに長く掛かるとは思わなかった。しかしこんな衝撃を受けるような強い魔力を使うとは何か起こったのか?何事もなければいいけど)
それから五日後、セドリック達が場所を特定する前にインディクム領主によってその情報はもたらされた。
地揺れがあった後森の一部が荒らされたのを見付けた。一人の少年がそこで起こったことを少しばかり知っているようだ。こちらとしては何があったのか調べてほしいとのことだった。
そこで捜査隊を立ち上げてその場所に行くことになったのだが、僕も行くとレオンが言い出した。
「今回は場所の確認と状態を見に行くだけだから 大人しく此処に居ろ」
「まだ捜し人が居るか分からないですし」
エドワードとセドリックが二人してレオンを止めたが是としてそれを譲らなかった。仕方なく二人ともレオンについて行くことにした。
出発前夜、三人は集まっていた。
「仮にリンが見付かったとしてどうするんだ?」
「どうするとは?」
「無理矢理連れてくるのか」
「ああ、特に考えてなかった。見付けるとこしか頭になかったよ」
「そうか」
「見付かるといいですね」
「ああ、そうだね」
魔力の暴走のことでレオンの体への負担の心配もあり早く見付かってほしいとエドワードとセドリックは願った。
次の日の朝早くから出発し、四日後の昼過ぎ問題のあった村に辿り着いた。捜査隊一行は先ず村長の家に向かい話を聞き荒らされた場所を観に行った。
「なかなか酷いですね」
「この一部分だけが木が切り倒されてる」
「この場所で争ったのか」
「ところで此処であったことを見たと言う少年は何処ですか?」
「はい、案内します」
一行は数班に別れ調査する事にした。レオン、エドワード、セドリックの三人は少年の家に向かった。
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