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異世界で頑張ります(15)

ブクマ、ポイントありがとうございます。

 

「わたしはにぃにをみるから疾風は暁をおねがい」


  にぃにの下へ駆け寄り頬っぺたを叩きながら治癒魔法をかけた。


「にぃにおねがい。目をあけて。にぃに。ねえ」


  力を奪われて動けなくなっていた暁が疾風に回復してもらったようで此方に近付いてきた。


「兄ちゃんの様子はどうだ?」


「うん。たぶん大じょうぶだとおもうけど」


「そうか。取り敢えず誰か来たら困るから場所移動しよう」


「えっ?」


「こんな酷くなった所見られても上手く誤魔化せないし、何より俺とお前の目を見られるわけにいかないだろ」


「そっか。そうだね。じゃあ疾風のどうくつに行こう」


  疾風ににぃにを背負ってもらい人に見付からないようにできるだけ早くわたし達は移動した。そして精霊達に入り口で誰か知らない人が来ないか見張ってくれるようにお願いし洞窟の中に入った。

  にぃにはまだ目を覚まさないようなので普段疾風が使っている藁の上に寝かせた。これからどうすればいいんだろう。あの魔族は一体何しに来たんだろう。不安と困惑しかなかった。


「あのまぞく何がしたかったんだろう」


「依頼に失敗した俺を狙ってきたんだろ」


「そうかな?だったら暁いがいにもにげたかもしれない人たちぜんいんさがしてるの?それに暁いきてるし」


「あー、まあそうだけど。だったら何でここに?」


「わかんない・・」


  考えても分かるわけがない。初めて見た相手にいきなり襲われるなんて。しかも魔族。


「ティ・・ア」


  呼ばれて体がビクッと震えた。


「にぃに・・」


「さっきのは一体」


「魔族だ。いきなり襲ってきやがった」


  わたしの代わりに暁が答えてくれた。


「多分俺を追ってきたんだ。結局迷惑かけてしまった。すまない」


「ああ、追われてるかもしれないと言ってた相手かな」


「いや、予想とは違う奴だったけど」


「違う奴?だったら君のせいじゃないんじゃ」


「けど、迷惑かけたことに変わりない。本当にすまない」


  にぃには暁が悪い訳じゃないと言ったが暁は謝り続けた。

  其処にねぇねが慌ててやって来た。


「よかった!此処に居たのね。大変なことなってるわよ!」


  ねぇねによると広場にしていた場所が目茶苦茶で一体何があったのかと騒ぎになっている。しかもあの場所から逃げる所を村の人に見られていた。顔は見えなかったらしいがドラゴンが居たことはばれてしまった。


(どうしよう。今迄疾風のことは見付からずにいたのにもし見付け出されたらどうなるんだろう。此処で逃がしてあげた方がいいのかもしれない。寂しいけど捕まってひどい扱いされるよりはその方がいいよね。暁ももう此処には居られないだろうし直ぐに出ていっちゃうんだろうな。でもわたしも見付かってるしこのまま此処には居られないのかな?じゃあどうすればいいんだろう。此処に居たらみんなの迷惑になるよね)

 

  一人で考え込んで泣きそうになっているわたしに疾風が優しく話し掛けてきた。


『ティア』


「疾風 どうしよう。このままここにいていいのかな?みんなにめいわくかけちゃうのかな」


『じゃあ僕と一緒に何処か遠い所に逃げようか』


「本当に?本当にいっしょににげてくれるの?めいわくじゃないの?」


『どうして?僕がティアのこと迷惑に思うわけないでしょ』


「疾風。うん、いっしょに行く。つれてって」


「おい、何処に行こうってんだ」


  いきなり暁に声をかけられ驚いた。


「さっきから何話してんだ」


「ここにはもういられないからはやてと二人でにげようとおもって」


「あほか!子供とドラゴンでどうやって生きてくつもりだ」


「サバイバルせいかつしながら」


「・・・サバイバルなんて簡単じゃないぞ」


「そんなこといったってほかにおもいつかないんだもん!」


「「ティア」」


  半泣き状態のわたしをにぃにとねぇねが呼んだ。


「おいで」


  にぃにはとても優しい声で言ってくれた。だがわたしは先程の魔族との争いににぃにを巻き込んでしまったことの後悔から素直に近寄ることができず、暁の服の裾を握り締めてその場に立ち尽くした。


「にぃに、ごめんなさい。ごめんなさい」


「どうしてティアが謝るの?何も悪いことしてないのに」


  にぃには立ち上がると自分からわたしの方に歩いて来てギュウっとわたしを抱き締めてくれた。わたしはポロポロと泣き出し止まらなくなってしまった。


「大丈夫。もう大丈夫だよ」


「にぃに、にぃに~。うわぁぁーん」


  にぃには泣き止まないわたしの背中を擦りながらあやし続けてくれた。何時もと同じ優しいにぃにで。

  漸くして落ち着いた頃 暁はそろそろ出ていくと言った。


「見付かったら困るしもう行くな」


「そうだね。村の人がさがしてるかもしれないもんね。じゃあわたしたちもそろそろいこうか。疾風」


「お前、本当にそいつと出ていく気かよ」


「さっきからそういってるじゃない」


「正気かよ」


「ティア、どうして出ていくつもりなの?」


  暁と言い合いしてるとにぃにが聞いてきた。



お読み頂きありがとうございました。

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