異世界で頑張ります(12) ~アクア目線<1>~
五年前二人目の妹が産まれた。一回り違う妹だ。初めてその子の目を見たとき僕は愕然とした。
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「お疲れ、アクア。そろそろ戻ろうか」
店の片付けが終わった父さんが言った。
「お疲れ、父さん」
本当に疲れた。母さんがティアを生んだばかりで店に出てこれないから父さんと二人で店を遣り繰りしないといけない。一人居ないだけでかなり大変だ。父さんは疲れた筈なのにティアに会えると足取り軽く戻っていった。
キッチンに行くとマリンが母さんを手伝ってご飯の用意をしてくれていた。父さんはティアの方に行ったので僕も付いていった。静かなので寝てるのかと思ったら目がパッチリと開いていた。
“えっ?!!”
僕は驚きで動けなく声も出せなかったのに、父さんはそんなこと気にする素振りもなく話し掛けていた。
「ティア、ただいま。会いたかったよ。いい子にしてたか?」
「うわぁ。だぁ」
「可愛いな~。ティア」
そう言いながら抱っこをしてティアと遊んでいた。僕の反応を見ていただろに父さんは何も言ってこなかった。
夜寝る前マリンの部屋に来ていた。どうしても聞いておきたいことがあったから。
「マリンはティアの目のこと知ってるの?」
「うん。今日の夕方に見た」
「そのことについて母さんは何か言ってた?」
「ううん。何も・・。お兄ちゃんは何か聞いたの?」
「何も。さっき初めて気付いたよ」
「・・・・お兄ちゃんはどう思う?」
「正直分からない」
「・・パパ達はどうして教えてくれなかったのかしら?」
「・・・そうだね。僕達から聞いてもいいのかな?」
「・・・・・・・・・」
「・・・話してくれないなら此方から聞くしかないか。父さんと話してみるよ。マリンはどうする?」
「一緒に行く」
マリンと二人で父さん達の部屋に向かった。
「父さん、今いい?」
「ああ、入っておいで。二人揃ってどうした?」
「その・・ティアの目の事なんだけど」
「ああ、綺麗な色してるだろう。・・・父さんも母さんも昨日見たときは驚いたよ」
「魔族と同じ色なんだよね」
その時マリンが僕の手をギュウっと力を込めて握ってきたので、僕もその手を握り返した。
「そうだね。だけど人には絶対居ないという訳でもないんだよ。まあ、王家の極一部だけど紫の目で産まれてくる人も居る」
「そ、うなんだ」
「そうだよ。心配しなくてもこの子は魔族とは関係ないよ。でも例えそうであっても他の人がどう感じるか分からないし 苛められたりしないとは限らないから外でティアの目のことは言ってはいけないよ」
「うん。わか、った」
「さあ、明日もまた早く起きないといけないからもう寝なさい」
「うん。おやすみ」
「おやすみなさい」
マリンと二人おやすみと言ってそれぞれの部屋へ戻った。
父さんと母さんはちゃんと受け入れられてるんだな。滅多にあることじゃないけど人にも出るみたいだしそこまで気にする必要はないのかな。僕だって決してティアが嫌いな訳じゃない。ただどうすればいいか分からないだけだ。いろいろ考えていたが疲れも手伝っていつの間にか眠ってしまっていた。
次の日起きてキッチンに行くと父さんも母さんもティアも居た。僕はティアを抱いて椅子に座っている父さんの前に立ちティアを見下ろした。
するとティアは僕の方を見て片手を伸ばしてきた。僕が手を伸ばすとまるで抱っことでも言うようにもう片方の手も伸ばしてきた。父さんからティアを受け取ると 僕の服の胸元をギューっと掴んでアウッと笑った様に見えた。
僕は一体何を気にしていたのか。目の色が紫なだけで僕の妹に代わりないのに。そう思うと涙が出てきてティアをギュウっと抱き締めていた。
ティアが生まれて一ヶ月経つかどうかと言う時、精霊達がティアの下にやって来た。これは紫の目と何か関係があるのかな?母さんに精霊が来たとは聞いていたが流石に六人も居るとは思わなかった。そのこともあってかどうかマリンが学校を卒業したら村に引っ越ししようと考えていると言われた。確かにティアを見付からないようにするならその方がいいだろうと僕もマリンも賛成した。
二ヶ月、三ヶ月と過ぎ思ったことだがティアは赤ん坊の割に殆ど泣かない。赤ん坊ってもっと泣くもんじゃないんだろうか?
後、此方の言ってることを理解してるんじゃないかと思うことがある。タイミングよく笑ったり返事したりしている様に聞こえるのだ。もちろんそんなとこあるはずないんだろうけど・・・。




