異世界で頑張ります(11)
それは精霊だった。一人は赤い髪の火属性の子。もう一人は灰色?いや、銀髪の子?銀髪って何属性?初めて見た。
「お兄さん、その子たちは二人ともせいれいですよね。ぎんぱつの子なんているんですね」
「ああ、初めて見たか?かなり珍しいらしいけどな。無属性の精霊だ」
「むぞくせい!そんなのあるんですね」
「無属性の魔法自体知らなかったのか?」
「はい、ここにいる子たちのぞくせいしかしりませんでした」
「そうか。無属性は他の属性みたいに縛りがないから使えると便利だそ」
「しばり?」
「例えば火属性だと火に関する事だろ。無だとそれがない」
「なるほど。それってせいれいがいなくてもできるんですか?」
「ん?精霊は補助してくれてるだけだから居なくても自分に性質があればできるんじゃないか?」
(そうなんだ。それなら是非使えるようになりたい。瞬間移動とかできたりしないかな。そしたら逃げる時便利だし。後ご飯とか出せたり・・。そしたら食べたことないものを食べられるかも。後はどんなことがいいかな?やっぱり一度はお姫様になって素敵な王子様と出会うのもいいかも!もちろん王子様はにぃにみたいな人じゃないとね!それから・・)
「おい。どうかしたか?」
「えっ?! ああ、何でもありません。かんがえごとするとじぶんのせかいに入るとこがあって・・」
「そうか・・」
ちょっと怪しげな目で見られたがここは気にぜずスルーしておこう。うん、それがいい。
「ところでその子たち なんて名まえですか?」
「赤い髪がソルで銀髪がステラ」
「かわいい名まえですね。ソル、ステラよろしくね。この子たちともしゃべることができたらいいのに・・」
「ん?お前は精霊達と話せないのか?」
ん?どういう意味と思ってたら説明してくれた。
精霊と話したければ精霊に気に入ってもらえばいい。名を付けての契約もあるが 人間からではなく精霊から寄ってくる場合もある。この場合は精霊がその人間の魔力を気に入って寄ってくる訳だから相手から話し掛けてくるそうだ。
なるほど。確かに精霊から話し掛けても此方に伝わらなければ意味がない。どちらにしろ決めるのは精霊側なんだな。
今まで連れ添ってる人としか話さないのかと思ってた。パパンとにぃにが連れてる子達と話したことなかったから。そっか。
しかしいろいろ親切に教えてくれるお兄さんだ。お陰で勉強になる。
「お前は・・」
「ティアです」
「えっ?」
「わたしの名まえはティアっていいます。この子たちは炎、海、翠、胡桃、真珠、琥珀でこっちはドラゴンの疾風です」
「ああ、俺は・・・・・」
「お兄さんの名まえわたしにつけさせてくれませんか?今まで何人もつけてきたんでとくいなんですよ」
失礼な言い方かもと思ったがちょっとでも気が軽くなればと思って明るく言ってみた。
「そ、うだな・・・。取り敢えずどんなのか聞いてやるよ」
「ふふふ、まかせてください。(偉そうに言ったけど急には思い付かない。どうしよう・・・・。そうだ!)あかつきってかいてきょう!あなたの名まえは暁です。どうですか?」
「よくわからんが あかつきって何だ?」
「よあけっていみです。」
「夜明け。・・キョウか。変わった名前だがいいんじゃないか。後、敬語も使わなくていい」
「うん!」
変わった名前なのはこちらの名前に馴染みがないので思い付かず日本名になってしまうからなので許してもらいたい。
自己紹介も終わりお兄さんの名前も決まったところでどうしよう?
「これからどうしようか?暁さん?暁くん?はどうする?」
「キョウでいい。俺は追われてるかもしれないから・・」
「いらいしゃに?」
「いや、ターゲット側に。因みにここは何処だ?」
「ここはプルウィウス・アルクスおうこくのインディクムりょうだよ」
そう答えると暁は何やらブツブツと悩み始めた。これは暫くほっておこう。匿ってあげられればいいんだけど、生憎わたしにそんな力はないし。二人して悩んでると声が聞こえた。
「ティア。そろそろ帰る時間だよ」
大変だ!!!にぃにが迎えに来ちゃったよ!慌てて暁を疾風の後ろに押し込んだ丁度その時 にぃに木の影からひょっこり現れた。ギリギリセーフ?
「ティア。ハヤテの後ろに何か隠さなかった?」
にぃにのニコッと笑った顔 いつ見ても惚れてしまいそう。
「う、うん。何もかくしてないよ」
そう言うと何時もは優しいにぃにの後ろに黒いものが見えたような・・・。もしかして怒ってるの・・。でもここは大好きなにぃにに嘘ついても暁を守らないといけない。だから、でも・・。どうしよう。何て言っていいか分からず涙が出てきそうだ。
「うっ・・うえっ・・」
泣くのを堪えているとにぃにが抱っこしてくれた。
「ティア。怒ってるんじゃないよ。心配してるんだよ。分かるだろう?」
「ごめんなさぁぃ・・」
「で、何を隠したのかな?」
うっ!許してくれたんじゃないんだ!誤魔化せないかと思いニコッとしてみるも効果なく結局吐かされことになった。
「うんとね、けがをしてたからたすけたの」
「別に隠さなくてもいいのに」
「うん。でもね、その・・」
見れば分かるとはいえ本人が嫌なところをわたしが言ってしまってもいいものかと悩んで話せずにいると にぃには気付いたみたいだ。
「ああ、目の色を気にしてるのかな?大丈夫。にぃには気にしないよ」
あっさりとそう言われた。
にぃには暁に家に寄って行くように勧めていた。暁は追われてる可能性があるから迷惑をかけると言って断っていたが最後はにぃにに押し切られ行くことにしたようだ。
帰り際視線を感じて振り向いたらカラスがいた。なんだか白い目で見られてるような・・。
イケメン二人に囲まれてるからって舞い上がったりしてないからねぇぇ(多分・・・)。
お読み頂きありがとうございます。




