魔性の女教師
ガラッ
と突然ドアが開き、落ち込んでいた僕とリキッドはビクッとする。そこには霧真者先生が神妙な面持ちで仁王立ちしていた。
緊張が走る。僕は慌ててベッドから立ち上がり、先生は立ち上がった僕にゆっくりと歩み寄る。
「小林君。不適合者判定試験の結果を知らせます」
「はい」
心臓の高鳴りが全身に響いている。もし不合格なら僕は石場のように訓練用の噛ませ犬として殺されるのだろうか。ゆるキャラのリキッドもベッドの上で立ち尽くし、成り行きを見守っている。
「ごうかくで〜す! やったね小林く〜ん!」
「ほんとですか! やった! お、おわあっ!」
霧真者先生が両腕を広げ、僕にタックル気味に抱きついてきたため、そのまま後ろのベッドに押し倒されてしまう。
「せ、先生。大丈夫ですか?」
だが、先生は構わず僕にしっかりと抱きついたまま放そうとしない。
「センセー、普人くんが殺されちゃうんじゃないかって心配しちゃった。でもやっぱり私の目に狂いはなかったわね」
普段からやさしい口調の先生だが、今はなんだかちょっと違う。やさしいというよりも甘えた猫なで声といったほうが近い。
抱きついたまま胸をグイグイと押し付けてくる。必然、そのおおきなおっぱいの柔らかい弾力をこれでもかと思い知る。目の前の三つ編みにした黒髪からはイイ匂いが僕の鼻孔をくすぐる。
なんだこれは。どうなっている。こんな冴えない根暗の僕が、美人で巨乳の霧真者先生に迫られているのか。
「普人くんいっつも私のおっぱいチラチラみてたでしょ。ふふっ。そんなにセンセイのおっぱい興味ある?」
むぎゅっとおっぱいを僕の胸に押し当てながら、上目使いで先生が妖艶な笑みを向けてくる。
その感触に俺の獣欲がこころのなかで唸りをあげる。
「あ、いえ、そんなことは……ありますけど……」
先生のメガネ越しには顔を真っ赤にしてしどろもどろになっている生徒の顔が映っているにちがいない。
「普人くんがぁ、学園ランクでいちばんになったらコレ、触らせてあげてもいいわよ」
先生が耳元でささやきながらタプタプと僕の上でおっぱいを上下に揺らす。
学園ランクとは1年から3年までの全校生徒を実戦での強さのみで評価するものだ。今回の試験のような実戦形式の1対1の模擬戦の勝敗によって毎月順位が変動する。
先生のおっぱいは触りたいに決まってるが、ランク1位は途方もなく無理難題な話だ。だがこのおっぱいを簡単に諦めるのは惜しい気もする。
「いや〜、1位はキビしい……ですけど……いちおう……がんばってみます……」
「ホント? やくそくよ、普人くぅん」
少しすねたような表情で先生がむぎゅーと抱きついてくる。
うぉああぁ! さいこうです。先生のおっぱいサイコーです!
「あーそれからぁ」
先生が今度は僕の股間に膝をやさしく擦り付けてくる。マズい、そこはマズいです霧真者先生!
だが至福のときは終わりを迎える。
ぐにゅっ と急に先生の膝が股間をグリグリと強く圧迫してくる。
「ひあっ! しぇんしぇい、イタいっ、痛いです!」
「あたしが元ヤンだってことはだれにも言っちゃだめだゾ」
口元は笑っているが、目は恐ろしいほどに威圧感がある。憑依したときの節家先輩の目にそっくりだ。
「い、いいません! じぇったいだれにもいいましぇん!」
やっぱ元ヤンだったのね。
「よしよし、それでこそ私の普人くんよ」
すっかりドン引きしてしまった僕の、蛇が巻き付いた頭を先生がナデナデする。
用が済んだのか先生は僕を放し、ベッドから素早く起きる。
「あら、この子が小林くんの魔物ね」
いままで僕が悲鳴を上げる姿を眺めていたリキッドを霧真者先生が抱き上げる。
「きゅうぅ……」
恐怖に震えながらリキッドが先生の手の中でか細い声で鳴く。
「怖がらなくてもダイジョブよー。キミめちゃくちゃ強いんだねー」
子供をあやすように両腕で抱き上げ、胸に密着させる。さっきまでプルプル震えていたリキッドはすでに先生の胸の谷間に顔を埋め、だらけきった表情をしている。
「きゅううん」
さすがは俺の魔物。血は争えないということか。




