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細胞鳥?騒動日記  作者: 紫乃月 聖巴


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09. ピットリの日常4

 木曜日のこと。


 実験室の棚の最上段に白崎が使わない古い機材の箱が積んであった。高さは二メートル近い。


 気づいたら、ピットリがそこにいた。


「ピットリ!そんな高いところに!おりてきなさい!」白崎は下から叫びながら言った。

 ぴっぴっ。


 ピットリは飛んだ。そして飛び回り、また定位置に戻った。


「こっちにおいで~」

 ぴっ(イヤダ)。

「ピットリ、おーい?」

 ぴっぴっぴっ(ココタカイ、キモチイイ)。


 ピットリは棚の最上段から、研究室全体を見下ろしていた。完全に高いところが好きな鳥の顔をしていた。


 上条が実験室に入ってきて棚の上を見上げた。


「あ。ピットリ、また上にいますね」

「また?前にもですか?」

「昨日も同じ場所にいましたよ、どかそうとしたんですけど結局無理で諦めましたけどね」

「ピットリ、何度もここ来てたの?」白崎はピットリの方を向き言った。

 ぴっぴっぴっ(ココハボクノバショ)。

「ここ機材が入ってる箱だから、だめだぞ!」

「ピットリには、わからないのでは?」上条が首を傾げた。

 ぴっぴっ(ボクノバショ)。

「……降りてきてください、お願いします」

 ぴっ(ヤダ)。


「ピットリ……」


 白崎と上条は顔を見合わせた。


「ピットリ、どうするんですか?」上条はピットリと白崎を交互に見ながら言った。

「……ミルワームで釣るしかないですかね」白崎はポケットからミルワームが入っている容器を取り出した。

「白崎さん、結局毎回それですよね」上条は目を細めながら言った。

「それしかないんですよ!」


 白崎は容器からミルワームを取り出した。棚の下から「ピットリー。ご飯だよー。さぁおいで~」と手にあるミルワームを振りながら声をかけた。


 ぴっ?(ゴハン?)ピットリは首を傾げた。


 ピットリは、白崎の手にあるミルワームをじっと見た。


 ぴゅっ!


 ピットリが棚の上から勢いよく飛び降りて白崎の肩に着地した。


「よかった……」白崎は安堵した。

「ぴっぴっ!(ゴハンヨコセ!)」


 ピットリは白崎の周りを飛び回った。


「ほら」


 白崎がミルワームを一匹差し出すとピットリはまた白崎の肩に止まり、ミルワームをぱくりと食べた。


 ぴっ(オイシイ)。


「よかったね。でももう棚の上には登らないでね、わかった?ピットリ」

 ぴっ(ワカッタ)。

「……絶対わかってないな……ねぇわかってる?ピットリ?」白崎はジト目でピットを見つめた。

 ぴっ(ワカッタ)。


 翌日の朝、案の定ピットリはまた棚の最上段にいた。やはり、わかってはいなかった。

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