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細胞鳥?騒動日記  作者: 紫乃月 聖巴


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15/17

15. その後の謝罪

 視察が終わった後。


 白崎は所長室の扉の前に立っていた。ノックを三回した。


「入りなさい」


 白崎が入ると所長は窓の外を見ていた。頭には、ズラが再び収まっていた。


「所長、本日は本当に申し訳ございませんでした。視察の場で、このようなことになってしまい……」


「まず座りなさい」

「はい」白崎と所長は向かい合いながらソファに腰かけた。


 所長の顔色は悪かった。とても疲れた顔をしていた。


「所長、大変お疲れでですね」

「誰のせいだ、誰の……はぁ、ピットリもいるな」

「あ、はい……ここにいます」


 白崎に抱きかかえられた胸から、ピットリがひょこっと顔を出した。


 ぴっ?(ショチョウ?)


 所長はピットリを見た。ピットリも所長を見た。


「お前は」

 ぴっ?(ボク)?

「なぜ毎回私の頭を狙うんだ」

 ぴっぴっ(ツヤツヤスキ)。

「答えても何と言ってるかわからんか……」

「……まぁ鳥ですからね。所長、ピットリはその……光るものとか輝くものが好きみたいで……」

「だろうな」所長は目を細めた。

「鳥という生き物は光るものに引き寄せられる習性があるからな」

「……それで所長のズラは……」

「……それは言うな」

「はい……」


 しばらく沈黙があった。


「……白崎」

「はい」

「視察団のあの方々だが……あの後、懇親会を行った」

「はい……」

「そこで、科学省の若林課長から言われた」

「……なんと?」

「『あの鳥、面白いですね。研究所に個性があっていいと思いますよ』と」

「……え?」

「他大学の根本教授も『ユニークな研究環境なんですね』と言っていた。……はぁ、とにかくだ。あの鳥をきちんと躾けろ」

「……はい所長、すみませんでした」白崎は深々と頭を下げた。


 白崎が所長室を出ると廊下で上条、代田、高屋の三人が待ち構えていた。


「どうでした?」と上条が聞いてきた。

「呆れられてましたよ……」

「それだけ!?すごい怒られるとおもったんだけど!」高屋は意外そうな顔をした。

「なんか、怒る気力もなくなってましたね」

「それだけ、相当なショックだったてことかな?」代田は考え込んだ。

「本当に悪いことをしました」白崎は疲れた顔をした。

 ぴっぴっ?(ドウシタノ?)

「お前のせいなんだぞ」白崎はピットリの頭にちょこんとやさしくデコピンをした。

 ぴっぴっ(ナニスルノ)

「これ、やっぱわかってないんだろうなー」高屋はピットリを見た。

 ぴっぴっ!(アレキレイ!)


 通りがかりの研究員が光る丸いボールを手に持っていた。ピットリは、それに目線を向けて鳴いた。研究員は「これは、やらんぞ」と言って去っていった。


 ピットリは鳴き続けた。四人は思わず顔を見合わせ脱力した。

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