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黒薔薇学園の人形令嬢 ~大悪魔と、嘘で紡ぐ永遠の契り~  作者: 黒薔薇の囁き


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5/12

棘の翼の影

前回まで:

霧の翼の陽気な日常の中で、私はセバスティアンと再び出会った。

機械の心臓に生じた異常な軋みは、まだ収まっていない。

人形であるはずの私が、なぜこんな反応を繰り返すのか。私はそれを誤作動として処理しようとしている。

朝の巡回を終えた直後、監督官から連絡が入った。

「リリアーナ、人間三年生の生徒が棘の翼で不審な行動を取っている。調査してくれ。」

「了解しました。」

私は低位の人形二人を伴い、棘の翼へ急いだ。境界の扉をくぐると、空気が冷たく変わる。薄暗い棘の翼。

中央広場では、エミリアとその取り巻きたちが少し慌てた様子で立っていた。

「エミリア様、どうなさいましたか?」

エミリアは頰を赤らめながら言った。

「ルーカス様の後ろ姿を見て、つい追いかけてしまって……迷子になっちゃったの!」

周りの少女たちがクスクス笑う。

「エミリアったら大胆!」

「棘の翼、暗くて怖いよね……」

私は穏やかに言った。

「無許可の立ち入りは規則違反です。すぐに霧の翼へお戻りください。私がご案内します。」

すると、広場の奥から声がした。

「人間の令嬢たちが私の翼に迷い込むとは、珍しいな。」

セバスティアンが現れた。

エミリアたちの視線が一気に彼に集中する。

私は礼をしながら、胸の歯車が再び軋むのを感じた。

ギギ……

魔力の流れが乱れ、指先がわずかに冷たくなる。

「ヴァン・ノワール様。この者たちは規則違反です。すぐに連れ帰ります。」

セバスティアンは近づき、低く言った。

「規則を守るのは良いが……君の心臓の音が、また聞こえるぞ、リリアーナ。」

胸の違和感が強くなった。視界が一瞬ぼやける。

私は即座にそれを押し殺した。これは異常だ。人形にこんな反応は不要だ。

「私は正常に機能しています。ご心配には及びません。」

セバスティアンは低く笑った。

「そうか。では、続きを楽しみにしているよ。」

私は人間の学生たちをまとめ、棘の翼を後にした。

道中、エミリアが私の袖を軽く引いた。

「リリアーナさん、セバスティアン様ってどんな感じ?」

「……特別留学生です。詳細は存じ上げません。」

胸の歯車はまだ小さく回り続けていた。

人形である私が、こんな物理的な異常を繰り返すのは、明らかに問題だ。

刻印がそれを強く抑制しようとしているのに、なぜか完全に止まらない。

血月の余波は、まだ続いているのかもしれない。

私はこの異常を、必ず修正しなければならない。

(第5章 終わり)

次回、学院の日常が再び動き出す。

人間と異類の学生たちの間で小さな摩擦が生まれ、私は女仆長として対応に追われる。

機械の心臓の軋みはまだ収まらない。この異常は、いつまで続くのだろうか。

人形として、私は秩序を守らなければならない。

(第6章へ続く)

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