幼馴染のミナコ(女→男) ー 料理屋をやります。
「いやー、召喚される時に男にされたんだ。」
龍人パーティーメンバーの1人が異世界転移した「召喚勇者」っぽい。しかも俺の幼馴染。
「なんだ、ミナコは工房主殿と知り合いか。」
そうみたいっすね。
とりあえずミナコと2人だけで話をする。
ミナコも「召喚勇者」だった。女神ジャガンによってテイトウ帝国に呼ばれたんだと。どこだよその国。俺は聖王国グランセルだったけど。
で、ミナコは勇者として「拳闘特化」の「女神の保護」をもらった。でも女神に「戦うつもりはない」と言ったらしい。
そしたら、
(何のために呼んだと思ってるんだわ。お前みたいな反抗的なのはいらねんだわ。)
女神ジャガンにそう言われて「火山の火口」に落とされたらしい。その後は龍人ジルバに助けられてそれ以来一緒のパーティーにいると。なるほど。
でも火口に落とされてよく生きてたな。
え? 人気のバトル漫画くらいに肉体が強化されて溶岩に少し触れるくらいは平気だったと。すげーなそれ。
「手から波動も出るし少しだけなら空も飛べるんだぜ。」
なんか久しぶりに会った幼馴染の女の子が凄い事になってた。1番の驚きは男になってた事だけどな。
「いやー、びっくりだな。デンちゃんもか。」
まあな。俺も聖王国グランセルに召喚勇者として呼ばれたんだけど戦いたく無いって言ったら「海底」に落とされたんだ。
「なんだ。俺と一緒かよ。ハハハッ。」
そうみたいだ。てかミナコ、一人称に「俺」とか使ってたっけ。
「そりゃ男の体になっちまったからな。舐められるわけにはいかねえ。」
そんなもんかね。
「デンちゃんの力は?」
俺は女神から「万能工具」を貰った。壊れたものや何か作って欲しいもんがあったら言ってくれ。
「昔から何か作ったり好きだったよな。デンちゃん。」
まあ、性に合ってるよ。
「そういやこの力ってさ……なんか皆あまり触れてこないよな?」
ああ、うん。
確かに万能工具の事は皆スルーしている。こんな不思議で特異な「力」を使っているのに誰も不思議に感じないって言うか?
「あっ、やっぱりそうなんだ。なんか俺だけ特別な力っぽいのに周りは馴染んでるから俺、騙されてる? って疑心暗鬼になってた。」
ははっ、大変だったみたいだな。俺は気にしない事にしてた。
「太いな。神経が。さすがデンちゃん。」
ああ。この町に来て恋人も出来たし。
「本当か! すげーな。」
しかも恋人は2人だ。
「かーっ、早速ハーレムかよ。異世界でやる事やってんな。」
なんか久しぶりにノリの合う奴と会って少し楽しいぞ。
ーー
色々話した結果、ミナコはこの町に残る事になった。
でも龍人達はミナコが抜けるのは困ると言う。
「ミナコの料理が忘れられん。」
「また元の糧食生活に戻るのはイヤ。」
ミナコの料理は龍人達が懇願するほど美味しいようだ。
「この町では小料理屋をやるからさ。来てくれよな。」
そういや、ミナコは料理が好きだったな。幼稚園の時に既にお菓子やらなんやらを作ってた気がする。
結局、ミナコはウチの修理工房の3軒隣の料理屋(老夫婦が経営していた)に住み込む事になった。
「デンちゃんのコネで助かったわ。」
まあ、ラインフォード商会に相談しただけだけどな。老夫婦も閉めようかと思ってた料理屋が続く事になって喜んでいるし。良かった良かった。




